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渡邉悠世 農学部 食料生命環境学科 1年

派遣大学:ベトナム国家農業大学
派遣期間:2022年09月01日~09月13日

1 日本語教室での活動内容
 私たちは9月5日〜9日の5日間、18時30分〜20時の約1時間半授業を行なった。私は毎日2〜4人の現地学生を対応した。私が対応した学生は全員日本語のレベルが高かったため、彼らの希望を聞き、「日本語能力試験N3の問題を解く」グループと「日常生活に使われている物事の漢字を覚える」グループに分け活動した。前者のグループでは、主に日本語能力試験N3の文法問題を解いてもらい分からなかった問題(敬語や助詞、助動詞)の解説をした。「ように」と「ために」の違いなど普段気にせず使っている言葉を説明することはとても難しかった。後者のグループでは、私が日常生活に使われる物事をひらがなで用意し現地学生に漢字に変換してもらった。その他にも、休憩時間にしりとりをしたり、好きなものを共有したりして交流した。同じ時間に別々のことを教えることは苦労したが、写真やイラストの利用、英語でのコミュニケーション、理解の進んでいる生徒がベトナム語で説明してもらうなど対応した。彼らは日本語を意欲的に学ぶため、日本語教室以外でのコミュニケーション、SNSを通じて日本語の質問、手紙を日本語で書いて間違いを指摘して欲しいと頼まれた。私にも彼らのように意欲的に行動することが必要だと感じた。

2 日本語教室以外での交流活動
 今回は派遣期間が祝日と被ったこともあり自由な時間が多かったため、より多くの活動をすることができた。
 私は現地学生に連れられ計3コマ講義に参加した。講義風景は教授がパワーポイントを用いて講義をする形だった。エアコンや冷房はなく天井にファンが設置されていて寒いと感じるほど涼しい空間だった。日本との違いは飲食が可能であることだ。実際に私が講義に参加した時、前の席の現地学生はバインチュンというご飯を食べていた。講義を受けて、ベトナムは日本と関わりが強いことに気付いた。「製品の品質管理」の講義では、トヨタが考案した5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)を勉強し、生徒に配られたプリントに日本語がローマ字で記載されていて驚いた。当たり前だがベトナム語での講義だったため、教授や学生の言っていることは分からなかったが、日本語を話せる学生に教えてもらったり、翻訳機を使ったりして授業内容を理解することができた。
 さらに、英語の授業にも参加した。日本人とベトナム人の発音が違い相手の話していることを聞き取ることが難しかったが文字化することでお互いに理解した。現地学生はアニメと桜への関心が強く写真を見せ説明すると喜んでくれた。日本に興味を持つきっかけがアニメである学生が多く私たちよりアニメに詳しい人もいた。
 観光では、日向クラブのメンバーがハノイセンターとVinhomes Ocean Parkに連れて行ってくれた。ハノイセンターでは、ホアンキエム湖の周りを散策した。私たち以外にも観光客が多く特にフランス人が多かった。これはベトナムがフランス植民地であったことが関係していると考えた。さらに、中国の文化やジャングルのような植物もあり、1つの都市で多くの国の雰囲気を味わうことができた。ベトナムの中心地だったがリスがいて自然も多いことが分かった。私が最終日に行ったVinhomes Ocean Parkはとても綺麗な場所だった。そこは、高級住宅街でもあり人工海やメガモールなど美しい風景が広がっていた。また、建設中の高層マンションが多くあり開発が進んでいると感じた。

3 参加目標への達成度と努力した内容
 私の学生大使派遣プログラムでの目標は2つある。
 1つ目は、積極的なコミュニケーションだ。ベトナムで言語の壁を越えることができたら日本でコミュニケーションに困ることはないのではないかと考え、私はコミュニケーションをとることを意識して生活した。しかし、意識せずとも隣には現地学生がいつもいて互いの文化や言語を教え合った。滞在期間中は寝ている時とシャワーを浴びている時以外コミュニケーションをとっていたため、とても充実していた。
 2つ目は、私の将来の夢を見つけることである。兄弟や友人が夢に向かって一直線に進む姿に憧れを持つ一方、焦りを感じていた。そんな時に私と同じ専門であるベトナム国家農業大学に留学できることは大きなチャンスだった。結果的に具体的な職業を見つけることができなかったが、現地学生や教授と話す機会や現地の山大生の先輩との出会いなど大きな収穫を得ることができた。

4 プログラムに参加した感想
 学生大使派遣プログラムに参加することができて本当によかった。現地学生の意欲的に学ぶ姿やいつでも明るい姿は私たちが見習うべき点である。私は今回のプログラムを通して小さなことでも積極的に学ぶ大切さを知った。マムトムというエビの発酵食品を3口食べ食中毒になったり、新型コロナウイルスに感染し帰国ができなくなったり災難が多くあったが良い思い出である。日本に留学や働きにくる学生も多いと聞いたので再会が楽しみだ。
 一緒にプログラムに参加した山大生の皆さん、日向クラブの皆さん、講義や研究室で出会った皆さん、菅原先生、その他関係者の皆さん本当にありがとうございました。お世話になりました。

5 今回の経験を踏まえた今後の展望
 今回の経験を踏まえ私がしなければいけないと感じたことは2つある。
 1つ目は、英語の能力の向上だ。今回の学生大使派遣プログラムを通して国際共通語である英語の重要性を痛感した。お互いの国の言語は理解していなくても英語を話すことによって意思疎通することが可能な場面が多々あり、日本語もベトナム語も使わず英語でコミュニケーションを行うこともあった。
 2つ目は、色々な環境を体験することだ。日本より治安、交通、衛生環境が整っていないベトナムでの生活は今まで当たり前だった価値観を変えた。そこで色々な国へ行って環境の違いを体験してみたいと強く感じるようになった。また、国内でも色々なバイトに挑戦してみることやしたことのないことなど新たな環境にチャレンジしていきたい。どんなに苦しくても今回の学生大使派遣プログラムでの経験が助けてくれるだろう。

英語クラスの画像
英語クラス

ゲストハウス前での集合写真の画像
ゲストハウス前での集合写真

ベトナム国家農業大学の風景の画像
ベトナム国家農業大学の風景

ハノイセンターの画像
ハノイセンター