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粕谷亜衣 地域教育文化学部地域教育文化学科 1年

派遣期間:平成29年8月22日~9月16日(26日間)

<日本語教室での活動内容> 
 月曜日から金曜日まで、午前10:00から12:00、午後13:30から15:30の2時間ずつ一日2回授業を行いました。私は主にビギナークラスを担当させていただきました。「なぜひらがなとカタカナと漢字があるのか」「なぜ、『は』は『HA』と『WA』の読み方があるのか」「『じ』と『ぢ』の違い」など、説明することが非常に難しい質問をしていただいたことが強く印象に残っています。自分の知識不足を実感させられると共に、もっと日本語について学びたいという意欲が湧きました。ビギナークラスでは、生徒さんと共に私自身も、日本語についてたくさん学ばせていただいたように感じます。
 アドバンスクラスでは、「もし、インドネシアにミサイルが撃たれるとなったらどうするか」と、時事問題に触れディスカッションしていただきました。日本の大学に留学経験のある日本語が堪能な学生からは、私がインドネシア語を教えていただきました。
 高校生を担当させていただいたときは、インドネシアの高校生の意見が聞きたかったため、「インドネシアがこれからどうなってほしいか」という題で作文を書いていただきました。どんな希望を持っているのかわくわくしていましたが、意外にも「このままでいい」と言う意見が多く、驚きました。小さなことにいちいち不満を抱くのではなく、目の前のありがたみにいかに気づけるか、そのことの大切さを教えていただきました。
 レベルを問わず、どの内容にも真剣に耳を傾けていただけてとてもうれしかったです。

 <日本語教室以外での活動内容>
 ガジャマダ大学の学生は新学期が始まり、授業の予習・復習やレポートに忙しいにも関わらず、毎日ゲストハウスに足を運んでいただきました。現地の方の大きな笑い声にたくさん元気をいただきました。長い滞在で、一度も体調を崩さず、ホームシックにもならなかったのは、きっとこの笑い声と、皆さんといただいたおいしいご飯のおかげだと思います。
 また、約4週間の滞在で、ショッピングモール、マリオボロ通り、ディザさんのご実家、世界遺産ボロブドゥール寺院(大乗仏教の遺跡)、犠牲祭(イード・アル=アドハー)、サンデーモーニング(朝市)、タマン・サリ(離宮の跡)、カラオケなど他にも色々なところに連れて行っていただきました。ディザさんのご実家ではご家族の方々に温かく迎えていただき、心が安らぎました。犠牲祭では牛・山羊・羊が屠畜される瞬間を目の当たりにしました。滝のように流れる真っ赤な血は今でも鮮明に覚えています。大切な命をいただいていることを再認識しました。カラオケには3回も連れて行っていただきました。歌うことが苦手な私ですが、インドネシアの人が、マイクを持っている人も持っていない人も一緒に歌ってくれて、楽しむことができました。インドネシアの人の優しさと心遣いに感動しました。
 人の集まるところには物乞いをする人がたくさんいました。小さな子どもが大きなかごを持って物を売っていることもよくありました。日本では見たことがない光景に胸が痛みました。そして、自分が今どうするべきなのかを考えさせられました。未だに納得のできる答えは出せていません。これからも、考え続けたいと思います。

<参加目標への達成度と努力した内容>
 参加目標は①積極性を身につけること②異文化理解と日本の良さに気づくこと、の2つです。①の達成度は70パーセントです。自分から積極的に挨拶をすることは徹底できました。そのおかげでたくさんの人とお話しすることができました。しかし、私の専門である「教育」について、インドネシアの実情をもっと学びたかったと後悔しています。このプログラムの活動内容とは違いますが、積極性があれば学ぶことができたと思います。②についてはほぼ100パーセント達成できたと自負しています。事前にインドネシアやイスラム教について本やインターネットでたくさん調べていきました。その知識があったため、より多く疑問を抱きより深く理解できたと思います。また、インドネシアの文化や習慣に触れるに当たり、インドネシアと日本の両方の良さに気づくことができました。

<プログラムに参加した感想>
 インドネシアでの26日間は、たくさんの方々の優しさに支えられ幸せいっぱいの日々でした。毎日おなかの底から笑うことができました。後半は自分が異国にいることを忘れるくらい打ち解けることができました。国が違うからこそ深まる絆もあるのかなと思いました。
 学生大使プログラムに参加するまでは、山形大学に入学したことを肯定的に捉えることができませんでした。しかし、この充実した26日間は山形大学生でないと経験することはできなかったはずです。大切な友達とも絶対に出逢えなかったと思います。日本語教室では試行錯誤を繰り返しながら成長でき、現地の学生と密に関われるこのプログラム、プログラムを支えてくださる方々には心から感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。

<今回の経験による今後の展望>
 日本語という言語を通してたくさんの方々と出逢うことができました。一つの言語を学んだ先に広がる世界を見せていただきました。これまでより力を入れて言語習得に励みたいと思います。また、言語は相手に伝わらないと意味がないと思います。恥ずかしがらずに声に出して練習し、間違った発音は矯正していきたいです。
 また、山形大学に在籍しているうちに、この恵まれたプログラムにまた挑戦したいです。次は他の国に行ってさらに自分の見聞を広めたいですし、インドネシアにもまた行ってお互いの成長を確かめ合いたいです。

最後の日本語教室で の画像
最後の日本語教室で 

大好きなお店『SS』での画像
大好きなお店『SS』で

農学部フィールドワーク セイラさんとの画像
農学部フィールドワーク セイラさんと