ホーム > 国際交流・留学 > 海外拠点情報(駐在記) > ハノイ海外拠点(ベトナム) > 大崎教授の海外駐在記「ハノイ農業大学駐在記3(2)」

大崎教授の海外駐在記「ハノイ農業大学駐在記3(2)」

 11月20日は「先生の日」でした。「先生の日」は、昨年の9月に、中国の延辺大学でも経験しました。学生たちが、先生に対する日頃の感謝の気持ちや尊敬の念を表わすために、花や果物やお菓子の入った籠を、先生に贈っていました。

 ハノイ農業大学の「先生の日」は、学部ごとに盛大に行われていました。私は安田弘法副学長の共同研究者である、農学部長のCuong先生の御招待を受けて、農学部の「先生の日」の行事に参加しました。他に招待されたのは、既に定年退職された先生方でした。退職された先生方は、現役の教員にとっては先生だから、というのが理由でした。農学部の3階会議室で行われた会には、現役を含め約100人の先生が参加していました。

 会は、農学部長の挨拶の後に、准教授に昇任された先生、定年を迎えられた先生、古希を迎えられた先生の順に、花束贈呈と、答礼の挨拶がありました。ハノイ農業大学の教員総数は約700人で、うち、教授は2人、准教授は約60人、他は全員が講師です。定年は、男性60歳、女性55歳。教授、助教授は5年の定年延長があります。引き続き、講師全員による合唱があり、最後に、現役男子学生による独唱がありました。

 次に、会場を1階のロビーに移し、記念撮影の後に、赤ワインで乾杯して、立食パーティーがありました。ベトナムの主要なお酒はウォッカですが、ミツバチ研究施設の先生が、ロイヤルゼリー入りの蜂蜜で割ったウォッカを振る舞いました。

 先立つ11月18日に、柴田孝教授と尾形睦さん率いる、社会人力育成山形講座リーダーシップ論IVの受講生8人が、ハノイにやって来ました。19日午前はジェトロのハノイ事務所で講義を受け、午後から22日の夜まで、ハノイ農業大学の学生と、文化交流、街歩き、観察発表会、料理会、感想発表会、市内散策、等を行いました。宿舎は大学構内の国際学生寮で、日本人学生8人に対し、日本語クラスの学生24人が3交代で応対してくれて、3度の食事も一緒に学生街の馴染みの店に行き、カラオケ、ビリヤード、当地名物の飲料チェーの店へと、連日、寮の門限ギリギリの23時まで、行動を共にしていました。

 日本語クラスの学生は、米国援護局が提供している英語の上級クラスの選抜学生で、英会話の実践の場として、英語で教える日本語クラスに目を付けました。したがって、英語が堪能です。対して、多くの日本人学生は、始めは英語に臆していたようで「自分は英語ができない」と相手に告げた学生もいました。その告白を聞いたベトナム人学生達は、その学生に絶えず英語で話しかけ、その学生も、次第に自分から会話の輪に入るようになりました。これは、当人が3日目の感想発表会で、笑みを交えて英語で話した話です。

 日本人学生の作った料理に芋煮がありました。彼らは前日、学生街の市場に行き、参加者約40人のために、小さな里芋を7個買いました。一事が万事で、買う量が少ないので、私は柴田先生に「量が少な過ぎるのではないですか」と言いますと、先生は「あれじゃ3人分ですよね」と笑っていました。翌日、何人かの日本人男子学生が、ベトナム人女子学生の運転するオートバイの後に乗って、市場へ買い足しに出かけて行きました。「失敗を繰り返し、身をもって知る」それが柴田塾のやり方のようです。

「先生の日」のお祝いで、合唱する農学部の講師の先生方の画像
「先生の日」のお祝いで、合唱する農学部の講師の先生方

社会人力育成山形講座の受講生の歓迎会の画像
社会人力育成山形講座の受講生の歓迎会