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粕谷亜衣 地域教育文化学部地域教育文化学科 1年

派遣期間:平成30年2月21日から3月7日(15日間)

 日本語教室での活動内容
新モンゴル学園では、主に3つの活動をした。
一つ目、日本の大学進学を目指す卒業生のクラス(別科)での授業。これは、正規の授業のため指導案作りから始まった。85分間、時事問題についての授業を担当した。私にとって初めての授業をモンゴルでできて、とてもいい経験になった。板書や発問など反省点はたくさんあるが、それ以上に達成感を得られた。教員への憧れが強まった。
二つ目、自分の得意なことを活かしたセミナー。これは、当初日本語クラブでさせていただくことを計画していた。しかし、日本語クラブの部長交代の時期だったため、10年生(高校1年生)の日本語の授業でさせていただいた。私は、母校山形西高等学校について、日本の高校生活について説明した。そして、西高の生徒へモンゴルや新モンゴル学園について日本語でエッセイを書いてもらった。これからそれを西高に持って行き、新モンゴル高校と西高の生徒間の交流を始めたい。
「あなたにしかできないこと」「あなたが新モンゴル学園にできること」を求められ、私は戸惑った。私には得意なことがないため、大学二年生の間に見つけたい。
三つ目、チューター業務。これは、希望者に日本語の学習サポートをする。私は一人の生徒に作文の指導しかできなかった。これは、山形大学の学生と、新モンゴル学園の生徒が深く関わることができる。もっとこの活動が活発になるように、呼びかける努力をするべきだったと後悔している。
その他に、以下のことをした。
・授業見学
・10年生の音読の指導
・清掃員の方への日本語教室
・茶道体験の補助
・おりがみ教室
授業見学は、別科と小学校をした。別科は日本語のレベルが高くて驚いた。日本の大学に進学することは容易いことではなく、相当な努力が必要なことを感じた。小学校の英語の授業は、すべて英語で行われ椅子の取り合いも英語で口論していて驚愕した。発音を重視した授業構成に、私も新モンゴル学園の小学生と一緒に一から学びたいと思った。
おりがみ教室は、ひな祭りが近かったため、『おりがみでひな人形を作ろう』と言うことからスタートした。小学生が恥ずかしながらサテライトオフィスの扉を開いてくれた。一年生は英語を習っていないため、お互いが理解できる言語がない。笑顔やジェスチャー、画像でコミュニケーションをとった。年齢も言葉も違うが、楽しい時間を過ごすことができた。

 日本語教室以外での交流活動
ソーシャルワーカーのシャウガ先生のご家庭にホームステイした。シャウガ先生と、旦那さんのムホさんと、姪のオルナさんの三人がいらした。朝と夜、手作りの料理を出してくださった。日本人の食生活に合わせて、たくさんの野菜を使ってくださった。何かあるごとに「大丈夫ですか」と聞いてくださり、2週間何の不自由もなく過ごすことができた。シャウガ先生とオルナさんは、日本語で話してくださった。家でも町でも和蒙辞書を片手に一生懸命話してくれた。モンゴルでは旧正月『ツァガンサル』の名残があった。たくさんの親戚の方々が家を訪れた。温かく受け入れてくださり、とても嬉しかった。家族や親戚のつながりがとても強いと感じた。
週末は、チンギスハン広場やショッピングモール、ゲルに連れて行っていただいた。ゲルの中に入ることができて、このような機会を設けてくださった家族に本当に感謝している。広い大地に、たくさんの家畜がいて、ゲルがある。教科書で見た光景が広がっていて感動した。オルナさんの馬頭琴クラブの発表会も見に行った。馬頭琴の演奏に心惹かれた。

 参加目標への達成度と努力した内容
一つ目、西高と新モンゴル学園をつなぐこと。これは、まだ達成できていない。新モンゴル学園から預かったエッセイを西高に届け、西高からの返事を受け取ることが残っている。西高と新モンゴル学園が、互いに学び合い、成長し合えるような関係を築けるまで尽力したい。
二つ目、自分の進路と向き合うこと。これは、9割達成できた。海外で働く日本人の先生からお話を伺い、自分の選択肢を増やすことができた。また、はじめて授業をさせていただく機会をいただけて、改めて教員を目指すようになった。

 プログラムに参加した感想
渡航前に「何でモンゴル?」と多くの人に尋ねられ、「ただ興味があるから」これが理由だった。興味の赴くままにモンゴルを訪れ、今ではモンゴルが大好きになった。しかし、後悔も残っている。「学生大使」の特徴を活かした活動を築けなかった。帰国後も、次の派遣がよりよいものになるように努めたい。
新モンゴル学園の創始者ジャンジブ先生とお話しさせていただく機会が2回あった。
「まずやってみる」というジャンジブ先生の方針を私も大切にしたい。あれこれ悩んで何もやらないより、とにかく何かやってみたら必ず得られるものがある。失敗してもいいから、始める勇気が大事だと学んだ。

今回の経験による今後の展望
学生大使への参加は、夏のインドネシアに続き二回目だった。インドネシアでもモンゴルでも、その国を奥深くまで知ることはできなかった。少し理解し始めたときに帰国になってしまう。そのため、在学中に一年くらい海外で生活したい。目的やプログラムはまだ見つけていないが、常にアンテナを張って情報を集めたい。
日本語教師として活動される先生方の話を伺い、資格取得方法や就職についてインターネットでは知ることができないことを知ることができた。教員採用試験を言い訳にせず、諦めずに挑戦したい。
そして、二週間お世話になったホストファミリーに恩返しをしたい。日本に来ていただいたときには、おもてなしをしたい。また、オルナさんの大学進学に向けて協力したい。
モンゴルをでる前、「すてきな先生になってください」と応援していただいた。モンゴルで学んだことを、今後の学生生活にいかしたい。そして、教員になれるように努力する

ゲルの前で_オルナさんと遊牧民の女の子との画像
ゲルの前で_オルナさんと遊牧民の女の子と

セミナーの様子の画像
セミナーの様子

ゲルの中で_ホストファミリーと遊牧民のご家族との画像
ゲルの中で_ホストファミリーと遊牧民のご家族と

初めての授業_別科での画像
初めての授業_別科で