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大崎教授の海外駐在記「延辺大学駐在記3(3)」

 5月4日、日曜日に、外国語学院最上階7階の大講義室で、「第3回延辺大学外国語学院日本国情知識コンテスト」がありました。予選を勝ち抜いた20人が準決勝に進み、さらに9人が決勝大会に臨みました。4択問題です。決勝大会の最初の5題を示します。

  • 1894年の日清戦争から1904年の日露戦争にいたる10年間の間に、日本が徹底化するとともに欧米先進国の文化を包囲同化するために取った政策。
  • 日本の自衛隊と防衛庁が発足したのは何時ですか。
  • 「千と千尋の神隠し」「もののけ姫」「風のナウシカ」などの作品を書いた作家名。
  • 「顔が売れる」の解釈にふさわしいのはどれですか。
  • 黒沢明監督が1951年にベネチア映画祭でグランプリを取った作品。

 日本語学科の学生数は、1学年90人で、4クラスあります。入学時に、読み書きの基本はできていますが、会話はまだまだです。3、4年生になると、しっかりとした丁寧な日本語を話します。しかし、10数人いる教師でさえ、日本人の話す日本語と少し違うことは直ぐに分かります。発音や助詞の使い方、時には漢字の読みが間違っています。

 2年前に、山形大学が、学生を日本語チューターとしてベトナムに派遣していることを知って以来、外国語学院副院長の全永男先生は、「延辺大学にも、ぜひ山大生を日本語チューターとして派遣してください」と言い続けてきました。延辺大学には日本の中学高校を定年退職された先生3人が在籍されています。しかし、学生は同世代の日本人と接する機会が極めて稀で、その機会を作り、自然な日本語会話力をつけさせたいそうです。

 山形大学は、今年度から延辺大学に日本語チューターを派遣することを決め、5月5日より10日間、国際交流室の岩崎聡子さんを、現地実情調査のために派遣しました。延辺大学の国際学生寮で暮らし、日本語チューターを行い、延辺大学での学生日本語チューターと全く同じ生活をして、派遣前の山大生の相談に的確に応じる準備をしています。

 私が住む延辺大学のゲストハウスは、地上8階半地下1階で、4階に日中交流「延辺ふれあいの場」という日本語書籍の図書室があります。日本国際交流基金の援助で維持されており、中国に13ある「日中交流ふれあいの場」の1つとして、2008年6月に3番目に開設されました。主な利用者は日本語学科の学生ですが、一般市民に開放されています。日本語学科の金秀東先生が常駐し、ボランティアの学生も交代で詰めています。

 5月6日の午後に、ゲストハウスの玄関で、岩崎聡子さんと偶然に出会いました。彼女は「ふれあいの場」で2人の女子学生と落ち合うために来たそうです。 来訪2日目に、クラスを既に2コマ持ったそうで、これから2人の女子学生と夕食がてら、キャンパスを案内してもらうのだ、と言っていました。

 「チューターが一度に10数人来ても大丈夫です。国際学生寮を開けて待っています」日本語学科主任の言葉です。山形大学が意図する日本語クラスは、初心者の多い全学向け対象ですが、日本語学科の期待が大きく、現在、調整中です。ともかく、中国語と朝鮮語に同時に触れられる、とても興味深い、親日家溢れた世界です。皆さん、来ませんか。

日本国情知識コンテストの画像
日本国情知識コンテスト

日中交流延辺ふれあいの場:右側岩崎聡子さんの画像
日中交流延辺ふれあいの場:右側岩崎聡子さん