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阿部和 農学部食料生命環境学科 1年

派遣期間:平成30年2月23日~3月16日(22日間)

日本語教室での活動内容
 
日本語教室という形での活動はなかった。学生大使でやることとして新モンゴル学園から、4月から日本に留学する人(BK)に自分が大学で学んで伝えたらよいことを80分の授業と、中学生に日本についての20~30分ぐらいの紹介が与えられた。しかし、BKは準備が間に合わず断った。事前にもらった質問にだけ回答し、掲示した。日本の紹介は日本の伝統的な遊びを紹介した。おはじき、かるた、こま、お手玉、けん玉の遊び方を紹介し、生徒と遊んだ。しかし、担当の先生に頼りっぱなしになってしまった。
 そのほか、新モンゴル学園の先生から依頼されたことに取り組んだ。中学生の日本語会話の音読練習の手伝い、日本語のプレゼンテーションの審査員、清掃員への日本語教室をした。また、ひな祭りの時期には折り紙を展示し、興味のある子と折り紙をした。

日本語教室以外での交流活動
 ホストファミリーと頻繁に出かけた。ウランバートル市内のスフバートル広場、ブラックマーケット、近くの親戚の家、ゲル集落の親戚の家などに行った。週末の時間のある時は親戚の遊牧民のゲルに行き、遊牧民の生活に触れることができた。ゲルにも泊めてもらった。家ではポーカーを家族でやったり、家事を手伝ったり、小学生の兄弟の日本語の勉強を一緒にやったり、日本の遊び、モンゴルの遊びをしたりした。
 また、新モンゴル学園の生徒と学校で食事をしたり、博物館に行ったりする機会もあった。

参加目標への達成度と努力
 異文化を体験し視野を広げることと人を怖がることの克服を目標にいていた。新モンゴル学園の学校の在り方は日本とは大きく違っていた。スケジュール、教室等、状況によって変更が頻繁に起こり日本のようにきちきちと決められていないことが多かった。また、自分からの主張が当たり前だった。このような体験だけでも大きな意味があった。それぞれの世界での人の考え方、生き方の違いを肌で感じることができた。遊牧民の地域では雄大な自然に対して少ない持ち物で生活している美しさがあった。しかし、そのような土地でもテレビが普及していることに驚かされた。また、ホストファミリーをはじめ、新しい出会いがたくさんあった。その中で、「これをしたい」「これはいや」など思ったことをしっかり怖がらずに言うことを意識していたが、やはり慣れるまではなかなか自分の思いを言えなかった。性格上の問題は受け入れつつ、少しずつ変えていこうと思う。

プログラムに参加した感想
 自分の弱さを痛感した。学校において先生から言われていたことと実際やることが違ったり、教えられた内容にぬけがあったりすると対応ができなかった。説明不足に関しては聞けばいいのだが、その勇気も出なかった。迷っている間に次の決断が迫られ、何もかもできなくなってしまった。わからなかったら聞く。できなかったら断る。そんなこともとても大切だと気づいた。なんでもやってみれば自分のためになるのは確かだが、中途半端に無理にやってもうまくいかないし、そのほうがよっぽど迷惑をかけることがよく分かった。
 これらはすべて自分の主張をしなかったり、曲げていたせいである。自分の思いは発信しなければ分かってもらえない。すごく当たり前なことだ。反発を恐れず、自分の意見を言い、分からないところを理解しなければいけない。
ホストファミリーとの関係でも自己主張が大きな問題だった。食事で出されたものを全部食べていれば喜ばれる。しかしどこかで、「もう無理です。」と言わなければいけない。眠い時は眠い。楽しいときは楽しい。だるいときはだるい。遠慮や恐れは誤解を生みやすい。本当に相手を信頼して関係を作るには思いを伝えなければならない。もし、素直に言えないなら、その状態を素直にいうこともに意味があると思う。
 しかし、ホストファミリーはとてもいい人たちだった。自分のことをうまく言えない私に何度もどう思うのか尋ねてくれた。おかげで思いを言うことができた。優柔不断で決められないといえば手伝ってくれたし、うまくいかないことを相談すれば励まし、アイディアをくれた。それぞれ苦手があるのだから、できる人が助け合っていくのはとてもいいと思った。やさしさに甘えた面もあったが、細やかなやさしさにとても感謝し尊敬している。人を本当に大切にする人たちだった。
週末にはステップ地帯の遊牧人の地域に連れて行ってもらったが、自分は自然が好きだと実感した。見渡す限り、茶色の土と少し残った雪が広がり、そんな中でゲルとたくさんの動物と暮らす。一番近い家まで何キロもあり世間的に足りないものはたくさんあるが心が落ち着くのを感じた。
 また、モンゴルの人は前向きでよく笑う人が多かった。そして人との距離が近い。そのせいで問題もあるのだが、私のホストファミリーは家族、親戚で繋がりが濃く、仲が良さが印象的だった。人と人が支えあって生きている感覚があった。カントリーサイドで小さな事故にあった車を見つければわざわざ止まって助ける場面もあった。これは、自分のいいと思うことをちゃんとやっているから、人にも与えられるのだと思う。私の偏見はあると思うがそれぞれ自分が満たされているように感じた。

今回の経験による今後の展望
 今回の経験で、自分の足りないことをたくさん知りました。一つ一つ決断して自立したいと強く思いました。また、ホストファミリーとの出会いを通して人との関わりの考えが変わりました。彼らのように本気で人を喜ばす生き方を模索しようと思います。その為、勉学においても、より真剣に取り組み、自分の世界を広げ、自分が何のため、誰のために生きられるのか探そうと思います。

ウランバートルの夜景を背にホストファミリーとの画像
ウランバートルの夜景を背にホストファミリーと

日本の昔の遊びの授業の画像
日本の昔の遊びの授業

遊牧民のラクダに乗せてもらうの画像
遊牧民のラクダに乗せてもらう