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大崎教授の海外駐在記「ベトナム国家農業大学駐在記(2)」

 11月20日は「先生の日」でした。リーダーシップ論プログラムで居合わせた柴田孝教授も私も、日本語クラスに参加している妻も、学生達から花束を贈られました。学内では、別の学生達が各所で花束を売っており、それを、お金を出し合って買って、贈ってくれたのです。個人的に、手作りのカードや、チョコレートを贈ってくれた学生もいました。

 昨年も、この季節に駐在し、農学部の「先生の日」のお祝いに招かれたことを思い出しました。退職された先生方を招待し、現役の先生が歌を歌い、学生が現役の先生に歌を歌い、その後、立食パーティーがありました。

 中国の延辺大学に駐在中も、同じような「教師節」があり、ベトナムと全く同じように、先生に花束やお菓子を贈っていました。そこで、社会主義国の習慣かな、と思って調べたところ、1994年にユネスコが設定したそうで、中国は9月10日、アメリカは5月の第一火曜日、インドネシアは11月25日、というように、世界各地で行われている催しでした。

 11月16日~23日まで行われた柴田教授のリーダーシップ論プログラムには、日本から11人、ベトナムからは約300人の応募者から面接選考された30人が参加しました。しかし、ベトナムからは60人以上が参加したようだ、と言う話でした。ほぼすべての学生が、山形大学提供の日本語クラスに参加している学生で、プログラムの公用語は英語だったのですが、日本語だけで自己紹介をするベトナム人学生が何人かいました。

 22日の夜は、大学から離れた場所でお別れ会があり、会場に向かうバスの中で、ベトナム人学生が「先生大好き。先生大好き。先生大好き。先生大好き。」と唱和し始めました。プログラム会場でテーブルに向って座れば、直ぐに誰かが、お茶が良いか、コーヒーが良いかと尋ねてくれます。日本語クラスでは、黒板消しの清掃や、授業の前後の挨拶などの号令を、率先してする学生が現れます。そして、屈託なく「先生大好き。」の唱和です。

 プログラム終了後のベトナム学生の述懐に、日本語チューターの山大生が、生まれて始めて接した外国人で、その後の山大との交流で、自分の人生が変わった、というものがありました。しかし、変わったのは山大生も同様でしょう。始めは寡黙でぎこちなく、ベトナム学生に押されっぱなしだった山大生も、最後は屈託なく、英語で談笑していました。

 2年前に、ベトナム国家農業大学の国際教育発展院が、有料日本語クラスを設立しました。この有料クラスの設立時に、国際教育発展院から、山形大学提供の無料クラスを廃止して欲しい、という依頼がありました。学生を有料クラスに集めるためには無料クラスは障害になる、という主張でした。私は、無料クラスは有料クラスを補完こそすれ障害にはならない、と主張し、何度もの話し合いがありました。この間の経緯は、II-7で報告しました。

 2クラスで始まった有料クラスは、現在は3クラスに増えていて、そのほとんどの学生は、無料クラスの出身です。初代講師だったミンさんは日本滞在中だそうで、2代目講師のラムさんは、ハノイ市内の大学の日本語学科を卒業したばかりの御嬢さんでした。今回、山大提供無料日本語クラスは2教室を使っていますが、その確保も、柴田教授のリーダーシップ論プログラムも、前面に立って支援していたのは、この国際教育発展院でした。

「先生の日」の贈り物の画像
「先生の日」の贈り物

アオザイ姿は日本人学生ですの画像
アオザイ姿は日本人学生です