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新田莉彩子 理学部物質生命化学科 3年

派遣期間:平成29年8月28日~9月10日(14日間)

<日本語教室での活動内容>
 月水金はビギナーズクラスで、一日に午前・午後・夜の3回(9:30~11:00、15:30~17:00、18:30~20:00)の授業があります。午前・午後の授業は大体15人程度、夜の授業は大体30人程度の学生が来ました。授業にはトピックが与えられていて、それを基に授業をしました。私の渡航期間のビギナーズクラスのトピックはひらがな・カタカナだったので、それらの書き順、発音などを中心に授業をしました。
 火木はコミュニケーションクラスで、一日に午前・夜の2回(9:30~11:00、18:30~20:00)の授業があります。午前の授業には誰も来ないことが多く、よく授業がなくなりました。夜のクラスには15人程度の学生が来ました。授業にはトピックが与えられているのですが、作っていった会話表現をすでに習った人、またはすぐに理解できる人が多く、前半は作っていった授業をし、後半は日本の文化について会話を交えながら話すということもありました。そのことによって、学生が日本語で会話する機会を作れたと思います。また逆にベトナムの文化も教えてもらうことができました。普通に生活していて気が付けない文化も知ることができたため、よかったです。また、日本の歌の「きらきら星」を教えてほしいとの要望があったので、歌詞の意味とメロディーを教えて、みんなで歌いました。日本の歌をみんなで歌うことで、楽しく日本語を学んでもらえていたのでよかったです。
 授業全体に関してですが、まず授業に行って驚いたことは、学生に英語が通じないことです。ベトナムの学生は英語が堪能だと聞いていたので、てっきり英語で授業するものだと思っていました。しかし実際学生に英語は通じませんでした。私は語学力の習得を目標に掲げていたので、少しがっかりしたのと同時に、少しほっとしました。結局、授業はすべて日本語で行い、うまく伝わらないときは、日本語のできるベトナム人に通訳してもらいました。日本語のできるベトナム人が授業に一人はついていてくれたのでとても助かりました。
 また、私はベトナムの学生が、英語より日本語の方ができること、英語を習得しようとしないことをとても不思議に思いました。日本人からしたら、日本語を勉強してくれるのはうれしいけど、日本語なんて日本でしか使えないんだから、世界で使える英語を勉強した方がいいよ!という感じです。そこで思い切って日本への留学をサポートしているベトナム人にわけを聞いてみると、今ベトナムには日系企業が増えてきていて、日本語の需要が高まってきているとのことでした。だからみんな日本語を勉強するんだ、日本に留学したいんだととても納得しました。働くため以外にも、日本のアニメや漫画が好きで勉強してくれている子がたくさんいて、日本人としてとてもうれしく感じました。
 また、全体的にベトナムの学生はフレンドリーでした。最後の授業終わりにあまり関わらなかった学生も「一緒に写真撮って」と声をかけてくれて、とても嬉しかったです。

 <日本語教室以外での交流活動>
 ご飯は、授業終わりに日向クラブという日本語クラブのメンバーに連れて行ってもらうことが多かったです。大学の周りの屋台に行って食べることがほとんどでしたが、学生の家に招待されて手料理を振舞ってもらったり、大きいショッピングモールに行って日本食を食べに行ったりもしました。また、日向クラブの学生には、休日遊びにも連れて行ってもらいました。カラオケ、陶芸ができるバッチャン村や、ベトナム最大の水族館などに連れて行ってもらいました。タクシーの手配から何から、すべてやってくれたのでとても感謝しています。
 また、ゲストハウスにフィリピンから英語の先生として派遣されているフィリピン人の男性と友達になり、一緒にご飯を食べに行ったり、ハノイシティに一泊して観光や買い物、夜は一緒に飲んだりしました。また、彼の英語の授業に参加させてもらうことができ、英語を勉強できました。
 私は山形大学の弾き語りサークルに所属していて、弾き語りの活動をしています。ベトナムで2回ほど人前で歌う機会がありました。自分の歌を海外で披露出来ることはめったにないので、とてもいい経験となりました。

<参加目標への達成度と努力した内容>
 私は教室内外の目標として、英語力の向上を掲げていました。授業は英語で教えると思っていたのですが、実際には学生に英語は通じなかったため、教室内での英語力の向上は達成できませんでした。しかし運よくフィリピン人の英語の先生と仲良くなったため、また担当のルックさんとのコミュニケーションも英語であったため、教室外で英語を話す機会はとても多かったです。自分自身でも、積極的にコミュニケーションを取りに行きました。そのため、教室外での英語力向上の目標は達成できたと思います。

<プログラムに参加した感想>
 ベトナムの衛生管理は日本と比べとてもずさんでした。蒸し暑い中、外に生肉がおいてあってハエがたかっていたり、スープが地面に置かれていたり、皿を濁った水で洗っていたり。それらのせいか、3日目に吐き気と熱に見舞われました。ゲストハウスもとてもきれいとは言えない部屋で、正直初日は帰りたくて仕方がありませんでした。しかし、次の日にはもうその環境に慣れ、そんなもんだよねと思えるようになりました。どのような環境にも慣れるということがわかって、自分どこでも生きていけるんだという自信がつきました。
 私は前に一度、海外に行ったことがあるのですが、その際、現地の人と触れ合う機会が全然ありませんでした。しかしこのプログラムでは、現地の学生と密に触れ合うことができ、ベトナム人、フィリピン人の大切にしたい友達を作ることができました。これが私にとってこのプログラムに参加してよかったと思ったことの一つです。この関係を大切にしていきたいし、必ずまたどこかで会いたいです。

<今回の経験による今後の展望>
 私は学生のうちに英会話を習得したいという目標があります。そのために以前、英語を話せる機会にいろいろチャレンジしていたのですが、自分の英語力に自信がなく、最近はそのような機会から疎遠になっていました。しかし今回の経験によって、自分の英語力に多少自信がついたことと、英語でやり取りする友達ができたことでモチベーションが上げることができたため、これから以前のように英語を話す機会を増やしていきたいと思います。

ベトナムコーヒーを呑みながらゆっくり。時間の流れがゆっくりなのを実感できます。の画像
ベトナムコーヒーを呑みながらゆっくり。時間の流れがゆっくりなのを実感できます。

ベトナム人の友達の家にお呼ばれされてランチの画像
ベトナム人の友達の家にお呼ばれされてランチ

最後の授業で集合写真を撮ってくれました。の画像
最後の授業で集合写真を撮ってくれました。

授業をしている様子の画像
授業をしている様子