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天谷遥 人文社会科学部人文社会科学科 1年

派遣期間:平成30年3月5日~3月18日(14日間)

日本語教室での活動内容
 ベトナムの日本語教室では、ビギナーズクラスと会話クラスがあった。ビギナーズクラスでは、主にひらがなやカタカナの読み書き、簡単な会話文でのコミュニケーションを中心に教えた。やはり日本語を習いたてということもあり、日本語を話せる人達が一人もいなく、英語も通じなかったので日本語の基礎的なことも教えることすらとても難しかった。インドネシアでは、日本語を長年勉強している人がほとんどで、さらに英語も通じるので日本語を教えること自体は比較的簡単だったが、その分日本語の深いところまで聞いてくるので説明することがとても難しかった。会話クラスでは、比較的話せる人が多く、複雑な会話やスラングまで話すことができた。基本的には家族の話、自分の所属している大学の学部や将来の夢などの課題を提示してそれについて全員で話し合った。全員とても積極的に話し合い、少し喋れない人たちも巻き込まれてたどたどしいながら積極的に話していた。ベトナムではインドネシアの学生に比べると話せる人と話せない人との差が非常に大きく、私たちと日常会話ができる人は数人しかいなかった。しかし、皆積極的に話しかけてきて日本語を上達使用している姿勢はインドネシア以上に感じた。

日本語教室以外での活動内容
 日本語教室以外での交流は、ベトナムの美味しいご飯のお店に連れて行ってもらったり、ベトナムの首都ハノイの中心街、ハノイセンターに連れて行ってもらったり、日本のお祭りの手伝いをした。ベトナムではフォーなどの日本でも有名なご飯がたくさんあり、その食べ物の美味しい店に授業が終わった後に食べに行った。インドネシアでは料理も辛くて口に合わなかったが、ベトナムでは料理も口に合い、食に関してはインドネシアの数倍楽しむことができた。ハノイセンターはハノイの飲み屋街的な場所で多くの人で賑わっていた。私たちが連れて行ったもらった日はちょうど携帯会社のイベントが行われていて多くの人がオレンジ色のTシャツを着てパレードをしていた。また外国人も多く、飲み屋街というよりは観光地としての特色が強いように感じた。また、ハノイセンターの近くに、ベトナム建国の祖、ホーチミンの墓地もありそこにも連れて行ってもらった。ホーチミンの墓ではベトナム人にとって神聖な場所で私語厳禁、帽子やスカートを禁止という厳しい条件の下でしか入ることが許されず、また見ることも立ち止まることができず、歩きながらでしか見ることができなかった。しかし、ホーチミンそのものを冷凍保存しており、ナマのホーチミンの遺体を見ることができた。ベトナムの文化や生活習慣に直に触れることができる場所だった。日本のお祭りは、大学構内で行われ、日本とベトナム双方の文化を紹介しあった。日本の文化はよさこいを踊ったり日本の歌を歌ったりと日本人には馴染みの深いものだったが、ベトナム人にとっては新鮮なものだったらしくとても盛り上がっていた。ベトナムの紹介ではアオザイを着て踊ったり、伝統技能である獅子舞を舞ったりしていた。日本とベトナムの文化が融合した出し物もあり、小さい規模ながらとても賑わっていた。

プログラムの参加目標と達成度
 今回のベトナムでの体験での達成目標は、異国の文化、生活習慣にふれあい異文化理解をすることと、ベトナムの大学生たちに日本の文化を広めるという2つの目標があった。前回学生大使に行ったインドネシアでは、インドネシアの文化や生活習慣を通しての異文化理解はすることができた。ベトナムのでも、インドネシアや日本とは違った文化や生活習慣を体感することができ、より深く異文化理解をすることができとても有意義だった。しかし、日本の文化を伝える点では、インドネシアの学生のレベルは私が想像していたよりもはるかに高く、私が準備していた授業は全て前もって勉強されていて何も伝えられなかった悔しさがあった。だから今回ベトナムでの授業をするにあたり、過去にベトナムへ学生大使に行った友人にベトナムの学生がどの程度日本語をできるのかあらかじめ聞いて対策をした。その甲斐あってベトナムの授業ではつまるところや、構築に困ることがなくスムーズに教えることができた。今回のベトナムの学生大使では、前回のインドネシアの経験を生かし学生大使の目標を達成することができた。

プログラムに参加した感想
 今回は、2度目の学生大使だった。前回の学生大使で感じた異国の文化の違いや生活習慣にもだいぶ慣れていて、余裕のある状態で暮らすことができた。ベトナムの学生の皆さんは日本人にはないアクティブさと豪快さを持っていた。インドネシアで感じた純粋さとはまた違う良さがあった。ベトナムは仏教の国ということもあり、彼らの考え方や生き方は日本人に近いものがあった。また大学生の生活も日本の大学生と大きな違いはなかった。インドネシアでも感じたことだがベトナムは日本よりは豊かではない。しかし皆日本人のように生き急いでいるようには見えなかった。今の暮らしにとても満足していた。私たち日本人とは、生き方に対する考え方が根本的に違うのだろう。二度にわたる日本とは文化も生活習慣も異なる国へ行くことはこれからの自分の生き方を根本から考えさせられる良い経験になった。

日本語教室の授業風景の画像
日本語教室の授業風景

ベトナム国立農業大学の学生の皆さんの画像
ベトナム国立農業大学の学生の皆さん