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佐藤紀帆 工学部化学バイオ工学科 1年

派遣期間:平成30年3月2日から3月16日(15日間)

日本語教室での活動内容
私は主に新モンゴル高専で活動した。主な活動内容は授業、日本文化のプレゼン、授業の助手の3つだった。
授業では、日本留学テストを考えている生徒を対象とした日本留学試験対策と、高専の生徒を対象とした動詞の接続の説明を行った。使わないと思っていた漢字のなりたちや社会問題に関する知識が役に立ち、嬉しかった。人にわかりやすく説明するという体験は、今後の生活にも役立つと思う。
日本文化のプレゼンは、スライドを使いすべて日本語で行った。三回のプレゼンのうち二回はモンゴル人の日本語教師が通訳をしてくださった。通訳なしで行ったプレゼンでは、プレゼン後に先生が行ったアンケートで六割の生徒がよくわかったと回答していた。視覚にうったえるスライドを心掛けたが、日本人なら知っていてもモンゴルにはないものについての説明が足りず、「それはモンゴルにはないものだから写真がほしかった」との評価を受けた。自分の国について説明する場合でも、説明する相手の国についての知識がないと説明不足になってしまうことがあることが分かった。
授業の助手は、日本語の文章の音読や会話練習、授業中に出される課題の丸付けをした。日本語を習い始めてさほど年数がたっていないにも関わらず、ひらがなカタカナだけでなく漢字まで使いこなす生徒がいて驚いた。授業の助手をする際は先生とあらかじめ打ち合わせをするとやりやすかったが、直前に内容が変わることもあり、柔軟性を求められた。
高専ではほかにも、化学と数学の授業を見学させていただいたり、漢字コンテストのジャッジを行ったりした。また、新モンゴル学園小中高一貫では、スピーチコンテストの特別審査員をしたり茶道のイベントに参加したりした。化学や数学の授業を見学して驚いたことは、幅広く応用できる内容を教えて練習問題で使い方を教え、授業が早く進んでいたことだ。新モンゴルでは教科書は先生方が作っていると聞いた。必要なことだけを集めて教えるということは、先生自身が教える内容についてよくわかっていないとできないことであるため、とても感服した。漢字コンテストでは、参加した生徒たちが熱心に日本語を勉強していることが分かった。
新モンゴル学園の生徒たちは、とても勉強熱心だった。自発的に学ぼうとする姿勢をみて、これからは私ももっと自発的に勉強をしようと思った。

日本語教室以外での交流活動
新モンゴル高専のテムーレイ先生のお宅にホームステイをし、テムーレイ先生とその娘さんと二週間一緒に過ごした。一歳年上のホストシスターとはとても仲良くなり、毎日モンゴルの歴史や文化、政治や社会などいろいろな話をした。ホストシスターはとても料理が上手で、毎日美味しいご飯を作っていた。料理を手伝うこともあり、モンゴル料理の作り方が分かった。休日はガンダン寺をはじめとしてウランバートル市内を観光したり、ハイキングをしたり、親族の家に行ったり、隣の市の大きなショッピングセンターへ行ったり、博物館へ行ったり、田舎へ行って鷲を手に乗せたり馬に乗ったりラクダに乗ったりとたくさんのことを経験させていただいた。食事は、モンゴルの料理だけでなく、和食や洋食も食べさせていただけた。肉がたっぷりなモンゴル料理を食べると体が暖かくなった。また、モンゴルの肉や乳製品はとてもおいしいため、日本で食べ慣れた料理も一層おいしく感じた。食事の時にモンゴルの家畜は放牧されていてハーブを好んで食べるからおいしいということや、モンゴル料理の歴史について教えてもらい、食事をすることが楽しかった。ウランバートルには博物館や歴史的建造物がとてもたくさんあったため、そのすべてをみてまわることはできなかった。ハイキングではモンゴルと日本の植生の違いが目についた。植物が少なく、生えている木が針葉樹ばかりで、岩が露出している場所が多いのをみてモンゴルが気温の低い地域であることを思い出した。山の神様を祀るオボーに米や牛乳をお供えしてからの昼食はみんなで分け合って食べた。田舎とウランバートル市内では風景が全く異なっていた。高層マンションが建ち並ぶウランバートル市内とは対照的に田舎ではほとんど建物を見かけなかった。田舎では、家畜がたくさん飼育されていた。様々なことが日本と違っていて、とても充実した時間を過ごした。

参加目標への達成度と努力した内容
たくさんの人と交流したくさんのことを学ぶことが目標だった。人見知りする性質であるため、当初達成困難な目標を立ててしまったものだと思ったが、たくさんの人に話しかけていただき、学校でもたくさん仕事をいただけて、目標を十分に達成することが出来た。
途中、何をすればいいのか迷った時もスマートフォンを眺めて現実逃避せずに、自分から話しかけることを努力した。

プログラムに参加した感想
モンゴルの風景を見てみたくてモンゴルへ行くことを決めた。強い意気込みがあったわけではなく、ただ見たことのないくらい広大な景色をながめたいと思っていた。また、漠然と外国へ行けば視野が広がるだろうとも考えていた。実際にプログラムに参加してみて、渡航前に想像していたよりはるかにたくさんのことを経験させていただき、いろいろな人に会う中でもっと頑張ってみたいと思うようになった。また自分とは違う視点で物事を見ている人たちに会うことで視野は確かに広がった。二週間という短い滞在ではあったが、とても有意義な時間だったし、次は専門的なことを学んでからまた訪れたいと思った。

今回の経験による今後の展望
今後の進路で教育に携わる予定はないが、人にわかりやすく説明するという経験は今後も役に立つと思う。人と積極的にかかわることの重要さを学べたこともとてもよかった。
今後は、大学の講義以外にも様々な活動に取り組んでいきたい。

ボグドハーン山での写真 ホストファミリーとの画像
ボグドハーン山での写真 ホストファミリーと

授業風景の画像
授業風景