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大崎教授の海外駐在記「ハノイ農業大学駐在記2(5)」

 HUAに滞在している山形大学在籍者の数は、3月5日にピークに達し、19人となりました。短期交換留学生8人。日本語チューター9人。共同研究で来られた農学部教員1人。そして私です。

 短期交換留学プログラムは2月22日に始まり、3月7日に終わりました。対応したHUAの部署は、International Cooperation Officeで、実際にプログラムを編成したのは、山形大学サテライト・オフィス管理人のハー君、彼はハノイ大学外国語学部日本語学科の現役の学生ですが、彼を中心に、昨年8月に山形での交換プログラムに参加した、HUAの学生と、山形大学提供の日本語クラスの核となっている学生、総計25人の実行委員でした。

 彼らが本格的にプログラムを練りだしたのは、今年の1月になってからで、途中、2月の旧正月のテト休暇を挟みましたが、毎日、夜遅くまで会議を重ね、常時、山大生8人に対して、カウンターパートとなる8人を張り付けて、対応してくれました。パワーポイントを使った、相互の文化・歴史の紹介などの屋内プログラムでは、実行委員自らのポケット・マネーから、茶菓や果物を用意してくれました。

 私も時々参加したのですが、最も印象的だったのは、午前のプログラムの途中、全体を統括していたリーダーの、工学部のLinh君の一言でした。「今日の午後は、出たい授業があるので、予習に1時間はかけたいので、これで失礼します」

 農学部の花卉園芸学実習では、花栽培のための土造りから始めて、植え替え、雑草抜きなど、多様な学部から参加した実行委員との共同作業でした。花は、3・4年生が1・2年生を指導して大学の圃場で栽培し、収穫した花は、学生たちが学内外で売るそうです。教員は、栽培技術を開発し、その技術を民間会社に売るそうです。これらの売り上げから次の栽培の材料費を引いた純益が、翌年の花卉園芸学科の研究費となるそうで、政府からは土地建物の提供だけで、研究費としての現金の補助は一切ないという話でした。自分達で研究費の全てを稼ぎ出す。これは農学部だけでなく、工学部など、他学部でも共通だそうで、山大の学生達は、HUAの研究費の現状を知り、大変に驚いていました。

 最後に、野外スタジアムで、料理コンテストがありました。12学部の代表と山大の計13チームが、料理と盛り付けとテーブル・セッティングを争いました。山大は芋煮と親子丼を作り、特別賞を受賞しました。里芋の代わりにタロ芋を使ったそうですが、私は久し振りの日本の味を味わえて、嬉しかったです。私の役は、優勝チームへの花束贈呈でした。

 夜8時に、交換留学生は、宿舎となった国際学生寮からHUAのバスで空港に向かいました。10人の実行委員が1時間半ほどかかる空港まで見送りに同行しました。翌日の8日の夜に、10人の実行委員が、私の宿舎にやってきました。この日は「婦人の日」で、女性に花束を贈る日です。彼らは私の妻に花束を持ってきたのですが、同時に、交換留学生と訪れた、世界7大奇観のハロン湾で買ったお土産を、私たちに持ってきました。「楽しい交換の機会を設けていただき、有難うございました」と書いたカードが添えてありました。

交換留学生の花卉園芸実習の画像
交換留学生の花卉園芸実習

お料理コンテストで審査を受ける山大チームの画像
お料理コンテストで審査を受ける山大チーム