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猫塚ゆめ 人文社会科学部 人間文化コース 1年

派遣期間:平成30年8月20日~9月4日 

〇日本語教室での活動内容
この大学の日本語クラスでは、1日に3回授業が行われ、ビギナーコースと会話コースに分かれて授業を行った。ビギナーコースでは、まず、ひらがなの「あいうえお」から教えた。それが終わってからは自己紹介の練習や、簡単な受け答えなどを教えた。さらに、1日(ついたち)、2日(ふつか)、3日(みっか)といった日常会話でよく使う言い方なども教えた。少人数のグループに分かれて、クイズ形式で全員が答えられるように何度も発音の練習をしたため、記憶の定着に役立ったと思う。会話コースでは、自己紹介から始まり、テーマを与えたスピーチなどを行った。例としては、「将来の夢」、「自分のふるさとについて」、「子供のころ」などである。また、しりとりや伝言ゲーム、早口言葉などの遊びは大いに盛り上がった。生徒の皆さんの聞き取り能力の向上や単語を覚えることにもつながったと思う。授業では英語が通じると思って臨んだが、ほとんど通じなかった。それは少し予想外だったが、日本語を話せるベトナム人の力を借りながら、なんとか2週間の日本語の授業を行うことができた。

 〇日本語教室以外での交流活動
食事はいつも外食であったが、ベトナムのフォーやチャーハン、ブンチャー、バインミーなど、有名な食事を食べに連れて行ってもらった。それらは日本人の口に合うものが多かった。また、食後には、スムージーやタピオカミルクティーなどカフェに行く文化も体験できた。私の滞在期間では二回週末をはさんだが、一回目の休日はイオンモールとハノイセンターを訪れた。イオンモールは、地元のものよりもかなり規模が大きく、また、掃除も行き届いており感動した。売っているものの中には、寿司やたこ焼き、焼きそばなどの日本の影響を受けた食べ物やお菓子が数多く並べられてあった。ハノイセンターではベトナムの伝統的な衣装、アオザイを着て写真を撮った。ハノイセンターは観光地ということもあり、ヨーロッパ系の人など外国人観光客も多く見受けられた。二回目の休日は、ハロン湾へ一泊二日の旅行に行った。ハロン湾は1994年にユネスコの自然遺産に登録された、美しい島々が多数ある湾である。そこは開発の進んだ観光地になっており、たくさんの人でにぎわっていた。海鮮の美味しい料理を食べたり、ハロン湾を船でめぐったりと充実した二日間であった。大きな観光地に行く前には、いつもスリや置き引きなどが心配であったが、現地の学生のおかげでそういった犯罪にも巻き込まれることなく楽しむことができた。最後に、私がベトナムに滞在して最も印象的だったのはベトナムのサッカー熱である。ちょうどアジア大会のあった時期だったため、試合のたびに大きな歓声があちこちから上がっていた。準決勝進出が決まった時には道路をバイクや車が暴走していて少し怖い思いもしたが、日本との文化的な違いを肌で感じることができ、貴重な経験であったと感じた。

 〇参加目標の達成度と努力した内容
私が今回目標にしていたのは、ベトナムの皆さんに日本に興味を持ってもらい、そして日本に行ってみたいと感じてもらうことだった。しかし実際は、日本語クラスに来ている学生さんは全員少なからず日本に関心があり、日本にあこがれを抱いていた。そういった学生さんとは日本の食や文化のことを教えてあげた。そのため、さらに日本に行ってみたいという気持ちが強まったように思う。こういった点から、私の参加目標は達成されたと思う。日本語が通じないビギナーコースの学生さんたちに教えるときに努力したのは、表情やジェスチャーである。うまく発音できた時は笑顔で拍手したりすると言葉が分からなくても気持ちを伝えることができたと思う。また、同じような構文を使って内容を変えながら発音を練習したので、発音が徐々にうまくなっていったと感じた。一方、会話クラスの学生さんは、これから日本で働いたり、留学したりすることも考えているので、話している中で言葉の使いまわしで気になったところは逐一直してあげるようにした。

 〇プログラムに参加した感想
私は、この学生大使のプログラムが初めての海外だったので正直なところ不安が大きかった。しかし、空港に着いた時からベトナム人の学生さんが温かく迎えてくれ、日本語で話しかけてくれたので2週間の滞在も安心して過ごすことができた。しかし、やはり交通の状況や衛生面など日本とのギャップに衝撃を受けることが多かった。そういった時も、他の学生大使の皆さんやベトナム人の学生さんの力も借りながら乗り越えることができた。また、ベトナム人との会話の中では、よく日本のことを質問された。自分の出身である岩手県や、住んでいる山形県のことは紹介できたが、ベトナム国家農業大学の学生さんたちの研修先である鹿児島県や福岡県、北海道などについては分からないことが多く、検索しながら教えることも多々あった。日本人なのに日本のことをほとんど知らないことを恥ずかしく感じた。そして、ベトナム人の勉強に対する意識の高さには非常に感銘を受けた。一日三回の授業に毎回来る人や、誰よりも大きな声で発音しようとする人、間違っても頑張って日本語で自分の考えを伝えようとする人など、さまざまな学生さんに出会うことができ、自分自身の学習に対する意識も大きく変わった。

 〇今回の経験による今後の展望
今回、学生大使として日本語教室を行ったことやの現地の学生さんと交流したことで、ベトナム人の学生さんが自分の夢や目標に向かってひたむきに努力する姿に驚かされた。「専門は何ですか。」と質問すると、自分の学んでいることについて目を輝かせながら日本語で話してくれた。そうしたときに、ベトナム人の学生さんに比べて自分がいかに将来について考えていないのかを痛感させられた。
私は、この二週間の海外経験で新たな目標が二つできた。一つ目は英語を外国人と会話できるくらい勉強すること、そして二つ目は日本についてもっと知ることだ。この二つの目標を達成し、またいつか、ベトナムの友達に再会できた時にはもう一回り成長した自分でありたいと思う。

ホアンキエム湖の画像
ホアンキエム湖

授業の様子の画像
授業の様子

大学の皆さんとの画像
大学の皆さんと