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伊藤直樹 工学部化学・バイオ工学科 1年

派遣期間:平成30年2月22日~3月8日(15日間)

日本語教室での活動内容
全体的な組み分けとして、会話初級、会話上級、日本語の書き方、日本文化というクラス分けを行い、その中で私は主に会話の初級を担当しました。
初級のクラスでは、ある程度簡単な日本語が使える学生もいればひらがなを覚えることから始めたいという学生もおり、授業をどう進めるか戸惑いましたが、アニメやゲーム、日本の料理などそれぞれのもつ日本に対する興味を聞き、それに関連したワードを使いながら誰もが無理なく楽しく参加できる授業を行いました。そのなかで特に会話を重視しました。はじめ、日本語に初めて触れる学生を中心になかなか授業に馴染めない様子がちらほら見受けられましたが、一緒に大きな声で発声練習を進めるうちに教室に出入りする際「こんにちは」「さようなら」と積極的に声をかけられるようになり、とても良い雰囲気で授業を行いました。

日本語教室以外での国際交流
現地では大学からバスで15分ほどの距離にあるホステルに滞在しました。そこでは、地方からラトビア大学に通うラトビア人の学生とルームシェアをしました。さらに、同じホステルに住む学生からスシを作ってほしいと頼まれ、山大生同士で協力して、スシとから揚げを振る舞いました。日本人=スシが作れるという印象らしく、私たちは材料をどこから調達するか悩みましたが、リガ市内のスーパーでは米や醤油、ワサビやガリまでもが店頭に並んでおり、日本食が海外でも受け入れられているのだと感じました。
加えて、世界遺産に登録されている美しいリガ市旧市街などにも行き、長い歴史の中で培われてきたラトビアの文化や誇りを感じ、今年で100年目となるラトビア独立までの道などと陰と陽、それぞれの面を学ぶことができました。この、独立100周年という行事は街中をみても一際目立ち、いたるところに国旗を基調とした独立を祝うモニュメントが設置されているなど、ラトビアにとって重要なものであると強く感じました。

参加目標の達成度と努力した内容
今回の参加目標として「日本と遠く離れた国の文化・歴史を感じ取ること」で、入国当初、言語はもちろん町並みやそこに住み人々の風習と何から何まで日本とは全く違うものだと思っていましたが、現地に滞在する中で日本との共通点として、日本語とラトビア語の文法構造、漢字の構成とラトビア語の単語の構造といったものが似ていることに気づきました。さらに、特に興味を持ったのは日本の神道とラトビア古来の信仰がともに精霊信仰に近いもので、現在、ラトビア国内ではキリスト教が大部分を占めており、街中を歩くといたるところで教会を目にしますがここで地方に目を向けてみると、圧倒的少数派ではありながらも未だ古来の宗教が残っており、遠い国でありながら親近感を感じることができました。
さらに、私のもう一つの目標として今まで学習した成果を試すことで、ラトビアは旧ソ連の一部であったことから、年配の方を中心にロシア語話者が多く、実際に市場では英語よりもロシア語を使う機会のほうが多く感じられました。しかし、意思疎通がうまくできない場面も多々存在し、自分の意思が伝わらないとき、または相手の意思が読み取れないときはジェスチャーや筆談を交えてコミュニケーションをとるなどといった工夫をしました。

プログラムに参加した感想
プログラムに参加し感じたことは大きく分けて2つあります。
第一に、考えるものの広さがひろがったことです。私は数年をかけて日本各地を巡り、各地の沢山の文化を学んできたつもりでしたが、それは逆に、日本という、ごく限られた場所にしか目を向けていなかったということに強い衝撃を受けました。世界各国には今までに目にしたことが無い文化や風習が存在し、その中で様々な人が生活しているというごく当たり前のことを再認識するきっかけとなりました。
第二は、言語に壁はあっても、人と人との間に壁は無いと実感したことです。互いの英語の知識が覚束なくても自分たちの国や学んでいる学問、自分の考えについて意見を投げ合い理解する。そこから、さまざまな場面から輪を広げていけるのだと感じ、このつながりを維持したいと思いました。

今後の展望
今回のプログラムでは何といっても、自分の視野が広がったと強く感じます。この気持ちを忘れずに、さまざまな新しいものに自ら触れていきたいと思います。さらに、自ら進んで日本語に取り組む現地の学生を見て、自分の学習は本当にこのままでいいのかという疑問と同時に外国語をもっと勉強したいと思うようになりました。先述の通り、海外に視野を広げるとしたら英語が不可欠であり、結果として英語力の向上が必須となるので、学校での英語学習はもちろんのこと、日本に留学している海外の学生と多くの交流するなど積極的に行動を起こしたいと思います。

スシパーティーの画像
スシパーティー

教室の様子の画像
教室の様子