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大崎教授の海外駐在記「ガジャマダ大学駐在記2(5)」

 6月8日から始まった週は、前週で後期の講義が終わり、次週から試験が始まるという、期末試験準備のために設定された1週間だと聞いていましたが、日本語クラスの学生を見ていると、なかなか多忙な週でした。

 まだ講義があるからと言って、日本語クラスに途中で出席する学生や、逆に、退席する学生もいました。クラスのモットーは「誰でも何時でも何度でも」なので、熱心な学生は、半端な時間を利用してでもクラスに顔を出します。既に始まった試験もあり、試験後のサマープログラムの準備のために、先生に頼まれて、学外に出かけていく学生もいました。

 クラブ活動も、最後の催しが集中しているようで、12日の夜に、妻はクラス・リーダーのロサさんが出演する民族舞踊を見に行き、舞台化粧のままの彼女が運転するオートバイの後ろに乗って、帰ってきました。

 学生の足はオートバイです。ハノイもオートバイが溢れていましたが、ハノイ農業大学は、学内の寮が充実していたので、日本語クラスの学生がオートバイに乗る姿はあまり見ませんでした。しかし、ガジャマダ大学の多くの学生は学外に住んでいるので、モスレムのスカーフの上からヘルメットを被り、オートバイに乗る女子学生の姿を良く見ます。

 各国の日本語クラスで、打ち上げとして行ってきた「手巻き寿司パーティー」も、予定より3週間早く、後期試験の始まる前の、今週の金曜日に行って欲しい、と要請されました。試験が終わると、ラマダンの1か月の断食期間になるからです。学生たちは、フェイスブックによって、恒例の「手巻き寿司パーティー」の存在を知っていました。

 ただ、学内に適当な調理施設がなく、開くなら3キロ離れた狭い自宅ということになり、日本語クラスの登録数も200人を超えたので、今回は見合わせようかと考えていました。しかし、ここにきて脱落者も多く、踏み留まる者約50人、うち常連約20人、加えて多忙な週なので、参加者数は絞れると踏んで、6月13日にパーティーを行いました。

 参加は25~6人で、全員がオートバイで集まりました。新鮮なマグロとサーモンは、街で最も大きなアンバルクモールで手に入り、他の具材も揃いました。しかし、寿司飯となる短粒のヤポニカ米を持って来るはずの学生が急用で欠席し、彼女が言い残したお店には、長粒のインディカ米しかありませんでした。慌てた学生たちはオートバイで走り回り、電話やインターネットで調べ、ヤポニカ米が手に入ったのは、探し始めて3時間後でした。

 寿司酢を作る際に、学生が塩の量を間違え、日本から持って来た酢がなくなり、酢を買いに行ってもらいました。近くのスーパーにはなく、手に入るまでに1時間以上かかりました。飲料水は19リットルタンクで買うのですが、届けてくれる近くの店が休みで、これも学生が買いに行ってくれました。誰もが気軽にオートバイで出かけていきます。

 途中、2度、祈祷時間になり、男子は一室にドアを閉めて籠もり、お祈りをしていました。女子は必ずしもする必要はないそうですが、別室で祈祷用の衣装を着て、お祈りする姿がありました。調理は寿司米が手に入る前の3時に始まり、追加の買い出しもあり、食べ始めたのが6時頃で、9時を過ぎて散会となりました。酒もないのに賑やかな会でした。

バイクに乗る日本語クラスの女子学生の画像
バイクに乗る日本語クラスの女子学生

手巻き寿司パーティー後の誕生会の画像
手巻き寿司パーティー後の誕生会