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大崎教授の海外駐在記「ハノイ農業大学駐在記2(6)」

 3月10日に、安田弘法副学長を団長とする、柴田孝、滝沢匡、尾形睦の山大教員の方々が、HUAを訪れました。文部科学省の大学間連携共同教育推進事業 に採択された『美しい山形を活用した「社会人力育成山形講座」の展開』の主力メンバーで、アジアにおいてリーダーシップや高いチャレンジ精神及び異文化理 解を深める学生を育成するために、11月にハノイで海外研修を行うそうで、その現地調査に来られました。

 柴田孝先生は、中島みゆきの歌う「地上の星」とともに登場するような先生で、開発競争の激しかったPCの世界で、NECのプロジェクト・チームを強いリーダーシップで率いて、短小軽量のノート型パソコンを、世界に先駆けて開発した人です。

 私は、あらかじめ頼まれていた、この調査団に対応するHUAの学生5人の選定と会見場所設定を、日本語クラスのリーダーのLinh君に頼んでおきまし た。会見場所は、国際学生寄宿舎の1階集会室でした。選ばれた日本語クラスの5人の学生の中に、カンボジア人留学生のVuthyがいました。彼は日本語ク ラスの中核的存在です。

 現地調査団に対して、最も辛辣なコメントを発したのはVuthy君でした。先の山形大学短期交換留学生を念頭に置いての発言のようでした。「ベトナムに 来るなら、ベトナムの歴史と文化を、前もってある程度学んでくるべきだ」「良い事だけではなく、悪いこともあることを知るべきで、事故や盗難などは未然に 防ぐように、自分で心がけるべきだ」

 短期交換留学生がHUAに来て間もないころ、Vuthyが深刻な顔をして、私の宿舎を訪れたことがありました。彼の話は、山大の学生に、日本以外の国に は、良い人も沢山いるが、悪い人も沢山いることを、もっと意識すべきだ、ということでした。ハロン湾に行く際には、夜8時以後の外出を禁止すべきだ、とも 言っていました。彼の予想は当たり、8人しかいなかった交換留学生の2人がスリの被害にあい、バッグや財布を盗まれました。

 Vuthy君の批判は、柴田孝先生が強調された「リーダーシップ性ある、沢山のボスを育てたい」にも及びました。「ボスとは、仕事を下に押し付けて、何 もしない人の事だ。そんなボスを沢山作ったら、誰も仕事をしなくなる」この発言には、居合わせたベトナム人学生全員が同意しました。予想外の言葉の解釈 に、柴田先生は慌てていました。

 日本語クラスが開かれているのは、国際留学生寮の3階の会議室です。夜の7時から始まる日本語クラスは、教室確保の競争で、英語クラスに勝ち、英語クラ スは9時に始まることになりました。これは、国際学生寮のリーダー的存在のVuthy君の尽力のおかげです。しかし、Vuthy君は英語も非常に得意で す。Vuthy君だけではなく、日本語クラスの主力メンバーは、アメリカ援護局(USAID)が提供する、英語選抜クラスの学生でもあります。先日行われ た、全ベトナム大学対抗英語スピーチ・コンテストのHUA代表は、日本語クラスの主力メンバーのThuyさんでした。

 10日の夜に、HUA界隈きっての高級レストランに、先日の交換留学生の相手をしてくれた、25人の歓迎委員と、国際交流室のメンバーを招待して、安田副学長主催のパーティーをしました。パーティーにおける、安田先生、柴田先生の様子を写真で御覧ください。

安田先生の画像
安田先生

柴田先生、先生の右隣がVuthy君の画像
柴田先生、先生の右隣がVuthy君