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品川紗葵 農学部食料生命環境学科 1年

派遣期間:平成29年8月21日~9月4日(16日間)

<日本語教室での活動内容>
 毎週月・水~金曜日の14:30~17:30と水・金曜日の17:30~19:00が日本語教室の時間だった。初日が生徒の数のピークで40人を超えていて、その半数以上がひらがなを知らなかった。年齢層は幅広く、学生だけでなく社会人も多かった。「こんにちは。」「質問をしてもいいですか。」「ありがとう。」「さようなら。」とあいさつや質問をしてくれる生徒が多く、いい雰囲気だった。
 授業は生徒をレベルで分けて行った。
Newcomer:ひらがな、簡単な挨拶、カタカナ、数の数え方、人称代名詞について。
Beginner:自己紹介、形容詞、形容動詞、〇〇は△△です。のような簡単な文法について。
Middle:一般動詞、動詞を使う文法や動詞の活用法について。
Advanced:授業を全て日本語で行い、疑問詞の使い方や細かな文法、会話について。
 他にも語彙力をつけるためにしりとりや連想ゲームを行った。また、休憩時間には日本のお菓子を一緒に食べたり、授業で折り紙をしたりと、日本に触れる機会を設けた。

<日本語教室以外での交流活動>
 これまでの学生大使の多くがお世話になっているミックさんとの交流が一番あった。送迎だけでなく、リガ旧市街を案内してもらったり、昼食や夕食を一緒に取ったりした。英語の間違いの指摘やラトビア語の通訳といったことも大変ありがたかった。
 毎回授業後には生徒と一緒に夕食を取った。ラトビアの料理や日本食のあるお店に連れて行ってもらった。滞在期間中にミックさんが誕生日を迎えたので、他大学から留学に来ているユウナさんの家で、他の仲良くなった生徒と誕生会もした。最後の週末にはリガ対モスクワのアイスホッケーの試合を観戦した。
 日本語教室がない日には、リガ旧市街を観光した。戦争、映画、写真、スポーツ、薬学等様々な博物館があり、大抵が学割の値段にしてくれた。また日本に興味があると言い、博物館を案内するから話を聞かせてほしいと質問を受けることもあった。英語で話すのは苦でなかったので、とても楽しく交流できた。リガでは公園や広場がよく見受けられ、街中至る所に花が植えられていた。日本人とラトビア人の違いを感じた部分である。
 他にも休日にはバスでリトアニアの首都ビリニュスや電車で郊外のオグレまで出かけた。リガを出ると気づくリガの良さもあった。特に建築物や雰囲気はその場所によって芸術性が高かったり、ゆったりした感じだったり、近い土地同士で比べることは新たな発見が多く面白かった。
 日本語教室最後の日には生徒の何人かが手紙や絵を書いてきてくれたり、演奏した楽器のCDをプレゼントしてくれたりした生徒もいた。今も何人かの生徒とはLINEやメールでやり取りをしている。ラトビア人はシャイらしいが、周りの生徒は積極的にコミュニケーションを取ってくれた。

<参加目標への達成度と努力した内容>
 このプログラムでの目標は、日本語だけでなく日本について広く伝えること、英語の面白さを教えてくれた恩師の様に上手く日本語を教えること、ラトビアやバルト三国について知ること、これからどのように生きていきたいかのヒントを得ることであった。できるだけ多くの時間を現地の人と話すことで、日本文化、衣食住などについて伝えることもラトビアについて知ることもできた。空いている時間に色んな分野の博物館に行ったことが、多角的にラトビアを見る要素になった。
 日本語を教える立場として、日本語をこれから学んでいく人たちに難しい印象を与えたくなかったため、一番力を入れて教えたことは人称代名詞である。日本語では「私」といえば自分単体を一人称で表すことができるが、英語に「私」はない。これは自分が中学で英語を学び始めた時に学んだことであった。生徒に教える時は、「I」は「私は」、「my」は「私を」、「me」は「私の」というように助詞まで含めるようにした。こうすることで、後に主語・述語・目的語を使った文を作る時に、I love you.→私はあなたを愛している。を例文にするだけで、SVOの英語と日本語の違いや助詞の使い方をすぐマスターできた人が多かった。このやり方で分かりやすいと言われたときや生徒の成長を感じられたときはとても嬉しかった。

<プログラムに参加した感想>
 学生大使プログラムに参加してよかった。ラトビアを選んで正解だった。1年生のうちに海外に行けてよかった。楽しかった。これが率直な感想だ。この学生大使でなければ現地の人とこんなに関わることはできなかった。また参加目標の1つである、これからどのように生きていきたいかのヒントを得ること。これは実際に得ることができた。、そして日本人が持ち合わせていない価値観を知ったことは私の中で重要な経験である。ラトビア人は大学での専攻を聞いてきた。何を学ぶかを大切にしているのである。私が農学部に所属していると言うと、関係なさそうな語学にこうやって関わることは多様な人間になるために重要だと言われた。今まで興味のあることだけに目を向けていたが多様な人間になりたいと思ったし、もっと様々な分野や物事に関心を持ちたいと思った。

<今回の経験による今後の展望>
 学生大使の経験を通して、世界共通語の英語が話せることがどれだけ便利であるか痛感した。ラトビアでの生活中も、飛行機の乗り換えに失敗した時も、必要最低限話せてよかったと思った。後期からは留学生と交流を持ちたいし、もっと英語が使えるようになりたいし、前期に履修したドイツ語も継続して受けたい。さらに母国語である日本語についてもまだまだ知らないことが多いと感じたので、美しく使えるようになりたい。
 生で触れることの大切さ、自分の価値観、他にも上手く言葉にできないが考えたこと、感じたことが数えきれないほどある。人との関わりをたくさん持ち、刺激をたくさん受け、グローバルな人材になれるよう努力したい。そしてプログラムへの参加を承諾してくれた家族や祖父母、関わってくれた現地の人々、お世話になった先輩方へ感謝をしっかり伝えたい。

リガ旧市街の画像
リガ旧市街

日本語教室の様子の画像
日本語教室の様子

生徒と一緒に夕食の画像
生徒と一緒に夕食

オグレにての画像
オグレにて