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松岡俊 人文学部人間文化学科 3年

派遣期間:平成29年8月7日~8月23日(17日間)

<日本語教室での活動内容>
 私が行った期間には、大崎直太教授とその奥様がいらっしゃり、ビギナーズクラスとアドバンスクラスに分けて教えてらっしゃいました。私が参加してからは、奥様と2人でそれぞれのクラスを教えました。
 教室は10時から12時までの午前の教室と13時30分から15時30分までの午後の教室が月曜から金曜日まで、平日毎日開かれています。参加する生徒はガジャマダ大学の生徒はもちろんのこと、近くの高校に通う高校生やその兄弟など、10代前半から20代前半までの若者が中心でした。みなそれぞれの授業があるため、日本語教室が始まって数分から1時間遅れてやってくる生徒も多々いました。
 ビギナーズクラスでは、平仮名、片仮名を覚えたばかりの生徒から、日本語の歌を英語に訳して添削をお願いしてくる生徒、日本語で日記を書いている生徒など知識に少し幅がありました。授業の形式としては、授業が始まり、少し生徒と会話を交わしたのち、その会話の中から生徒が難しいと思った表現やその日のテーマを見つけ出し、詳しく掘り下げるといった流れで行いました。私は飲食店に行った時の店員と客のやり取りや、人への依頼の仕方、助動詞の説明、家族の紹介などを行いました。授業の後半では、ペアを作り会話を作らせ、最後にみんなの前で発表してもらいました。
 アドバンスクラスでは、日本語で歌が歌える、日本へ来たことがある、行く予定の生徒たちが参加していました。ビギナーズクラスと同様に、授業前半に生徒と会話のやり取りをしたのち、そこからその日の話題を見つけ、作文を書いてもらいました。人数が少ないため、作文が出来次第添削を行い、時間が余ったらまだ会話の流れで授業を行いました。またアドバンスクラスでは、五十音図を初めて見たというくらいの超初心者の生徒も受け持ち、アドバンスクラスの合間を縫って教えていました。
 どちらのクラスも授業開始時は2人ほどであったが、時間がたつにつれて一人、また一人と生徒が遅れてやってきました。授業が終わる頃には6.7人、多い時には12人ほどの生徒が参加し、とても活気あふれるクラスとなりました。

 <日本語教室以外での交流内容>
 平日ではクラスが終わると、主にアドバンスクラスの生徒が、大学内にあるゲストハウスまでバイクで送ってくれて、そのまま夕食までゲストハウスで時間をつぶしました。夕食は大学内の学や、バイクに乗って少し遠いところに外食に行くなど日によって様々でした。土日祝日ではその時期行っていたイベント、私の場合海辺で行われたランタンフェスティバル、日本語教室の生徒が出演するライブなどに連れて行ってもらいました。また、行きたいといった場所にも連れて行ってもらいました。ボロブドゥール遺跡、プランバナン寺院群などの世界遺産を始め、お菓子を買いに近くのスーパーへ、お土産を買いに市場へ、様々な場所につれていってもらいました。授業の有無に関わらず、一人で過ごした日はありませんでした。

 <参加目標への達成度と努力した内容>
 私は今回で2回目の学生大使となります。1回目は1年生の春休みにラトビアへ行きました。しかし何の準備もせずに行ったため、英語力、日本語の知識の双方の不足を痛感した苦い経験となりました。その経験をバネに、その後継続的な英語の勉強、言語学へのコース変更を行い、リベンジを目指しました。
 今回の学生大使では1回目よりも質の良い授業が出来たように思います。インドネシア独特の英語の訛りに戸惑いもしましたが、英語でのコミュニケーションもスムーズに取れるようになりました。1年半の間、日本語の専門的なことを学んだおかげで知識量も増え、教えることのできる情報量の広がりも感じました。
 総じて今回の学生大使では、1回目の反省を生かした満足のいく結果となりました。

 <プログラムに参加した感想>
 日本語教室の場を媒介として、多くの人と交流し友達を作れる素晴らしいプログラムだと思います。ラトビアの時と比べ、インドネシアの人は人懐っこく、一人でいる時間は本当に少なかったです。
 ただ衛生面ではやはり気になる面が多々ありました。トイレにトイレットペーパーがない、石鹸もない、手を洗わず右手で食事をするなど、日本人には衝撃的な環境です。もちろんそれらのものは市販で売っていますし、私も個人で対策をとっていましたが、それでもお腹を壊してしまいました。
 また虫よけ対策は万全にしたほうがいいと思います。スプレーすれば虫はよってきません。逆に怠ると刺されます。私は寝ている間、靴下の下、顔と首の境目など滞在中十数か所刺されました。そのせいか、帰国一日前に、インフルエンザ並みの熱、頭痛を引き起こしました。幸い大事には至りませんでしたが、命の危険もありますので虫よけ対策には惜しみなくお金を使うことをお勧めします。
 最後に、世界遺産についてです。ジョグジャカルタは物価が非常に安いですが、ボロブドゥール遺跡とプランバナン遺跡群、この2つの世界遺産の入場料は外国人価格に設定されているため非常に高いです。現地の人も外国人の3分の1ほどお金がとられます。物価が安い分現地の人の収入も少ないです。学生大使の時期にばらばらにやってくる日本人学生が全員行きたいというと、現地の人は破産します。連れて行ってとお願いするときはそれ相応のお返しが必要かもしれません。

<今回の経験による今後の展望>
 おそらく今回が大学時代に海外へ行く最後の体験だと思います。1年の時は学生大使でラトビア、2年生の時はオーストラリア研修、3年生の時は再び学生大使でインドネシア、学生のうちにこんなに外国に行けたのは自分にとって貴重な財産となりました。これから就職活動の準備もあり時間も限られてきますが、英語の勉強だけはできる限り続けていきます。落ち着いたらまた別の国に行きたいと思います。

最後のクラスの画像
最後のクラス

教室での画像
教室で

ボロブドゥール遺跡の画像
ボロブドゥール遺跡