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小林さくら 人文社会科学部 人間文化コース 1年

派遣先大学:延辺大学 
派遣期間:2019年3月1日〜3月14日 

<日本語教室での活動>
 延辺大学ではまず日本語学科の授業の見学からはじめた。先生方が生徒たちと交流する機会を多く設けてくださり、お互いに質問しあったり日本や山形について紹介したりすることができた。授業中に交流した生徒たちと仲良くなり、中国のLINEに当たる微信の交換をしてやりとりするということもあった。皆私たちや山形に興味を持って、例えばどうして延吉にきたのか、山形で有名なものは何か、など様々なことを聞いてくれて、話題に尽きることがなかった。生徒たちの日本語能力も非常に高く、ほとんどのクラスでスムーズに会話することができた。
 あちらへ行って二週間目から本格的に授業に関わることになった。滞在期間が短かったこともあり、関わることができたのはほんの三コマであった。それぞれ異なった活動であったため、分けて報告していこうと思う。
 まず一コマ目は日本の歴史、社会等を学ぶ授業で、私たちは事前に先生から与えられたテーマについて学生たちとグループごと討論をする、というものだった。日中の少子高齢化、また日本人の就職観、結婚観についてのテーマで、日本でも今関心の高いトピックを取り扱っているように感じた。できるだけ日本の抱える問題点と関連付け、日本の現状を理解してもらえるように努めた。しかし真偽があやふやのまま話してしまったということが問題だったと思う。もっと普段から日本社会の諸問題に関心を持ち、情報収集をしておかなければ、このように外国の人々に日本を紹介するとなった際思い込みで話してしまうということがありうると思った。
 二コマ目は発音についての授業で、私たちは英語と中国語を学ぶ際、発音でどのようなところを困難に感じるかという質問を事前に与えられ、授業内で発表した。日本語、中国語、英語の発音の違いや音の作りの違いなど私たちが聞いてもとても為になる授業だった。
 三コマ目では日本語学科の学生と先生に通訳してもらいつつ、日本語学科以外の生徒たちも集まる授業で日本について紹介した。日本語学科のみの授業より規模が大きく、多くの学生たちが聴きにきていたためわずかに緊張した。私は日本の若者の就職、恋愛観、金銭事情について話したのだが、中国と違う点が多々あったらしく、リアクションを取ってくれる生徒が多かった。授業の後行ったアンケートでも、日本との相違点に驚いた、興味深かったという意見を描いてくれた生徒が多く、これを通じて生徒たちの日本に対する関心や異文化の理解度を高められたのではないかと思い嬉しかった。
 延吉のキャンパスから離れ、琿春のキャンパスで90分の授業を自分たちの力だけでするという経験もした。日本語を勉強し始めてまだ日が経っておらず、私たちが少し早口で話してしまうと聞き取れない、という状況のクラスだった。ペアに分かれ、1ペアが1クラスを受け持つ形で授業を行った。日本語で文章を書いて発表してもらったり、折り紙を作ったりするなどしたが、日本の学生より積極性があり、とても楽しく授業を進めることができた。

<日本語教室以外での交流活動>
 主に日本語学科の生徒たちと仲良くなる機会が多かった。授業後学食に連れて行ってもらったり、休日に遊びに出かけたりすることができた。こちらに興味を持ってくれるだけでなく、様々な面でサポートしてくれた。あるクラスで交流を持った生徒たちが、自分たちのオススメのお菓子を買い物袋にいっぱいプレゼントしてくれたこともあった。
 休日現地で仲良くなった友人と遊びに出かけた際、中国と日本の教育制度の違いについて話した。中国の学生たちに課せられる学習のノルマは日本の学生よりもずっと多く、成績で全てが決まると行っても過言ではないように感じた。確かに延吉ではもともと朝鮮族で韓国語が母語であり、さらに中国語、そして日本語もしくは英語を学んでいるという人が多く、その水準はいずれも高い。日本の大学生と同じように遊んだり、SNSを使ったりしている、という共通点は確かにあるものの、置かれている状況は大きく違う。日本と中国の教育方針でどちらがより良いのか、ということを考えるには私はまだ無知がすぎるが、日本の仕組みを当たり前としない、という考え方を身につけることができたと思う。

<参加目標の達成度と努力した内容>
 今回のプログラムに参加するにあたって、私は積極性を身につけること、人と関わる上で内向的になってしまうのを克服することを目標にしていた。
 まず、積極性を身につけることについてだが、今回のプログラムに参加し、そして無事終えたことで自信がつき、以前より新しい物事に挑戦する際のハードルが低くなったように感じる。あちらでは生活していく上で困難なことも多く、さらに現地の言葉がわからない状況で初めは強い不安を感じた。しかし、人を頼ったり、工夫したりすることで様々なことを乗り越えられた。やってみればなんとかできるものだという気づきを得られたことは今回参加した大きな意義になった。
 次に人との関わりについて、現地では非常に多くの学生たちと交流した。今まで生きてきた中であれほどの人と話したのは今回が初めてかもしれないと思ったほどだ。これについても、やってみればできるということがわかったことが非常に大きい。学生たちがこちらを色々気にかけてくれたということはもちろんあるが、自分にも全く初対面の人と関わって仲良くなるということができるのだとわかり、自信に繋がったと思う。

<プログラムに参加した感想>
  何よりかけがえのない経験になったことが第一である。初めての海外経験がこの学生大使で良かったと思う。現地の人たちに案内されて街を見て回ることも、大学に行って自分たちと同じ年齢の人たちと関わることも、個人で海外旅行に行くのでは絶対にできないことだ。初めは不安が大きく、一人部屋で、さらにシャワーからお湯が全く出なかった一日目にはあまりの不安に泣いてしまったこともあったが、だんだん慣れていき、水で髪を洗うのに慣れた頃には帰りたくないとまで思うようになっていた。このプログラムに参加するという一歩を踏み出せて本当に良かったと思う。

<今回の経験による今後の展望>
 今後は今回の経験で得た積極性をもって、やってみたいと思ったことにどんどん挑戦して行く大学生活をしたいと思う。不安があっても、やってみれば楽しいし、かけがえのない経験になるということを今回のプログラムで実感した。また海外に行くことについて以前よりずっと興味が湧くようになった。今は次に何をしようか考えている最中である。

日本語学科のクラスでの記念写真の画像
日本語学科のクラスでの記念写真

串焼肉の画像
串焼肉

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民族衣装(チマチョゴリ)の着付け体験