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渡辺ひかり 地域教育文化学部地域教育文化学科 1年

派遣期間:平成30年3月5日~3月16日(12日間)

日本語教室での活動
 ラトビア大学では、月・水曜日に二コマ、火・木・金曜日に一コマの授業をしました。ラトビア大学の日本語教室は、生徒の人数が少なかったものの日本語能力に差があったため、クラス分けを行いました。私は、主に「初級」クラスと「日本の文化」の授業を受け持ちました。「初級」クラスでは、会話表現とひらがな・カタカナの書き方の練習を行いました。会話表現では、日常生活やラトビア大学の学生が日本にきてくれたときに役立つ内容にしようと工夫できたと思います。今回の日本語教室ではじめて日本語に触れるという学生も多かったため、基本的な内容を多く扱いました。扱った内容は、あいさつ、自己紹介、買い物の場面での表現、道案内の仕方や方向の言い方などです。買い物での表現を学ぶ際には、金額などを伝えやすくするために、あらかじめ数字についても学習しました。道案内や方向の言い方を学ぶ際には、物の位置関係の言い方を重点的に扱いました。こそあど言葉の使い分けに少し戸惑いが見られましたが、丁寧に説明し、納得してもらえたように感じています。ひらがな・カタカナの書き方の授業では、私たちがラトビア大学の学生のすぐそばについて、細かな書き方や書き順を教えることを心掛けました。カタカナを苦手としている学生が多く、特に「シ」と「ツ」、「ン」と「ソ」の書き分けが難しいようでした。しかし、形の違いをしっかりと説明すると、理解して正しく書けていました。「日本の文化」の授業では、折り紙や書道、昔の遊び、箸の使い方を体験してもらいました。中でも、折り紙は好評で、どの学生も慣れない手つきながらも、一生懸命折っていました。折り方の説明書に出てきた言葉を訳したり、知らない漢字を調べたりすることで、日本語の学習にもつながっていました。
 私が日本語教室の活動において最も印象に残っていることは、ラトビアの学生の意欲的な学習態度です。私たちの日本語教室は約三週間程でしたが、中には日本語を何も知らない状態から、日常会話ができ、ひらがな・カタカナ・漢字まで書けるようになっている人までいました。私は、本当に驚きました。また、日本語を趣味として学んでいる人も多く、楽しそうに学ぶ姿に日本人としてうれしくなりました。

日本語教室以外の活動
 日本語教室以外の活動でも心に残っていることはたくさんありますが、ここでは三つ紹介したいと思います。
 一つ目は、ラトビアのリガの街を散策したことです。リガの旧市街は、ユネスコの世界遺産として登録されるほど、素晴らしい街です。日本では見ることのできないような建築の数々を自分の目で見ることができたことは、大変貴重な経験だったと思います。リガの旧市街は、建物の外壁の色使いがはっきりとしていて、まるで絵を見ているようでした。旧市街の中のカフェや雑貨屋さんを巡ったこともよい思い出です。
 二つ目は、ラトビアの学生との食事です。現地の学生とは、日本語教室の授業後に度々食事に行きました。現地でも人気のおしゃれなレストランを教えてもらったり、ラトビアの定番料理を食べたりととても楽しく過ごすことができました。ラトビアでは、よくチーズを食べます。日本では見かけないような、個性的なチーズがたくさんあり面白かったです。
 三つ目は、オペラ鑑賞です。オペラを見ることは、私にとって、ラトビアにいく上で最も楽しみにしていたことの一つでした。ラトビアには、規模の大きい国立オペラ座があり、オペラが市民の娯楽として親しまれています。オペラ座の内部は、細やかな装飾が施されており、中に入っただけで優雅な気分を味わうことができました。私が見たオペラは現代的な作品で、テーマについて自分なりに解釈するのは難しかったです。しかし、音楽や歌が素晴らしく、本場のオペラを満喫できました。

参加目標への達成度と努力した内容
 このプログラムに参加するにあたり、私は、二つの参加目標を立てていました。一つ目は、日本文化について理解を深め、それを外国の学生に伝えること、二つ目は、コミュニケーション能力を向上させることでした。
 一つ目の目標に関しては、おおよそ達成できたと思います。私は、できるだけ多くの文化を紹介したいと考えていたため、渡航前に様々な道具を準備していました。折り紙やけん玉、独楽など日本の昔ながらの遊びは、体験的に学んでもらうことができ、良かったと思います。また、ラトビアの学生は、日本の書道に興味を持っているようでした。筆で文字を書くという行為が珍しいらしく、私が手本を見せると、じっと見ていてくれました。学生の名前に漢字をあて、筆で書いたものをプレゼントするとすごく喜んでもらえました。それと同時に、日本の漢字文化についても話が広がり、大変有意義な時間を過ごすことができたと思います。
 二つ目の目標に関しては、まだまだ達成できていないと感じる部分が多くありました。相手の言おうとしていることを聴こうとする姿勢や相手に伝えようとする姿勢は、以前よりも向上したと思います。しかし、ラトビアでは自分自身の英語力の無さを痛感しました。ラトビアでは、高校卒業までに現地語と英語を話せるようになっているのが当たり前だそうです。私は、同じ年齢の現地学生が言語を使い分けてコミュニケーションをとっていたことに驚いたとともに、自分との差に悔しさを感じました。もっと英語を話す機会を増やし、自分の言いたいことがすんなりと英語で伝えられるようになりたいと思います。

プログラムに参加した感想
 参加した感想は、「いってよかった」の一言に尽きると思います。やはり、自力で海外に行き、現地の人々と密に関わることは、自分の世界を広げてくれます。今回のプログラムで、私は、私にはまだまだ知らないことがたくさんあり、私が生きている世界は、今いるところよりずっと広いんだということに気づかされました。これからは、物事をとらえる尺度もこれまでの自分とは少し変わってくるのではないかと思います。「迷ったらやってみる」という精神を大切にしていきたいと感じました。

今回の経験による今後の展望
 今回の経験による今後の展望は、主に二つあります。
 一つ目は、これまでよりももっと世界情勢に目を向けることです。私は、今回のプログラムで自分が知らない世界をもっと知る必要があると感じました。知ることは行動することのきっかけとなると思います。世界情勢について知り、自分なりに考えていきたいと思います。
 二つ目は、語学力を向上させることです。今回のプログラムで、自分の母国語以外の言葉を話せることは、自分にとって強みになると感じました。コミュニケーションツールとして外国語を使えることが重要なのだと思います。
 これらを達成できるよう、これからの大学生活も努力していきたいです。

みんなでご飯の画像
みんなでご飯

みんなで折り紙の画像
みんなで折り紙