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大崎教授の海外駐在記「ベトナム国家農業大学4(4)」

ベトナムは2月16日が、新年の元旦です。旧暦のお正月で、テトと言います。したがって、大晦日に当たる15日から三賀日の16、17、18日が国民の休日でしたが、17、18日が土日なので、19、20日の月火も振替の休日となりました。

大学は8日に授業が終わり、9日からテト休暇に入りました。しかし、多くの学生は、その前の週からお正月を迎えるために帰省を始め、キャンパスには人気が無くなっていました。そして、9日には誰もいなくなった、という状態になりました。

私は9日の深夜にゲストハウスを出て、帰国の途に就きましたが、日本語クラスの熱心な学生達、特に、昨年の山形でのサマープログラムに参加した3人の女子学生達が、最後まで私達に付き合ってくれて、帰省を遅らせ、私達の帰国を見送ってくれました。

このベトナム最後の日の9日に、学生たちの提案で花見に行きました。花見と言っても、日本でいう植木市の見学です。ベトナムでは、テトの飾り付けに、鉢植えの黄色いキンカン、ピンクの桃の花、黄色い梅の花、が伝統的に使われていますが、その他に、大きな黄色のザボンの実やグレープフルーツの実、ランの花、ユリの花、黄色い菊の花、赤いバラなどが好まれています。植木市場は街の至る所にある、という感じで、ベトナム国家農業大学のキャンパス内のメイン道路沿いにも、民間の業者の植木屋が300メートルぐらいにわたって植木市を開いています。学生たちは、キャンパス外にも大きな植木市場があるから、そこに見に行こうと私を誘いました。

大学から1㎞ほど離れた一画に植木市場がありました。1本の花はそう高くなく、ランの花でも1本500円程度ですが、それが高価な焼き物の鉢に何本も飾り付けてあると、数万円から数十万円になります。そんな鉢が幾つもあるので、売れるのだろうかと疑問を述べると、学生達は「ベトナムにはお金持ちが沢山いますよ」と言いました。帰省した学生から「実家に初めて飾り付けの鉢植え植物が置かれていた」という写真も送ってきました。このように、ベトナム人が確実に豊かになって行くのは随所で感じられます。

私が宿舎で葡萄酒を飲んでいる時に、4人の女子学生が遊びに来て、自分たちも葡萄酒を飲んでみたいと言いました。私が「これは高いぞ」と言って、グラスに少しだけ注ぐと、「幾らか」と尋ねました。イオンモール・ランビエン店で買ったもので、日本とほぼ同等の値段でした。「20万ドン(1000円)だ」と言うと、全員が一斉に「安い!」と笑い出しました。6年前に初めて当地に来た時には、学生の仕送りは5000円程度でした。

日本は雪の降る季節ですが、ベトナムも気温は10数度ですがコートがないと肌寒いです。学生達は日本と同じようなダウンコートを着込んでいますが、手袋をはめていることはほとんどなくて、両手をポケットに入れて歩いています。バイクの学生も、片手をポケットに突っ込んでいます。屋内も夏の暑さ向けにできていて、多くのエアーコンディショナーは、冷気だけが出てきて温風は出てきません。したがって、室内は日本よりもかなり寒く、夜は寒くてなかなか眠れなかったと漏らす学生もいます。しかし、2~3年後のベトナムは、多くの人々が手袋をはめ、暖かな室内に住んでいる、そんな予感がします。

植木市場の画像
植木市場