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大崎教授の海外駐在記「ベトナム国家農業大学駐在記(5)」

 12月12日、明日は帰国と言う日に、日本語クラスの「手巻き寿司」パーティーをしました。多くの学生が期末試験前の帰省中で、しかも、パーティー開催を急遽決めたので、参加者は、日頃からゲスト・ハウスに遊びに来る学生10数人と予想していたのですが、例年とあまり変わらない21人が参加しました。会場は、例年使っていた国際学生寮の厨房と集会室を予定していたのですが、今年から使用料55ドルを取る、というので、ゲスト・ハウスの二階ロビーに変更しました。炊飯器などの用具は学生達が調達してきました。

 具材の買い出しのために、妻と5人の学生が、朝9時半に大学構内のバス停で落ち合い、ハノイ市中の大型スーパーに出かけていきました。12時過ぎには、参加者全員が揃い、ゲスト・ハウスの2階の私の居室の洗面所と、ロビーの隅に積み上げてあったテーブル2基を用いて、調理を始めました。14時にパーティーが始まり、15時頃には、2つの炊飯器に残った寿司飯を巡り、2つのグループに分かれて、大騒ぎの早食い競争が始まりました。中心になったのは女子学生達でした。16時半に散会。その前に、学生達は、自分達で金を出し合って買ったと言う、バッグを妻に、ネクタイを私に贈ってくれました。

 この日の夜と、翌13日の昼と夜は、就職した卒業生達が、一緒に食事をしたいとやって来ました。現役の学生も交えて、大勢で大学周辺の料理屋や焼肉屋を巡りました。最後の夕飯は、サテライト担当のThuさんが招待したいと頑張り、学生や卒業生6人と熱鍋屋に行きました。ゲスト・ハウスに戻ると、10数人の学生達が待っていました。午後8時に、空港までのタクシーが来ることになっていて、学生達が集まっていてくれたのです。

 先立つ10日の朝、獣医学部の動物病院に行きました。ここで犬の健康診断書を書いてもらい、翌日、市中の動物検疫所に健康診断書を持っていき、犬の輸出許可書を発行してもらう算段でした。動物病院へは、日本語クラスのカンボジア人留学生のブティー君が一緒に行ってくれました。しかし、この日、動物病院には、獣医師は1人もいませんでした。実習で居合わせた女子学生が、「先生は、今日は休みで、近くで動物病院を開いているから、そこに連れていく。」と言って、オートバイを引っ張ってきました。

 私は彼女のオートバイの後に乗り、ブティー君はオートバイ・タクシーを呼んで、先生の動物病院に向かいました。直ぐ近くのはずが、バイクは片道3車線の大渋滞の道を、車線をクネクネと変え、歩道も走り、ソンコイ川にかかる橋をも渡り、旧市街に入って行きました。途中、雨が降り出し、彼女は座席の下から雨合羽を出して、私の頭の上に被せました。

 何時しかブティー君ともはぐれて、たどり着いた先が、獣医学部のロン先生とリン先生ご夫妻のペット・クリニックで、ペット・ホテルやペット・グッズ店、そしてカフェも兼ねていました。御夫妻とも、山口大学で博士学位を取得されたそうで、日本語が堪能でした。

 クリニックには、錦鯉が泳ぐ日本庭園があり、遅れてやって来たブティー君は、彼のベトナム滞在3年間で見た最も美しい空間だ、と言っていました。帰りはタクシーを頼みました。動物検疫所の手続きはリン先生がして下さり、翌朝、授業があるというリン先生が、輸出許可書をゲスト・ハウスに届けて下さいました。健康診断も含めて無料でした。

手巻き寿司パーティー。の画像
手巻き寿司パーティー。

獣医学部のリン先生(左)とロン先生(右)御夫妻。の画像
獣医学部のリン先生(左)とロン先生(右)御夫妻。