ホーム > 国際交流・留学 > 海外拠点情報(駐在記) > ハノイ海外拠点(ベトナム) > 大崎教授の海外駐在記「ベトナム国家農業大学駐在記3(1)」
10月9日~12月3日の予定で、ハノイにある、ベトナム国家農業大学に駐在しています。今年の学年始めの4月には、当地には8月~9月にかけて駐在することを予定していました。しかし、先方より、10月12日に創立60周年のお祝いをするので、それに参加できるような日程で来て欲しい、と依頼されて、10月9日にやってきました。
10月10日に、ベトナム国家農業大学の国際交流課と海外教育発展院の共催で、学内のレストランで歓迎昼食会を開いていただきました。その席で、創立60周年のお祝いは、12月10日に延期になった。改めて、招待するので参加して欲しい、と依頼されました。今回は、諸般の事情で、お断りしました。
お祝いの日を延期したのは、会場として、1年前より改築工事をしていた大学本部建物の竣工が間に合わなかったからだそうです。10月末、遅くとも11月中には完成すると思う、との話でした。そして、招待者達に対して、この突然に決まった日程の変更を、まだほとんど連絡してなくて、困っていると話していました。
ベトナム国家農業大学は、現在、キャンパスの各所で工事中です。300ヘクタールあるキャンパスの、その多くを占める農場の一部を潰して、学内に商店街が出現し、スポーツ・グランドや講義棟が新設されています。そのような、経済的余裕ができた背景に、ベトナム国家農業大学の管轄が、昨年、貧しい教育省より豊かな農業省に代わったからだそうです。ベトナムでは、教育省が管轄する大学は、10校に満たない総合大学だけで、農業大学や工業大学のような専門大学は、関係省庁の管轄で、その方が、施設が充実しているそうです。
ベトナム国家農業大学は、3年前より、毎年急激な定員増を行い、今年は、3年前の3倍の3万人に膨れ上がり、授業は午前6時30分~午後9時30分まで行っています。それも、週末の休日を無くして、土日も授業を行っています。授業料も毎年値上げしているそうです。
この、急激な高度成長は、大学だけでなく、学外でも実感できます。昨年、新空港ができて、以前は、夜間に空港に着くと、タクシーは果てしなく続く漆黒の闇の中を走り続ける感じでしたが、今年は、明るい街灯の並ぶ高速道路を、一気に大学まで来ました。
10月10日~15日にかけて、山形大学農学部の教員3人、学生5人、ベトナム国家農業大学からの留学生2人が、ベトナム国家農業大学を訪れて、ベトナム人学生を交えて合同セミナーを開きました。日本人学生は、山大提供の日本語クラスにも参加しました。
ベトナム国家農業大学は、3年前より学内で、日本語を非正規科目として教え始めていましたが、来年度から、正規科目の第二外国語として採用するそうです。第一外国語は英語です。ベトナムでは、普通、第二外国語はフランス語、ロシア語、中国語から選ぶそうですが、ベトナム国家農業大学は、山大提供の日本語クラスの盛況振りを見て、日本語の採用を決めた、と海外教育発展院のHa院長が話していました。
初代の日本語教師として、農学部の学生として山大日本語クラスに3年間入り浸り、昨年卒業して、海外教育発展院の職員として山形大学担当になっていたHangさんに決まったそうで、彼女は10月より1年間、大阪にある日本語学校に派遣されているそうです。