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関和真 理学部物質生命化学科 3年

派遣期間:平成29年8月28日~9月10日(14日間)

<日本語教室での活動内容>
 授業は月曜日から金曜日に実施し、月曜日、水曜日、金曜日は平仮名から学習する初心者向けの授業を1日3コマ行った。火曜日と木曜日は会話中心の授業を1日2コマ行った。
 初心者向けのクラスでは平仮名、カタカナを「書く」「発音する」ことで覚えてもらうことを意識した。また、ベトナム人には発音が難しいものや、字が似ているものなどをクイズ形式で出題することで覚えてもらった。余った時間には体の部位や身の回りの物の名前などを教えるなどした。工夫した点は時間を区切ったことである。メリハリをつけるためにタイマーを使用して書く時間、発音する時間などを区切って授業を進めた。さらに、一方的な授業にならないよう、常に理解できたかを生徒たちに聞きながら授業を進め、質問も多く生徒たちに投げかけるようにした。
 会話クラスでは文字は読めるが会話はできない生徒から会話を流暢にできる生徒まで様々なレベルの生徒が混在していた。そこで会話クラスの中でもレベル別に分け、会話ができる生徒には日本の文化やベトナムの文化について日本語で話し合い、会話ができない生徒はベトナムの生徒が日本語を勉強する際に使うテキスト「みんなの日本語」を用いて自己紹介など簡単な会話を学習するようにした。
 全体の授業を通して助かった点は日本語が話せるベトナムの生徒が授業をサポートしてくれたことである。説明が難しい時に、その生徒たちがベトナム語で解説してくれたため授業がスムーズに進んだ。
 悪かった点はベトナム人に英語が通じないことである。簡単な英語、単語なら理解できるのだが、英語で解説することは出来なかったためジェスチャーや日本語が話せるベトナム人に頼って授業を進めた。

<日本語教室以外での交流活動>
 滞在は大学構内にあるゲストハウスで2週間過ごした。そこで1週間半ほどフィリピンから英語の教師として派遣されているフィリピン人の男性とルームシェアをしていた。その男性とは同じ部屋を使うだけではなく、ご飯を共にしたり観光地を回ったり大学内を案内してもらったり多くの時間を過ごした。また、その男性とともに派遣されているフィリピン人の方々と街の中心街であるハノイシティーに休日一泊して観光や夜の街を飲み歩いたりもした。
 昼飯や夕飯は基本的に毎日授業があるため、授業後ベトナムの学生に連れて行ってもらうことが多かった。大学の周りにある屋台だけでなく、休日には街のショッピングモールに連れて行ってもらい日本食を食べたり、生徒の家に行って手料理を振舞ってもらったりした。
 授業の間や予定がない休日にはベトナムの生徒なしで大学の周りをぶらついて店に入り、言語が一切通じない店員に身振り手振りで注文してみたり、1人で床屋に行って散髪をしたり、カフェでのんびり読書したり、大いにベトナムを満喫することができた。

<参加目標への達成度と努力した内容>
 今回の参加目標は英語力の向上と現状の英語力の把握であった。この目標はおおむね達成したと考えている。上記に記したようにルームシェアしていたことで英語圏の人と多くの時間を過ごすことができたこと、時間が合うときは積極的に大学の英語の授業に参加することができたからである。自分の部屋にいるときは互いの文化やアニメについて話し、一緒に日本の映画を見たりして様々なことを話した。また、うまく伝わらなかった時や、相手の言いたいことが理解できないときは紙とペンで文字に起こしてコミュニケーションをとった。

<プログラムに参加した感想>
 プログラムに参加して感じたことは2つある。
 1つ目は英語学習の必要性である。フィリピン人と1週間半ほど過ごしたことに加え、ベトナムに行くまでの乗り換えで過ごした香港空港での店員、空港のスタッフとの会話、ベトナム中心地の店での会話など多くの場面で英語を話さなければならない機会があった。そのような機会のたびに言いたいことをうまく言えないもどかしさを感じた。
 2つ目は日本がいかに清潔で安全であるかということである。ベトナムの飲食店はごみを各テーブルの下にあるテーブルに捨てるのだが、そのごみ箱がない場合は床にごみを捨てる。従って、込み合う夜の飲食店の床はごみが散乱していて非常に汚い。また、屋台で余った料理の汁や液体を道路や川、観光名所である湖にさえ捨てる。飲食店だけでなく食材を販売している店も衛生管理の概念がない。特に肉屋が一番印象に残った。この時期、ベトナムは雨期であるため非常に高温多湿である。しかし、その店では冷蔵庫などもなく、外に肉をそのまま置いて販売しているのである。肉の周りにはハエが集っているのだが気にすることもなくベトナム人はそれを購入する。もちろんそのような店ばかりだけではないがそのような店があることは確かである。安全面でも日本との差を感じた。ベトナムはバイクの普及率が高い。学生でも一人一台持っているほどである。そのバイク1台にヘルメットなしで3人、多い時は4人で乗ることが普通であった。また運転手がスマートフォンを見ながら運転している光景も珍しくなかった。さらに、車線が意味をなしていないことや、信号がほとんどないことから、交通ルールなどなく、クラクションを多用することで互いの意思疎通を図っている。このような状況で道路を渡るときが一番危険である。「走っても轢かれる、止まっても轢かれるから前だけ見て一定のスピードで歩いて」と言われたことは一生忘れないだろう。

<今回の経験による今後の展望>
 英語学習を継続的に行っていきたいと考えている。まずはTOIECを受験し、そこからwritingやlisteningだけではなくspeakingの方にも力を入れて学習したいと考えている。
 次に、多くの国を行ってみたいと考えた。せめて在学中にはもう1か国に行ってみたいと考えている。次回は1人で現地に知り合いが誰もいない状態で行き、より成長したいと思う。

ベトナム風景1の画像
ベトナム風景1

ベトナム風景2の画像
ベトナム風景2

ベトナム風景3の画像
ベトナム風景3

ベトナム風景4の画像
ベトナム風景4