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佐々木星夏(人文社会科学部 人文社会科学科 1年)

派遣先大学・派遣期間: ベトナム国家農業大学・9月1日~9月10日

1 日本語教室での活動内容
 9月5日から9日の5日間にわたり日本語教室が開かれた。日本語教室初日は日本語を学ぶことが初めての人が比較的多く参加し、日本の学生とベトナムの学生が1対1または1対2ほどの割合だった。日本語を学ぶことが初めての学生には、まずひらがなから紹介した。私はひらがなの表を印刷して持って行き、実際にそれがひらがなの全体像を知ってもらうために役立ったと感じた。一行ずつ発音、書き方、その文字を使った単語を紹介した。
 ひらがなの発音は口の動きを見せたり、舌の位置を図に書いたり、ローマ字を使ったりして紹介した。ひらがなの発音について紹介した時に学んだことがあった。それは、「さ行」を「sa(さ)、si(し)、su(す)、se(せ)、so(そ)」と発音することを紹介した時に、どうしても「しゃ、しぃ、しゅ、しぇ、しょ」と発音してしまうベトナムの学生がいた。彼女はとても気さくな方だったので、なぜ「さ、し、す、せ、そ」ではなく「しゃ、しぃ、しゅ、しぇ、しょ」になってしまうのかを聞いたところ、ベトナム語では「sa、si、su、se、so」を「しゃ、しぃ、しゅ、しぇ、しょ」と発音することを教えてくれた。彼女はなぜ「sa、si、su、se、so」を日本語で「さ、し、す、せ、そ」と発音するのかをしきりに聞いていたが、それがルールなのだと私は答えることしかできなかった。
 ひらがなの書き方では、まず私が1度書き方を見せてから、自分で書いてもらうとスムーズに書ける方が多かった。

2 日本語教室以外での交流活動
 ほとんどすべての食事をお店に食べに連れて行ってもらった。大学の周りにあるフォーやブンチャ、ブンマォーなど麺が入った料理やバインミーや肉まんなどのテイクアウトできる料理などベトナムの食事を10日間楽しんだ。
 ベトナムの学生が車を手配してくれて、ソンホン川の近くの草原やバッチャン村という陶器が有名な場所に連れて行ってくれた。また、市場に野菜や豆腐、エビなどを買いに行き、ベトナムの学生らが寮で夜ご飯を作ってくれたりもした。市場では、生きている鶏やアヒルがかごに入れられ、水をかけられて震えているのを見た。魚を売る店の前を歩けば生臭い臭いがして、バイクが我々の真横を通り過ぎれば排気ガスと生臭さが混じり合ったあたたかい空気に我々は包まれた。ベトナムの伝統衣装であるアオザイを着させてもらい大学の前で写真を撮った。ハノイの中心部に行った際には、美術館やベトナムで最初にできた大学などを訪れた。ハイランドコーヒーというお店のハスの実ティーがおいしく、ベトナムの学生にまた飲みたいことを伝えたら、バイクの後ろに乗せて連れて行ってくれた。バイクの後ろに乗せてもらうことはスリルがあって本当に楽しかった。
 キエン先生という大学の英語の先生の授業に招待してもらい、7日と9日に英語の授業に参加させていただいた。山形大学の学生1人が5人ほどのベトナムの学生のグループの中に入れさせてもらい、英語で会話をした。彼らは英語を専門的に勉強しているらしく、将来の夢を聞いたところ、英語の先生になりたいという学生が多かった。

3 参加目標への達成度と努力した内容
 日本語教室においては、それぞれのレベルに合わせて臨機応変に日本語を教えることが目標であり、実際の日本語教室ではそれを意識して取り組めたと感じる。初めて日本語を学ぶという学生にはひらがなの発音、書き方の基礎を理解してもらえるようにゆっくり説明し、日本語を学んだことがある人には、文章や単語、挨拶、簡単な漢字などを取り入れながら教えていった。また、生徒と先生のような構図になって日本語を教えるというよりは、フラットな関係で楽しく日本語を学んでほしいと考えていたため、ベトナム語やベトナムの有名な場所、食べ物について教えてもらったり、大学の専門についてお話したりすることを取り入れた。ベトナム語の発音が難しくベトナムの学生に何度も教えてもらった。
 自由時間においては、ベトナムの方々の家や暮らしなどを見てみたいと考えていたが、それは出来なかった。自分から学生に伝えるべきであったが、単独行動をとることに気が引け、気づけば10日間が過ぎていた。 

4 プログラムに参加した感想
 私にとってベトナムに行くことが初めての海外体験であり、ベトナムの学生や、同じ学生大使の方々にたくさん助けていただいた。慣れない食べ物や気候、環境などで体調を崩してしまう学生も多く、ベトナムで10日間を過ごして当たり前と思っていた日本の衛生的な環境や食事をありがたく感じた。
 ベトナムの学生たちは皆優しく、いつも我々のことを気遣ってくれた。ベトナムに行く前は、少人数のグループで自由に活動したいと考えていたが、実際には出かける場所も時間もベトナムの学生にまかせっきりにしてしまい多くの時間を団体行動で過ごした。自分から積極的に出かけたい場所などについての意見を言えば、より楽しい時間になったかもしれないと感じている。
 日向クラブの方々は日本語を話せる方が多くほとんどは日本語でコミュニケーションを取っていた。少々あやふやな日本語でも、日本語で話してくれることがうれしく感じた。私は日本語以外の言語を勉強するとき、間違ったことを言ってしまうことを気にして話さないことがあるのだが、文法的な正しさを気にするあまり会話をすることを躊躇してしまうよりも、たとえ間違っていたとしても積極的に会話をすることの方が楽しい時間を過ごせると感じた。

5 今回の経験を踏まえた今後の展望
 知らない場所に出かけ、新しい経験をしたことが非常に楽しく、海外で活動できる機会がある際には積極的に参加したいと考えている。

みんなでバインミーづくりの画像
みんなでバインミーづくり

ブンチャの画像
ブンチャ

日本語教室の様子の画像
日本語教室の様子

市場の鶏とアヒルの画像
市場の鶏とアヒル