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川村音晴 人文社会科学部 人文社会科学科 1

派遣先大学:ベトナム国家農業大学
派遣期間:2月21日~3月7日

1 日本語教室での活動内容
 土日を除き、派遣期間中は毎日、18時~20時まで日本語授業を行った。私は、3人の学生に対して授業を行う日もあれば、マンツーマンで授業を行う日もあった。私は、当初は、カルタを使って日本語を教えようと考えていたが、私が担当した学生は日本語を学び始めたばかりの学生だったため、カルタは難易度が高く、当初の計画を変更して、五十音表を用いた授業を行った。ホワイトボードを使ったり、スマートフォンで画像や動画を見せたりと、毎日試行錯誤を重ねながら、現地学生に日本語を楽しく学んでもらえるような授業内容を模索した。日程後半の授業では、山形大学生と現地学生のみんなで、カルタやトランプ、だるまさんが転んだなどを行い、楽しむことができた。
 日本語は、世界の言語の中でも比較的難しいと言われている言語である。世界の中で、日本語を学びたいと思っている人がいる、熱心に学んでいる人がいるという現状があることに驚きつつも、このような現状を自分の目で見て知ることができ、非常に嬉しかった。私が計画した授業はつたない授業だったかもしれないが、現地学生が日本語を勉強している姿やまなざしから感じ取れることはたくさんあり、やりがいにもつながった。私は、大学4年間で、教員免許の取得を目指している。人に何かを教えるという事の本質や意義なども日本語教室での活動を通して考えることができた。今回の経験は、免許取得を目指すうえで有益な経験となり、言語が異なる学生に対して教えることができたという自信にもつながった。

2 日本語教室以外での交流活動
 日本語教室以外の活動は、日本に興味を持つ現地学生のメンバーで結成されている日向クラブのメンバーの方々と共にした。日向クラブのメンバーは、非常に優しく、友好的で、メンバーの方々の支えがあったからこそ、ベトナムを満喫でき、楽しい思い出をつくることができたと思う。ホアンキエム湖やハノイ大教会、オペラハウス、ホーチミン廟、バッチャン村での陶芸体験など数多くの観光地を紹介してくれ、楽しい思い出をつくることができた。
 また、日向クラブの方々には、たくさんのベトナム料理も紹介してもらった。味にクセのある料理も中にはあり苦戦したが、どの料理も非常においしく、食文化という観点からもベトナムを満喫することができた。様々な飲食店を巡る中で、私たちは、日本の事を愛している一人のベトナム人店主に出会った。店主の方は、ドリンクをサービスしてくれたり、料理の量を多くしてくれたりと、暖かく対応してくれた。人柄が暖かい国民性を感じる瞬間であり、緊張や不安が続く生活の中で、心が和らぐ瞬間でもあった。

3 参加目標への達成度と努力した内容
 私は、本プログラムの参加にあたって、多角的な視点から価値観を見つめ、外国人と円滑なコミュニケーションをとることを目標として挙げた。この目標は、達成することができたと考える。コミュニケーションをとるうえで、相手の価値観を理解することの重要性を改めて実感することができた。私は、現地学生に対して行う自己紹介の際に、質問をできるだけ多くするように意識した。相手の家族構成や、専門分野、興味のあること、将来の夢などを聞くことによって、相手のバックグラウンドを把握でき、良好な関係性の構築につながった。また、私は、コミュニケーションをとるうえで必要なのは、3割が言語能力で、残りの7割は表情やジェスチャー、リアクションなど言語能力以外のコミュニケーションツールだと聞いたことがあります。もっと英語ができていれば苦労しないのにと思うこともあったが、表情から相手の気持ちや考えを理解できる場面もあった。言語能力も含め、相手に伝えようとする姿勢が大事だと感じることができた。

4 プログラムに参加した感想
 私は、本プログラムに参加して良かったと思う。本プログラムのオリエンテーション授業で説明を聞いている時や、現地のノイバイ国際空港に到着した時などに、本プログラムに参加して本当に良かったのだろうかと不安に思ったり、参加を決意したことに後悔したりすることが多々あった。現地での生活の中でも、ゲストハウスの設備や衛生状態、食文化など日本との違いを感じる点が多くあり、ストレスを感じることもあった。しかし、日が経過するにつれて、わざわざベトナムまで来たのに、どうして自分は日本と同様の生活を求めているのだろうと思うようになった。日本での生活と異なるのは当たり前であり、そのような状況で、どのように対応して生活していくかが自分自身の成長につながると本プログラムを通して大きく感じることができた。
 また、私はこれまでに海外に行ったことがなく、本プログラムが初めて経験だった。不安が大きかったが、日向クラブの方々の優しさに救われた。重い荷物を持っていた時に手を差し伸べてくれたこと、不慣れな日本語を使ってコミュニケーションをとろうとしてくれたこと、私の要望を快く受け入れてくれたことなど、一つひとつの言動が不安な気持ちの私を救ってくれた。最終日には、夜遅くにも関わらず、多くの日向クラブの方々が私たちのために見送りに来てくれた。私は、その光景を見て、14日間の派遣期間で築いた関係はかけがえのないものであり、絶やしてはいけないなと思った。今後も、SNS等を利用して、何らかの形でつながりを持っていきたい。充実した14日間を過ごせたのは、間違いなく日向クラブの方々のおかげであり、本当に感謝したい。

 5 今回の経験を踏まえた今後の展望
 私は、やるかどうか迷ったらやってみるという事を常に心がけている。本プログラムに応募する際も、応募するかどうか迷ったが、やってみるという選択をした。この選択は間違っていなかったと思う。自分が持っていた先入観と、実際に渡航してみて感じたことには大きなギャップがあり、行ってみてよかったなと実感することができた。改めて、探求心を持つことは非常に重要な事であり、自分自身の成長に直結すると考える。今後の生活においても、常に探求心を忘れず、何事にもチャレンジしていきたいと思う。そして、いずれは自分の長所として探求心を挙げ、社会に出た際にも活用できるように磨きをかけていきたいと考える。
 また、私は本プログラムを通して、英語の重要性を再認識した。英語は国際共通語であり、英語ができるかできないかでコミュニケーションの取り方が大きく変わってくる。言葉が通じないだけで、お互いの心と心に障壁ができたような気持ちになり、良好な関係性を築くことも難しく感じてしまう。今回の派遣期間の中でも、言語が通じないことによる不便さを感じたり、自分の英語力の弱さを感じたりすることがあった。私は、機会があれば他の国にも行ってみたいと考えている。そのためにも、個人としての能力を向上させ、海外の方との意思疎通を円滑に図れるように、英語学習に力を入れたいと思う。

ハノイ歌劇場の画像
ハノイ歌劇場

ハノイ大教会の画像
ハノイ大教会

学校周辺のお店の画像
学校周辺のお店

夜のおしゃれなカフェの画像
夜のおしゃれなカフェ