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生島夏樹 人文学部人間文化学科 2年

派遣期間:平成29年9月1日~9月14日(14日間)

<日本語教室での活動内容>
 日本語教室は月・水・木・金で、月・木は14:30-17:30、水・金は14:30-19:00の時間で行われました。私の派遣期間は学生大使が10人ほどいたので授業のスタイルは少人数制でした。私はそこで固定メンバーの2人とたまに増える生徒を教えました。最初の授業ではこの固定メンバーの2人はニューカマー扱いだったので、ひらがなとカタカナの書き方・読み方を教えました。この2人は飲み込みがとても早く2回目の授業からは文法に入るほどでした。この2人に限らず、日本語教室に来る生徒さんたちはみな学習意識が高く、準備が追い付かないこともありました。はじめのほうは準備がいまいち甘いところもあったと思いますが、このように意識の高い生徒たちと接し、自分の中でのこの日本語教室への熱意ややりがいなどといったものが高まったと思います。また、日本語を教えるというのはネイティブだから簡単なのかと思いきや、私たちが違和感なく使っている日本語も母語話者ではない人にとっては疑問に思うことがあり、それを、なんで?と聞かれても当たり前に使いこなしている私たちにとって説明することは困難だということを痛感しました。さらに文法においては母語話者でない方々の日本語の学び方は私たちが国語で習ったやり方とはまったく違い、その外国の方々流の学び方を理解し説明できる形にするまでたくさんの時間を要しました。具体的な授業内容をいうと、はじめは動詞の6変化(現在形、願望系、未来形、過去形、否定形、命令形)を中心に授業を行っていましたが、この学び方を理解してからは、動詞を3つにグループ化し具体的な文法を提示しその中で同時に変化も教えるという形に変更しました。現在でも学生とのやりとりはあり、漢字や文法のまとめをSNSなどを通じて伝えています。

<日本語教室以外での交流活動>
 日本語教室以外での交流活動では、日本語教室で仲良くなった生徒と出かけて旧市街を案内してもらったり、チューターのミックに郊外まで連れて行ってもらうなど様々なことを経験しました。また学生寮プリマでの交流活動も盛んでした。私たちは授業の準備や連絡を取るためにWi-Fiのあるロビーにいることが多々あったのですが、そこでたくさんの外国の方と知り合いました。仲良くなったインド人に本場のインドカレーをご馳走してもらったり、ウズベキスタンの方に誘われ卓球をしていたらたくさん人が集まってきて結局様々な国籍の方と話すことができたり、パーティーに誘われ言語の壁を越えてみんなで騒いだりととても楽しかったです。衝撃的だったのがこのプリマで出会ったカザフスタンの女の子たちとイベントに出かけた時の出来事で、一人の女の子の財布がすられた時のことです。まず、こんな身近にすりが起こるということにも驚きましたが、もっと驚いたのはこの女の子たちの行動でした。もし私たち日本人が友達と出かけていてそのうちの誰かがすられたとしたら、きっとまずクレジット会社や大使館に電話して、学校側の指示を仰ぎその日はおとなしく帰るだろうと思います。すられた本人はもちろんのことその友達も気持ちが沈んでしまうでしょう。しかし、このカザフスタンの女の子たちはタフ?なのか落ち込むこともなくイベントを楽しんでいました。このことに私はカルチャーショックを受けましたが、今思えば貴重な体験だったのかもしれません。この他にも書ききれないほどの活動があり、とても充実した日々を過ごせたと思います。

<参加目標への達成度と努力した内容> 
 ラトビアに行く前にたてた目標は「日本文化を紹介する」・「たくさんの友達を作る」・「臨機応変に対応する」・「お城、オペラを見てくる」でした。これらは「お城を見てくる」というもの以外達成できたと思います。日本語教室、またプリマを通して日本に帰ってきた今でも連絡を取り合うような友達ができたし、彼らとの会話の中で日本についての質問を受けたりして文化や有名なものを伝えることもできました。逆にラトビアはもちろんのこと、トルコだったりトルクメニスタンだったりなど自分がよく知らない国についてもこの会話で知ることができました。「臨機応変に対応する」という点はとても難しく、これは日本語教室でも生活の中でも必要になる場面がありました。日本語教室では急に生徒の数が増えたり、難しい質問をされた時で、こういった場合に対処するために準備を徹底してそこから話を広げる力を身につける努力をしました。生活の中では道に迷うなどした時で、これには自分から積極的に周りの人に尋ねることで対応してきました。今まで人にものを尋ねるのはあまり得意ではなかったのですが、できるようになり成長を感じました。

<プログラムに参加した感想>
 私のプログラムに参加した感想は、とにかく参加して良かった!ということです。正直自分の英語力はまだまだで不安が多かったのですが、日本にいたら絶対にできないような経験ができたし、全く違う環境の中でその不安の中生活しきるということで自分に自信が持てるようになりました。また、今でも繋がっていられる友達に出会えたことも参加して良かったと思う点です。日本にいながらもその国のことが直接その国の人から聞けるのはとても貴重なことだと思います。今後も彼らと交流を続け、このプログラムに行っただけで終わらせないようにしたいです。

<今後の展望>
 私は将来日本を世界に出す仕事をしたいと思っていましたが、具体的にどのような形で出していくかはまだ漠然としていました。しかし、このプログラムを通して“日本語”という言語を伝えていくのもいいのではないかと思いました。まだ考えている途中ですが一つの案としておき、機会があれば別の国へ学生大使として日本語を教えに行きたいです。 

日本語教室の画像
日本語教室

カザフスタンの女の子たちとイベント参加の画像
カザフスタンの女の子たちとイベント参加

オペラの画像
オペラ

ラトビアの動物園の画像
ラトビアの動物園