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櫻井遥月 人文社会科学部 人文社会科学科 1年

派遣先大学:ベトナム国家農業大学
派遣期間:2023/2/21~2023/3/6

1 日本語教室での活動内容
 日本語を初めて学習する学生に対しては、ひらがなを教えた。ひらがなが大きく書かれたかるたをフラッシュカードとして活用した。これは、ひらがなの形と音を一緒に覚えるのに効果的だった。また、学生は特にひらがなを書くのに苦戦していたため、学生の手を軽く握って一緒に書く練習をしたところ、「とめ・はね・はらい」の感覚を少し理解してくれた。
 さらに、学生は恋愛に興味があるということだったので、恋愛に関する簡単な単語を、様々な状況を実演しながら教えた。とても喜んでくれたため、興味のある分野に関連させて教えることが大切だと感じた。
 日本語をよく理解できる学生に対しては、日本の昔話の絵本を一緒に読む授業が好評だった。私が担当したグループでは「ヤマタノオロチ」を、日本神話や日本文化について触れながら物語を読み進めた。しかし昔話には、今は使われていないような言い回しや道具の名前などが登場するため、それを説明するのが難しかった。
 他にも「かぐや姫」や「桃太郎」、「浦島太郎」などを紹介し、逆にベトナムの昔話も教えてもらった。私が教えてもらった昔話には、ココナッツが登場したためベトナムらしさを感じた。一方で、話の起承転結は日本の昔話とも似ていたため興味深かった。

2 日本語教室以外での交流活動
 大学のゲストハウスから外出する際はいつも日向クラブの皆さんが付き添ってくださった。食事は基本外食で、色々なベトナム料理を紹介してもらった。私は特に、大学の近くで売っている三角のバインミー、肉まんに似ているが日本のものより大きくて具沢山なバインバオ、ライスペーパーに色々な具を挟んで食べる生春巻きやバインセオなどが美味しいと感じた。
 週末はバスやタクシー、バイクを利用してショッピングモールやハノイセンターといった観光地へ連れ出してもらった。
 ベトナムのバスは非常に揺れが大きく、完全に停止する前に走り出し、容赦なく扉が閉まるため大変だった。また、歩道はバイクの駐輪場として占領されていることが多く、基本車道を歩いていたため怖かった。道路横断の際は現地学生が腕を組んでくれたり、手をつないでくれたりした。
 ベトナムの民族衣装であるアオザイも着させてもらった。見た目が美しいだけでなく、動きやすく、生地は涼しげといったように機能性にも優れているためとても気に入った。
 英語の授業では、終始英語で大勢のベトナム人学生と会話をし続けなければならなかったためとても疲れた。
 現地学生とゲストハウスで雑談をしたり、UNOをしたり公園で遊んだり、写真を撮ったりして交流したのがとても楽しく、良い思い出になった。また、彼らは私が行きたい場所や食べたいものを伝えるとなるべくそれを叶えてくれるように動いてくれ、自分たちでは対処しきれない問題が起こった際には、夜中にも関わらず直ぐに対応してくれた。
 私たちが安全に楽しく過ごせたのは彼らの親切のおかげであり、心から感謝している。

3 参加目標への達成度と努力した内容
 日本語・日本文化を紹介する場面では、現地学生により日本に興味をもってもらうために、彼らに楽しんでもらうことを目標とした。日本語教室では、かるたやダルマさんが転んだといった日本の遊びをしたり、絵本を読んだり、日本語の歌を練習するなど、日本人が一方的に授業をするのではなく、双方が参加する内容にしたのが良かったと思う。また、通常の授業でも楽しい雰囲気をつくるために声やリアクションを大きくしたり、学生の表情をよく観察し、少し疲れているようであったら雑談を挟むといったような工夫をしたりした。現地学生の笑顔をたくさん見ることができたため、この目標の達成度は高いと思う。
 プログラム全体としては、ベトナムを全力で楽しむこと、どんな事態にも冷静に対処することの2つを目標にしていた。前者については、全ての授業に出席し、お腹を壊すのが怖かったがベトナム料理もたくさん食べ、現地学生や他の学生大使ともよく交流でき、とても楽しかったため、達成度は高いと思う。
 後者については、電気系統のトラブルが起きた際に、辛うじて平静は保てたものの、自分ではどうすべきか分からず、かなり周囲の人に助けてもらったため達成度は低い。今回のトラブルは大事にならなかったが、現地の消防事情の情報収集や緊急時の対応の復習が命運を分けることになると身をもって感じた。

4 プログラムに参加した感想
 景色や食べ物、文化などどれもが日本と違うため新鮮で、新しく経験することがたくさんあったため、ベトナムでは毎日わくわくした日々を過ごせた。新しく経験することが多かった分、それに挑戦する勇気も必要だったが、そのおかげで少し精神的に強くなれたと感じる。
 現地の学生と言語でのコミュニケーションが難しい場合には、ジェスチャーや写真、翻訳機を使用したり、他の言葉に言い換えたりしてなんとか意思疎通を図っていた。伝わらないからといって諦めず、会話を続けようとしてくれた現地学生の姿勢から、コミュニケーションにおいて大事なことは、相手への思いやりと伝えようとする気持ちだということを学んだ。
 ハノイは、私たちが過ごしたゲストハウス周辺と観光地周辺で、まちの景観や綺麗さにかなり違いがあった。単なる観光として数日間観光地周辺だけを訪れるのと、学生大使として2週間現地学生とともに生活するのでは、ハノイに対して抱く印象は全く異なるものになっていたのではないかと思う。学生大使として派遣されたことで、よりリアルなベトナムの暮らしを感じることができたと思うので、参加して本当に良かった。

5 今回の経験を踏まえた今後の展望
 今回のプログラムを無事にやり終えたことで、自分の自信につながったため、今後も臆せず様々なことに挑戦していきたい。また、海外への興味がより深まったため、色々な国へ行ってたくさん新しいことを経験し、自分の視野や思考を広げていきたい。
 しかし、それにあたり自分の言語力不足が障壁になっているため、その向上に努めたい。

アオザイの画像
アオザイ

日本語教室でカルタ大会の画像
日本語教室でカルタ大会

バイクが多く走っているの画像
バイクが多く走っている