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上野茉緒 人文社会科学部人文社会科学科 1年

派遣期間:平成30年2月21日~3月8日(15日間)

日本語教室での活動内容
平日午前10:00~、午後13:30~の1時間30分ずつ、一日2回授業を行いました。生徒さんはガジャマダ大学の学生を中心に、中学生や高校生の方も来てくれました。皆さんそれぞれ自分の予定に合わせ、忙しい合間を縫って参加してくれました。
私は今回の学生大使参加者の中で一番早い派遣だったので、一人で授業をしなければならない最初の2日はどうしたらいいかわからず、生徒さんの中でも比較的に日本語ができる方に助けてもらってなんとか1時間30分を乗りきる、というような状態でした。平仮名・片仮名の練習から始め、かるた、自己紹介、挨拶、簡単な文の作り方などを全員で行いました。
学生大使の人数が増えてからは、人数と能力差に合わせて2つか3つのクラスに分けて分担して授業を行いました。3つに分ける場合は、ビギナークラスは平仮名・片仮名の練習から始め、ミドルクラスは日常会話や文法の勉強、アドバンスドクラスは作文や漢字の勉強、という風に分けました。ビギナークラスから始めて平仮名も片仮名も自信がないと言っていた生徒さんが、1週間もすると不自由なく読み・書き・発音までできるようになっていて、学習速度の速さに驚きました。私が主に担当したのはミドルクラスで、中学生用の国語の参考書と、シーン別にまとまっている英単語帳を参考に授業を行いました。英単語帳から生徒さんに覚えたい日常表現のシーンを選んでもらい、助詞や活用形、時間に合わせた形など文法をチェックしながら進めました。この2つの本は授業をする中で非常に役立ちました。日本語はほぼペラペラで作文もできるチューターレベルの生徒さんに教えた時は、敬語の種類と使い分けなどより難しい内容を考えました。また、インドネシア語を教えてもらいつつ日本語と英語・インドネシア語の違いについて一緒に考え、言語学的に考察を深めることもしました。様々なレベルの人と日本語について考えることで、日本語の難しさ、特異さ、面白さに気づくことができたように感じます。

日本語教室以外での交流活動
初めの2日間は一人で、また1週間程は学生大使が二人しかいなかったので、バイクで色々な所に連れて行ってもらいました。カラオケ、マリオボロやサンデーモーニングのマーケット、王宮、タマン・サリなど、特に休日はインドネシアをしっかり体感できたような気がします。私はもともと辛い物が苦手で、インドネシアに行く前からかなり不安に思っていましたが、日本の辛さとは次元が異なる辛さに慣れることはなかったものの、プログラムが終わるころには激辛調味料のサンバルを少しだけつけて辛さを楽しむことができるようになっていました。毎晩外食で、レレやミー・アヤムなど日本にない味の料理は持ち帰りたいと思ったくらい美味しかったです。メニューが写真無しのインドネシア語表記だったので最初は何の料理が運ばれてくるかわからず少し怖さがありましたが、フルーツジュースや紅茶は格別に美味しくて、毎日読み方を覚えながらいろいろな飲み物に挑戦しました。
2回目の休日には車で大人数で遠出して海や森、世界遺産ボロブドゥール遺跡やOBチューターさんの豪邸を訪ねました。スコールでプランバナン遺跡に行けなかったのは残念でしたが、3時起きで運転して下さったチューターさんたちには頭が上がりません。

参加目標の達成度と努力した内容
参加目標は①現地の人々と積極的にコミュニケーションをとる②アジアの文化に触れられる経験をする③日本との違いを感じ取る、の3つで、それぞれの達成度は70%、100%、80%です。最初は会計や注文などを含めほとんどチューターさんに任せきりでしたが、現地の人々が英語が堪能であり、日本人に好んで話しかけてくれたことで、自分で買い物をする、話しかけられたら臆さず英語で応えるなど、英語での会話に自分でも驚くほど違和感がなくなっていました。毎日どこかに連れて行ってもらったので、文化にも心行くまで浸かれたと思います。疑問に思ったことはできるだけ聞いて解決するようにし、インドネシアについて深く知ることができました。日本との違いについていろいろ考察した中で、私は言語についての違いに興味を持ちました。文化や習慣などの面でも様々な違いを見つけ、自分の中で受け入れましたが、滞在の中でインドネシア語の面白さに惹かれ、途中からは常に「インドネシア語でなんて言うの」と聞き、メモを取るようになりました。

プログラムに参加した感想
インドネシアでの15日間は毎日驚きの連続で、ホームシックになる暇もない程充実した日々でした。到着するまでは他の人たちと日程を合わせれば良かった、と不安でしたが、むしろ一人で最初の数日を現地の人達と過ごせたことで自分の中で何かが変わったような気がします。今では一人早く行けて良かったと思います。日本にとどまっていては会えない人々や景色に出会い、かけがえのない思い出ができました。プログラムに参加できて、それがこのインドネシアで本当に良かったです。

今回の経験による今後の展望
言語の違いは時に人と人の間に壁を作ってしまうことがありますが、言語が違うからこそお互いを知ろうとし、より深い繋がりをつくることもできると思います。今回のプログラムで、両国の良いところをたくさん発見し、今までとは違う視点で日本を好きになれました。
私はこの後もっと長い期間での海外留学を考えています。幸運にも一年生で得られたこの貴重な経験を活かし、「次につながる留学」を積み重ねていきたいと思います。また、いつかインドネシアを訪ね、今回支えてくれた友人たちと思い出を語り合いたいと思います。

ジョグジャカルタのビーチでの画像
ジョグジャカルタのビーチで

ボロブドゥール遺跡での画像
ボロブドゥール遺跡で

最後の授業の画像
最後の授業