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星智也 理学部理学科 1年

派遣期間:平成30年2月21日~3月9日(17日間)

日本語教室で活動
生徒が5,6人入るのがやっとなほど、使用する教室がかなり狭かったので、我々は主となる先生が授業の授業の前半に教えて、後半は参加した生徒に個別で教えていくというスタイルで授業を行った。月曜日は初級読みと上級書き、火曜日は文化体験、水曜日は初級読みと上級書き、木曜日は初級書き、金曜日は初級書きを行った。初級読みは主に「こんにちは」、「おはようございます」などのあいさつや、「私の名前は○○です、よろしくお願いします。」などの自己紹介、「一、二、三...百」などの数字の数え方を教えた。初級書きは「あいうえお」などの50音から濁音・半濁音、促音、拗音を教えた。文化体験では書道を体験してもらった。上級書きでは「○○は××と同じくらい~だ」という比較級、「○○は一番~だ」という最上級、「を・に・へ」などの冠詞を教えた。

日本語教室以外での交流活動
ある生徒に寿司をごちそうしてもらった。その人はラトビアで雄一のダイヤモンドの鑑定士らしい。食事中にも日本について色々な質問を受けた。一番印象に残ったのは「日本人は働きすぎではないか?」という質問だった。言うまでもなく私は社会人ではない。適当なことは言えないが、「私が本やニュースで見た限り、日本人は単に効率・生産性が悪い分を長時間労働でカバーしているのだと思います。」と答えた。これは間違ってはいないと思う。その人によるとラトビアは勤務終了時が6時で週休が2日あるらしい。日本も働き方改革で労働基準が見直されているが、我々が社会に出る頃には働きやすい国になっているのだろうか。
ラトビアの学生は賢く感じた。というのも、ラトビアは教育水準が高い。ラトビア大学のある教授によると、ラトビア人は高校卒業時にはラトビア語・ロシア語・英語の3か国語は話せる状態にあるという。それに加えて日本語も習得しようとしている人もいるのか。恐ろしいな、ラトビア人。日本で言う「アクティブラーニング」も積極的に取り組まれているらしい。私は日本語とカタコトの英語しか話すことができず、自分がアクティブに活動していると断言できない。ヤバいな、自分。
観光も十分に楽しんだ。ラトビアの首都リガの旧市街では、日本語教室で知り合った生徒に案内してもらい、名前はよく覚えていないが様々な教会や国立美術館、博物館などを訪れた。また、ラトビアから40キロほど離れたスィグルダという田舎町にも訪れた。この地域は建物が少なく、ハイキングで訪れる人が多いが、冬なのでほとんど人がいなかった。小さな雪山を歩いてるような感覚で登りきり、頂上にある塔を見物した。
ヨーロッパなので、隣国に容易に旅行に行くことができる。私はリトアニアとエストニアにも行った。リトアニアの首都ヴィリニュスでは偶然お祭りが催されていた。マイナス10度くらいの中かなり盛り上がっていた。もちろんここでも様々な教会や博物館などを訪れ、歴史を肌身に感じた。そしてリトアニアと言えば有名な日本人がいる、杉原千畝である。彼の紹介をすると長文になるので、気になる方は各自で調べてほしい。
リトアニアの旧首都カウナスでは最初に杉原記念館を訪ねた。閉館中で中に入ることはできなかったのはとても残念だったが日本人として何かを感じることができた。後はカウナスの旧市街を回った。
エストニアでは首都タリンを訪れた。旧市街の城壁を登って旧市街の景色を観たり、バルト海沿岸にある海洋博物館を見学した。またエストニアはIT大国で有名である。通話アプリ「Skype」を生んだ国と言えばピンとくる人もいるだろう。他の2国とは違い、エストニアは若者が多く、旧市街のすぐ隣の新市街は活気があるように見えた。建築中の建物も多く、これから発展するように思えた。

参加目標の達成度と努力した点
私個人の目標は漢字を用いた例文を読み、漢字の意味や日本の生活を教えるところまでやることだった。しかし、日本語を教えるのは簡単なことではなかった。ラトビア人からすれば、ひらがな・カタカナ・漢字の3種類の文字をどう使い分けるのか、なぜ「にほん」というひらがなを「日本」という漢字に書き変えなければならないのかなど、我々からすれば違和感の無いことに対する質問が殺到した。他にも「らりるれろ」、50音表やキーボードで打つときは「ra,ri,ru,re,ro」だが実際発音するときは「r」ではなく「l」である。この違いを説明するのにとても苦労した。そして冠詞、「~を出る、~から出る」、「~に行く、~へ行く」、どちらも通じる。二通りの表現方法があることに疑問を持たれたが、「それが日本語だから」ということ以外に答えることができなかった。教えるというより、詰め込ませた感覚が強かった。

プログラムに参加した感想
このプログラムに参加できて本当に良かった。世界観が広がった。自分がまだまだだと感じた。この3つは確実に言える。山形大学に入って1年経とうとしている中、「この1年で何か大きな成長したか?」と自分に問うた時、特に何もなかった。そんな中のこのプログラム、そして私にとっての初海外、かなり大きな刺激になった。グローバル時代の中、自分はこの1年何もできていないではないかとすら感じてしまった。単なる勉強だけでなく常に学び続けなければならなかったし、これからもそうしなければならないと思った。

今後の展望
今回の経験から、留学の視野も広がってきた。このまま山形に居続けてもあまり成長できないように思われる。様々な人と交流し、異国の文化・生活に触れ、語学の習得のためにも1年間どこかへ行ってみたい。また、これからの生き方を変えていきたい。残された大学生活を無駄にしたくない。より遊び、より学び、より多くの人と関わりたい。そのためにも自分にとって無駄なものを捨て、時間をうまく使い効率よく生きなければならない。そして社会を、人生を豊かにしていきたい。

 

エストニア:海洋博物館内の画像
エストニア:海洋博物館内

ラトビア:自由の記念碑の画像
ラトビア:自由の記念碑

リトアニア:杉原記念館の画像
リトアニア:杉原記念館