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大崎教授の海外駐在記「ベトナム国家農業大学駐在記2(3)」

 11月23日から始まった1週間は、柴田孝先生と尾形睦美さん率いる「リーダーシップ論」の学生7名が、ベトナム国家農業大学で実習を行いました。国際交流室の岩崎聡子さんも同行しました。対応したのは、学内の国際教育発展院が募集して、面接選抜した8人で、リーダーのワインさん始め、多くは、山大日本語クラスの上級クラスの面々でした。

 この実習は、ベトナム国家農業大学で3年連続行われており、ベトナム側は選抜された学生だけではなく、日本語クラスの他の学生もオブザーバーとして参加し、過去に参加した卒業生も何人かやって来て、柴田先生との旧交を温めていました。リーダーのワインさんは、昨年は選抜から漏れて、オブザーバー参加をしていました。

 山大とベトナムの正規参加の学生達は、前もって、ライン、イーメイル、フェイスブック、スカイプなどを利用して、実習の内容を相談し、日程を組み立てていたそうで、私がベトナムに来た時には、ベトナム側学生は毎晩集まって、踊りの稽古等の準備を行っていました。

 私が参加したのは、ベトナム主催の歓迎会、山大主催のお別れ会、両校の学生が自ら腕を振るった昼食会、などでした。ベトナム側の学生は主に学内の寮に住んでおり、山大生も大学の宿泊施設に泊まっていましたが、夜は両校の学生達が、大学閉門の11時ギリギリまで街に繰り出して行きました。

 カラオケにも行ったそうですが、ある日は、大学から車で15分程の所に11月1日にオープンしたイオンモールに、閉店の10時までいたそうです。レストランだけでも53店ある4階建ての大きなモールで、ベトナム学生だけではなく、山大生も驚いたようです。

 2年前に、日本の某国立大学の学生達が、学内の宿泊施設に泊まっていましたが、夜の行動は大学正門までも行けない狭い範囲に限定されており、日本人学生相互の部屋を行ったり来たりしていました。それに比べて、山大は自由で、日本語チュータープログラムでは、ベトナム学生と一泊旅行や、実家にホームスティーに行ったりしており、一般の旅行では得難い経験をし、ベトナム社会に深く入り、国際交流を促進しています。

 しかし、自由な行動は常に危険と隣り合わせであることを知っていただきたいです。恐らく、日本ほど安全な国はありません。日本にいる感覚で行動すると、とんでもない危険に会うことがあります。今年も、私が学生達と滞在がオーバーラップした、ラトビアとベトナムだけでも、それぞれスリの被害がありました。スリの被害程度なら笑い話です。くれぐれも命を落とさないように、気を付けていただきたいです。

 別れの時は、涙、涙、また涙でした。山大側は男子が多く、ベトナム側は女子が多かったのですが、両者、男女の区別なく抱き合い、泣いていました。「山大生の全員が、チュータープログラムで戻ってくると約束した。」と、ワインさんが喜んで報告に来ました。

 同じ晩に、職員大使で来ていた農学部の矢島祐介さんも帰国しました。彼は、12月6日に実施される日本語検定試験のN3(英検の2級に相当)受験者のほぼ専属チューターでした。彼の帰国便は深夜でしたが、教え子の女子学生数人がタクシーで約1時間の空港まで、見送りに行きました。「絶対にベトナムに戻って来ます。」彼の別れの言葉でした。

昼食会。リーダーのワインさんは、最後列の左から4人目。の画像
昼食会。リーダーのワインさんは、最後列の左から4人目。

矢島先生(右から4人目)。最上級グループの最後の授業を終えて。の画像
矢島先生(右から4人目)。最上級グループの最後の授業を終えて。