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米谷知樹 工学部建築デザイン学科 1年 

派遣期間:平成29年8月21日~9月4日(15日間)

 <日本語教室での活動内容>
 平日の午前と午後にそれぞれ一コマずつ開講した。時間は午前が10:00~12:00、午後が13:30~15:30である。クラスに来る学生の日本語のレベルは人それぞれであったので私たちはビギナーとアドバンスの二つにクラスを分けた。同じクラスではあったがビギナークラスの人たちの日本語のレベルにばらつきが見られたので先生の数が三人になった時はビギナーをさらに二つに分けるなどして対応した。
 ビギナークラスでは授業を受ける人によって英語と日本語を使い分けた。例えば日本語能力試験の勉強がしたいというレベルの生徒であれば平易な日本語で問題なく授業が行えたのだが、ひらがなから学びに来た生徒のはそういうわけにはいかないので英語で授業をした。ビギナークラスといえど教える内容は楽ではなく、むしろ日本語に慣れていないぶん私たちが気にしないような助詞の使い分けなどにも質問をしてくるためこちらのクラスの方が教える内容は難しかった。また生徒に日常会話をさせつつ日本の文化に触れてもらうためにお寿司屋さんごっこをやるということもあった。しかしながら生徒はそもそも寿司の種類をほとんど知らないのでなかなか会話には行き着かなかった。会話に行き着いてからは向こうも寿司の種類を知ることができたり、互いに日常会話を日本語で楽しんだりと有意義なものになった。
 アドバンスクラスの生徒は本当に日本語が上手なので驚いた。はっきり言って何を教えていいかわからず、アドバンスクラスの授業が担当の時はいつも緊張していた。一方で日常会話ができるということもあり、私たちのお世話をしてくれるのは基本的にはアドバンスクラスの人だった。肝心の授業内容であるが、基本的には作文をしてもらいその間違いを直すということだった。今までもこのようなスタイルで授業をしていたそうなので生徒たちは少し飽きているようにも感じた。また、せっかくなので日本の伝統的な手紙の書き方を教えた。最初に季節の挨拶を入れる話をしたら、そもそもインドネシアには雨季と乾季しかなく季節の挨拶と言われてもピンとこないとのことなので自分の考えの浅さに何ともいえない気分になった。そこでわたしは雨季と乾季の特徴を聞き出してそれを用いてこういう挨拶があるのではないかというものを提案し、参考にしてもらった。それから、インドネシアのことわざでかるたを作ってもらうこともあった。インドネシアに古くから言い伝えられていることに触れることで、かえって教える側のこちらがとても勉強になった。

 <日本語教室以外での交流活動>
 インドネシアの人たちは明るくて本当に暖かかった。日本語教室以外ではゲストハウスで一緒におしゃべりしたり、ご飯を食べに行ったり、観光に行ったりととても楽しく過ごすことができた。バイクの二人乗りで移動することが多く、バイクなんて乗ったこともないのに校内だから大丈夫とヘルメットなしでゲストハウスに帰った時は本当に怖かった。しかしそのあとは慣れた。カラオケにも連れてってもらった。日本の曲が多く入っていて、日本語教室の生徒さんも日本の曲が好きな人が多いので非常に盛り上がった。
 また、文化の違いを体感することも多々あった。まず、空港から送ってもらう時に、道路状況にカルチャーショックを受けた。バイクの蛇行運転の数、あっちこっちから聞こえるクラクションなど日本と違いすぎてとても怖かった。そして、何よりも料理が本当に辛かった。あまりの辛さに涙が出てしまったこともあった。何回もお腹の調子が悪くなった。向こうの人も気を使ってくれて、辛くない料理を頼めるようなところに連れて行ってくれたり頼んでくれたりしてとてもありがたかった。それでも辛いことは何回かあって味覚の違いを感じたが、気を使ってくれて本当に感謝している。自分の体のことも知れたので結果的には良い経験だったと思う。
 宗教に関して聞くことも多々あった。日本にいるとどうしても宗教を信仰するというのがどんなものかよくわからないので宗教の話をしてもらえたのは本当に貴重な体験だった。イスラム圏の国なのでイスラム教のテロのことなども思い切って聞いてみたが、嫌な顔一つせずちゃんと彼らの意見を話してくれた。どんなテレビやネット上の意見よりも説得力があった。一方で緩く信仰してる人も多かったので驚いた。お祈りの時間だが心の中で祈ったからいいという人さえいたほどだ。
 上記の宗教信仰がゆるい人が多いところと関係があるのかもしれないが、時間に対する感覚、仕事中の態度も日本に比べてとても緩かった。多少時間授業や待ち合わせの時間に遅れても全く気にしないし、仕事中の店員さんがスマホで遊んでたり、ご飯を食べていたり、挙句の果てには椅子で寝ていたりというのがしょっちゅう見受けられた。最初は驚いたが日本があらゆることに窮屈すぎるのではないかと思うようになった。

<参加目標の達成度と努力した内容>
 わたしは今回の派遣で「日本ではわからない異文化を体験する」、「プレゼン能力の向上」、「インドネシアの建築・町並みをよく観察する」ことの三つを目標として掲げた。一つ目の目標は大いに達成できたと感じている。普段わたしは食わず嫌いなのだが、インドネシアでは日本にない食べものにとりあえずチャレンジすることができた。ナマズ、ココナッツ、グリーンピースの豆乳など色々なものにチャレンジした。ナマズが美味しいのは本当に驚いた。二つ目の目標はほとんど達成できなかった。しかし毎日授業という場でプレゼンをしていく中で、自分の教養の無さを感じた。もっと教養があれば面白いプレゼンができるということを確信した。よってこの目標は今後達成させたい。三つ目の目標も大いに達成できた。日本とインドネシアの違いを専門分野から考えられたのはとても楽しかった。

<プログラムに参加した感想>
 初めての海外ということで非常に怖かったし緊張もしたが本当に楽しく貴重な経験ができた。このプログラムに関わってくれた先生方、国際交流室の方々、ガジャマダ大学の方々には本当に心から感謝しています。貴重な体験をありがとうございました。

<今後の展望>
 今後は様々な知識を身につけて面白い話ができる人になりたいと思った。そして英語ができればもっと話せたということが多々あったので英語力も伸ばしたい。またインドネシアの人たちは世間体よりも自分がどうしたいのか常に正直に生きていて、自分もそうあろうと強く思った。彼らの明るさも見習いたい。

ピザパーティーの様子の画像
ピザパーティーの様子

ボロブドゥールにての画像
ボロブドゥールにて