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阿部有紗 地域教育文化学部地域教育文化学科 2年

派遣期間:平成29年9月17日~平成29年10月1日(15日間)

<日本語教室での活動内容>
 授業は月曜日から金曜日まで、10時からの午前の部と13時半からの午後の部の、2回ずつ行いました。大学がすでに始まっていたので、大学生数人と高校生が多く教室に来てくれました。前半の一週間は、私のほかに学生大使の方がもう一人派遣されていたので、初級クラスと上級クラスの二つに分けて授業を行いました。私が担当した初級クラスでは、平仮名、片仮名をマスターすることを目標に、書くことと読むことに力を入れた内容に取り組みました。その他に、あいさつや簡単な自己紹介の仕方など、実際に会話しながら学習しました。
 後半は、学生大使として派遣されているのが私だけになったので初級の人も上級の人も 楽しく学べることを第一に自分の得意なことを生かしながら、日本や山形へ行ってみたいと思ってもらえるような授業にすることを心がけ、日本の文化を中心とした授業を展開しました。具体的には、ゆるキャラについての授業や、書道、数字の勉強としてビンゴゲームなどを行いました。
 「『ぱ』と『ば』、『す』と『つ』を聞きわけるのが難しい」、「日本語で『I』を意味する言葉がいっぱいあるのはなぜか」、「なぜ日本人はよくお辞儀をするの?どういうときに日本人はお辞儀をするのか」と言われたことが印象に残っています。日本語を使う日本人なのにすぐに答えられないことを聞かれることが多く、ハッとさせられました。日本語を教えながら、私自身が日本について学ぶことが多く、楽しかったです。
 教室に来てくれた学生や高校生は、本当に自発的に「日本語を学びたい」という思いで来ている方ばかりだったので本当に一生懸命でした。

<日本語教室以外での交流活動>
 授業終わりはよく他愛もない話をして大笑いをしたり、カラオケに行ったりして過ごしました。ほとんど毎日夜ご飯を食べにいろんなお店に連れて行ってくれました。休日はボルドゥブール寺院やプランバナン、ビーチ、ショッピングモール、映画をはじめ、さまざまな遺跡や観光スポットに現地の学生に連れて行ってもらい、朝から晩まで遊びました。遺跡や街を歩いていると写真を一緒に撮ってほしいと頼まれることがあり、日本はインドネシアの人々に愛されているのだなと感じ、とても嬉しくなりました。ガジャマダ大学で年に一度開催されている早朝ウォーキングFESのようなものに参加し、大学周辺を歩き、現地の人と朝ご飯を一緒に食べたり、豪華賞品の当たるビンゴ大会に参加したりする日もありました。
 特に心に残っているのは、滞在先がゲストハウスに変わった後半の、授業終わりのことです。毎日、大学生だけでなく日本語教室に来てくれた高校生など、多くの人が遊びに来てくれました。日本語教室に初めて来てくれた生徒の要望に応えてひらがなの復習をしたり、緑茶一気飲みという罰ゲーム付きでインドネシア特有のトランプや日本特有のトランプ、カルタゲームをしたりして遊びました。近くのスーパーで一緒に買い物をしたり、雨期になり突然の土砂降りの中ゲストハウスまで猛ダッシュしたり、夜ご飯に高校生が作ってくれたインドミーを一緒に食べたりしたこともありました。
 本当に素敵な出会いばかりでした。日本にいるときの2,3倍は毎日笑っていたような気がします。

<参加目標への達成度と努力した内容>
 参加目標は大きく2つありました。
 1つ目は、将来の夢の一つにJICA職員になることがあり、日本以外のアジア地域の国々はどんなところなのか知る、ということでした。達成度は60%です。渡航前はインドネシアについてほとんど知識がなく、渡航前の危機管理オリエンテーションで万が一の話を受け、とても怖くなりました。しかし実際に行ってみると、現地の人はみなとても優しい方ばかりで、ジョグジャカルタの街も素敵なところでした。文化の違いから驚くこともありましたが自分も生まれ育った環境がインドネシアであればそれが当たり前になっていただろうなと思い、文化は面白いなと思いました。私は、渡航前は不安がありましたがインドネシアに行ってよかったと思う経験が本当にたくさんできたので、何も知らないで怖いと決めつけてしまうのはとてももったいないことだと思いました。全体として今私はインドネシアという国に明るいイメージを持っていますが、有名な遺跡や有名な場所には物乞いをしている人の姿を見かけることがありました。今回の渡航ではインドネシアの明るい部分しか私は見えていなかったように感じたので達成度は60%としました。
 2つ目は、英語に自信がないのでその分、表情やジェスチャーなど自分の頭と体をフル活用して現地の様々な人とかかわりを作ることでした。達成度は80%です。現地には想像以上に日本語のできる学生が多く、それに甘えて日本語を使うことが多かった気がします。ですが、特に初級クラスを担当したときは自分の知っている簡単な英語やジェスチャー、表情を使って積極的にコミュニケーションをとることができました。さらに、日本語教室に来てくれた方々とは、私のルー大柴のような英語にもかかわらず、言語の壁を越えて密にかかわることができました。インドネシアでは小学校3年生のころから英語学習が必修だと聞きました。現地の人はみんなインドネシア語のほかに英語がペラペラでした。私は英語があまりできなかったので、自分がもっと英語ができていれば、みんなともっと自由にいろんな話ができて、もっと仲良くなれたのではないかと少し後悔しました。

<プログラムに参加した感想>
 このプログラムに参加してよかったと思うことが特に2つあります。1つ目は、日本語教室がメインの活動としてあるので、現地の人とたくさん関わることができたことです。現地の学生は日本のことをよく知っていて日本人の私でも即答できないような鋭い疑問を投げかけてくることもありました。カラオケに行ったときはほとんど日本の曲を歌ったり、ゲストハウスで日本の映画を見ていたり、私が知らなかった日本の情報もたくさん知っていたりして、私は自国のことをまだまだ知らないのだなと良い刺激を受けました。2つ目は、日本と異なった文化も持っている国なので日本で経験できないことをたくさん経験できたことです。これらのことは、ただの海外旅行では経験できないことだと思うので、このプログラムに参加して本当に良かったと思います。

<今回の経験による今後の展望>
 海外には自分の知らなかったことがたくさんあり、また長期休暇を利用して海外に飛び出していきたいと思いました。今回の渡航でたくさんの課題も見つかりました。まずは今のうちからコツコツ英語の勉強に取り組むことと、日本について勉強することの2点を頑張りたいと思います。さらに、今回学生大使としてインドネシアで経験したこと、感じたこと、ジョークを言うような面白くて優しい人がたくさんいることなど、母国を出て感じたことやインドネシアと母国両方の魅力について友人や周りの人に、多くの人が世界へ目を向けるきっかけになるように発信していきたいと思います。

ジョグジャカルタの海の画像
ジョグジャカルタの海

ボロブドゥール寺院にての画像
ボロブドゥール寺院にて

日本語教室-書道の画像
日本語教室-書道

愉快な仲間達と空港での画像
愉快な仲間達と空港で