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佐藤大介 工学部機械システム工学科 1年

派遣期間:平成30年2月26日~3月12日(15日間)

日本語教室での活動内容
 授業は月曜日から金曜日まで午前の部は10時~11時半、午後の部は13時半~15時の1日2コマ行った。日本語教室に来る学生は、午前より午後のほうが多く来る印象だった。学生のレベルは様々だったので初級・中級・上級クラスに分けて教えた。派遣後すぐは主に初級・中級クラスを担当し、慣れてきてからは中級・上級クラスを担当した。基本的に来てくれた学生に今日学びたいことを聞き、教えていくというスタイルで行った。
 初級クラスは主にひらがな・カタカナを教えた。始めは字をなぞり発音練習をし、その後ノートに書いて覚えてもらうようにした。1人から3人を教えるのがほとんどだったので、書き方を注意しながら見ることができた。1度学んでいる人にはホワイトボードを使いクイズ形式で発音・書き方などを練習した。特に「シ」・「ツ」、「ソ」・「ン」の書き方を教えるときは違いをはっきりさせ英語で説明しながら、理解しやすいようにと努めた。
 中級クラスは体の部位や建物の名前、学校に関する言葉、簡単な文法などを教えた。まずホワイトボードに英単語を書き、その後ひらがなで書き発音練習しながら教えていった。また単語を漢字に直した時の意味、つまり「映画館」という単語の「映画」と「館」の意味なども併せて教えた。このように教えると理解しやすい反面、新たな問題も生じた。例えば「図書館」と「本屋」をやった際、「図書」「本」ともに「book」で教えたが両者の違いについて質問された。この時は辞書やインターネットなどを活用し調べたが正確な答えを導き出せなかった。日本人が何気なく使い分けている言葉であっても、日本語を学ぶ人にとっては疑問を抱くしそれを教えるのは難しいことなのだと痛感した。
 上級クラスは会話、助詞、作文、漢字などの授業を行った。会話や作文は過去形や願望などテーマを設定したうえで、アドバイスをしながら進めていった。特に作文では文中のひらがなを簡単な漢字であれば直すということをした。しかし、上級レベルの学生であると簡単な漢字は知っており、教えなくてもある程度は書けるのでこちら側は何を教えれば良いかととても悩んだ。また自分が行った助詞の授業は「山に登る」と「山へ登る」の違いなど、分かりづらいものを選んで比較しながら教えた。なかなか伝わらなかったが1人が理解するとその人と一緒に教えることができ最終的に教えていた人たち皆理解してくれた。

日本語教室以外での交流活動
 インドネシアに到着して思ったことは、バイクの多さと急な雨である。テレビで見たことあるようなバイクの多さで、チューターさんがいなければ道を渡れないと思うほどだった。またインドネシアは乾季と雨季しかなく、派遣された期間は雨季で毎日のように雨が降っていた。日常生活で心配していたことの1つとして料理が体に合うのかと思ったが、結果としてインドネシア料理は体に合っており美味しかった。基本的に辛い食べ物が多かったが、辛い食べ物が苦手だった私はナシゴレンという炒飯のような料理や焼き・揚げlele(ナマズ)をよく食べた。
 授業がない土・日曜日はチューターさんが日の出・日没を見るため海、さらに世界遺産であるボロブドゥールに連れて行ってもらい充実した休日を過ごすことができた。ボロブドゥールは想像していたより大きく、圧倒されるような気持ちになると共にどのような方法で石を積み上げていったのか疑問に思った。歴史を肌で感じられる貴重な体験をすることができ、とても感謝している。

参加目標への達成度と努力した内容
 目標として考えたのは3つあり、1つ目は積極的にコミュニケーションを取り英語能力を向上させること、2つ目は日本の文化・インドネシアの文化について理解を深めること、3つ目は楽しい授業をすることである。
 1つ目に関して、自分からコミュニケーションを取ろうと話しかけることはあったが、同じ学生大使で来ていた人にとても積極的な人がいたため自分はまだまだだなと感じた。また英語能力はリスニングが向上したと思う。着いたばかりの頃は質問などを聞き取ることが難しく、理解するのに時間がかかったが後半になるにつれてその時間が短くなっているのを感じた。
 2つ目に関して、日本の文化については知っていても、それを分かりやすく伝えられるほど理解できていなかったのだと痛感した。しかし質問されたことに対し、いろいろと調べ学生と共に学ぶことができたと感じる。インドネシアの文化については、特にイスラム教のことで理解を深めることができたと思う。手で食事をするとき、右手だけを使って食べるものだと派遣前は思っていたが、口に運ばなければ左手も使ってよいのだと知ることができた。このようなことは多々あったが、現地に行って聞かなければ誤認したままだったと思う。
 3つ目に関して、これは十分にできたのではないかと感じている。日本語を学ぶのが楽しいと思ってもらえるように、かるたや折り紙を授業に取り入れ受けが良かった。自分が教えた学生が次の回でも来てくれると、とても気持ちが良かったし自分の自信にもつながった。

プログラムに参加した感想
 このプログラムに参加しインドネシアに行くことができ、本当に良い体験ができたと感じている。授業の中で「海外に行くとしたらどこに行きたいか」と何人かに質問した。すると日本語教室であるからかもしれないが大半が「日本」と答え、理由を聞くと「アニメが好きだから」と答えてくれた。日本の文化がインドネシアにここまで浸透しているのかと感じた。そのほかに「日本で勉強したい」と答えてくれた人がいた。日本の学生に同じ質問を投げかけたとき、勉強したくて世界に目を向けている学生はあまりいないと思う。日本人はインドネシア人見習って、もっと世界に目を向けていかなければならないと感じ私自身このプログラムは世界に目を向ける良いきっかけになったと思っている。

今回の経験による今後の展望
 今回、約2週間という短い時間の中で自分の英語能力では十分なコミュニケーションを取ることが難しいと分かったので、もっと勉強していつの日かリベンジしたいと思った。また他の国にも行ってみたいと思うようになった。日本にいるだけでは分からないことが多々あると思い知らされたので、自分の目で見てみたいという思いが強くなった。そして自分の世界を広げていきたいと思っている。

ナシゴレンの画像
ナシゴレン

ボロブドゥール遺跡の画像
ボロブドゥール遺跡

レストランにての画像
レストランにて

日本語教室にての画像
日本語教室にて