ホーム > 国際交流・留学 > 海外拠点情報(駐在記) > ハノイ海外拠点(ベトナム) > 大崎教授の海外駐在記「ハノイ農業大学駐在記(1)」

大崎教授の海外駐在記「ハノイ農業大学駐在記(1)」

 私は、今年の4月から国際交流担当教授として山形大学に赴任しております大崎です。動物生態学及び進化生態学が専門で、米国、ケニア、マレーシア、韓国、中国などの国で野外調査や共同研究に従事してきました。4月から山形大学では、主に海外サテライト・オフィスに駐在し、山形大学と駐在国に関する多面的な国際交流の支援を行っています。現在、ナイロビのジョモ・ケニアッタ農工大学に駐在していますが、これまでハノイ農業大学と延辺大学(中国吉林省)に駐在して国際交流の業務に従事しましたので、2つの国のサテライトや国際交流の状況について紹介させていただきます。今回は、ベトナムのハノイ農業大学での国際交流に関して3回のシリーズで紹介致します。

 緑したたるハノイ農業大学には2012年5月8日~6月6日まで駐在しました。このサテライトは、山形大学の海外拠点としては初めて2008年12月に開設されたものです。サテライトは、200ヘクタールもあるキャンパスの南側の隅、5階建ての幾棟もの学生寮が連なるスチューデント・キャンパス内にありました。2階建て図書館の2階20㎡の部屋に机とパソコンがあり、ネットワークが使えました。設立時の趣意書には、学生に対する留学案内、教員・研究者の交流拠点、共同研究の推進拠点、とあります。

 山形大学は、現在、海外21カ国48大学研究機関と学術交流協定を結んでいます。学部間でも21カ国69大学研究機関と協定を結んでいます。しかし、協定締結校との交流は、ともすると実質の伴わない形だけの場合があります。山形大学が海外サテライトを開設した目的は、実質的に密な交流をめざしたからです。とはいうものの常駐者はおらず、日本語が堪能なベトナム人をパートタイムの管理人として置いているだけでした。現在の管理人は4代目で、中学卒業までの4年間を日本で過ごしたハノイ大学日本語学科のヒューイ・ハー君で、週2回サテライトに詰めてもらっています。

 今回の私の駐在は、実質的な密な交流を現実化するとともに、世界が急ピッチにグローバル化する一方で、山形大学の学生を含む日本の学生たち一般の視線が国内へ向かう内向型になっている現状を打開し、グローバル化社会に対応できる人材を育てたい、という山形大学執行部の熱い思いからでした。

 ハノイ農業大学は、市街地から北東10キロの郊外にあります。大学の正門の周囲は学生街や市場住宅街ですが、その外周は水田地帯です。本部前には大学のシンボルである直径50mの池が4つ、田の字型に配置されており、赤い熱帯睡蓮や、白い蓮の花が咲いていました。池の畔はヤシの木や熱帯の花木が植えてあり、夕刻からのひと時は、涼を求める学生市民の憩いの場になっていました。設立は1956年で、農業大学として発足しましたが、現在は、農学部、畜産・水産養殖学部、獣医学部、土地資源管理・環境学部、機械電気工学部、経済・農村開発学部、会計・経営学部、政治・社会科学部、食品科学・加工学部、情報工学部、生物工学部、教育学・外国語学部、国家防衛教育学部、の13学部を擁する総合大学です。

サテライト・オフィスの画像
サテライト・オフィス

本部前のハス池の画像
本部前のハス池