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進藤圭介 工学部 化学・バイオ工学科 4年

派遣先大学:ベトナム国家農業大学
派遣期間:2/21~3/7

1 日本語教室での活動内容
 日本語教室では、ひらがな・カタカナの50音の学習から始め、食べ物や国名などの単語の練習、絵本を読む、自己紹介文の作成、同音異義語や似ている単語の勉強(雨と飴、箸と橋、雪と勇気)などの授業を行った。自分の教えた生徒は、初日にカタカナの50音を教え、似ているカタカナ(シ、ツ、ソ、ンなど)に苦戦していたのだが、次の日にはヒントなしでほぼ書けるようになっていて驚いた。また、持参した現地語の会話帳を用いて、お互いの言語での挨拶や食べ物の単語、数の数え方などを教えあった。ベトナム語は発音が難しく、アだけで発音が6種類あり、その違いを理解できるまでかなり苦戦した。それぞれベトナム語、日本語をうまく発音できたときは褒めあい、お互いに楽しみながら学習できた。
 他にも、かるたやだるまさんがころんだなど、日本の有名な遊びを教え、みんなで遊んだり、逆にベトナムの遊び(目隠し鬼/Bit Mat Bat De)を教えてもらったりした。どの遊びでもベトナム人は真剣で、かるたでは日本人の方が負けている、といった具合で、ベトナム人の熱量の強さを感じた。

2 日本語教室以外での交流活動
 日本語教室がないときは、日向クラブのメンバーとともにベトナムを体験した。
 平日は大学周辺の散歩や、ダーカウ(Da Cau)とよばれるベトナムのスポーツなどをしていた。また、部屋ではベトナムルールでのUNOやトランプ、観光ガイドブックから食べたい物や行きたい所を一緒に探すなどして過ごした。他にもバスで近所のショッピングモールへショッピングや、オーシャンパークへアオザイの写真撮影に行くなどした。
 休日は観光地を案内してもらった。ハノイ旧市街やタンロン遺跡、ホーチミン廟などの歴史的施設を訪れたり、バッチャン村で焼き物体験をしたりした。
 滞在中の交流活動で一番印象に残っていることは、サプライズで誕生日パーティーをしてもらったことである。これまで大勢の人に祝ってもらった経験はなく、本当に嬉しく、忘れられないベトナムでの思い出になった。
 上記に挙げた以外にもたくさんの交流活動を行い、たくさん会話し、たくさん笑い、日向クラブのメンバー、一緒に活動した山大生たちと仲を深めることができた。

3 参加目標への達成度と努力した内容
 私が立てた目標は、現地での生活や交流から、日本と似ている点と異なる点を感じ取ることであった。
 似ている点として第一に感じたのは、食文化である。ベトナムの主食は日本と同じく米、麺が中心であり、ベトナム風チャーハン(コムラン)やお粥(チャオ)、フォーやベトナム風つけ麺(ブンチャー)などがあった。日本と味付けは違うが、おいしい料理がたくさんあった。第二に中国の文化が浸透していることである。肉まん(バインバオ)や揚げた豚肉などの料理や、箸を使う点、どのお店にも招き猫が置いてある点など、至る所から中国文化を感じられた。第三に、日本語とベトナム語に似ている言葉がある点である。例えば、「注意:チューイー」、「結婚:ケッホン」、「同意:ドンイー」といった風に、発音が非常に近い言葉がたくさんあることを教えてもらい、驚いた。
 異なる点として第一に感じたのは、交通事情である。バイクが多く、クラクションも頻繁に鳴っていて、日本では見られない光景であると感じた。バスの運転が荒く、降りている途中でバスが動き始める、といったトラブルや、道路が舗装されていない場所が多い、といった点からも違いを感じた。第二に、距離感である。日本人よりも物理的な距離感が近く、話す時に顔が近かったり、服をつかまれていたり、友達同士でよくじゃれたりしていて、フレンドリーな人が多いと感じた。第三に、金銭感覚である。ユニクロで服を買おうとした際、同伴していたベトナム人に止められたことがあった。ユニクロの商品は日本と同じ金額だったため、ベトナムの人からしたら高級品だったからである。ベトナムは日本に比べ物価が安く、200~300円あればお腹いっぱいご飯を食べることができることを考えると、納得できたと同時に、日本が物価の高い国であることを感じた。

4 プログラムに参加した感想
 私は元々、海外には行きたくないと考える人間であった。言葉が通じない、治安・衛生面など危険がいっぱい、行くだけでお金がかかるなど、マイナスなイメージばかりを持っていたからである。しかし大学に入り、バイト先の先輩から本プログラムの体験を聞き、トラブルすらも楽しそうに話す姿を見て、時間のある大学生のうちに海外に行ってみたいと強く感じるようになった。コロナ禍や就活の関係でなかなか機会を得られなかったが、ラストチャンスで参加することができて本当に良かった。卒論に追われながらの派遣で大変な面もあったが、充実した日々であった。
 一緒にプログラムに参加した山大生のメンバー、日向クラブのメンバー、機会を提供してくださった菅原先生、本プログラムの存在を教えてくれた先輩方、恩師である高畑保之助教並びに研究室のメンバー、快く送り出してくれた両親、その他ご協力いただいた多くの関係者に、心より感謝申し上げます。

5 今回の経験を踏まえた今後の展望
 今回の経験を通してベトナムを知り、相対的に日本のいい所、考えさせられる所を、今までと違う観点から見ることができるようになった。今回できた友達が日本に遊びに来た際、日本の魅力を最大限伝えられるよう、更に日本、山形への理解を深めたい。加えてベトナム以外の国にも行き、まだ知らない世界に飛び込んでいきたい。
 私は今年で大学を卒業し、来年から社会人になる。これまで以上に出会いが広がる一方、辛いときや壁にぶつかる瞬間が来るかもしれない。変化の激しい時代であるが、人と人とのつながりを大切にし、変わることを恐れず、年輪を重ねられる人間でありたい。
 重ね重ねになりますが、お力添えいただいた皆さん、本当にありがとうございました! Cảm ơn!

日本語教室の画像
日本語教室

アオザイの着付け体験の画像
アオザイの着付け体験

ハノイ旧市街での一日の画像
ハノイ旧市街での一日

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誕生日パーティー