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大崎教授の海外駐在記「ケニア駐在記(3)」

 JKUATの朝は鳥たちの喧騒で始まります。「ギャーギャー」「ピッピ」「コロコロ」「チッチ」。白鳥ほどもある大きな白い鳥から、スズメよりも小さな赤い鳥まで、様々な色と大きさの鳥が鳴き始め、飛び回ります。最も目につくのはハタオリドリで、アカシアの枝にヤシの実ほどの大きさの茶色の巣を10個20個とぶら下げています。これはハタオリドリのハーレムで、巣を守る黒く地味なメスを、1匹の青い光沢色に輝くオスが支配しています。熱帯の艶やかな色彩の鳥は一夫多妻のオスで、メスは日本の一夫一妻のスズメやカラス同様に地味な色彩です。

 山形大学サテライト・オフィスが提供する日本語クラスは2週目を終え、受講生も66人に増えました。熱心な学生は漢字交じりで複雑な文章を書いては周囲と笑い転げています。「あなたは私の心の花だ」「私と結婚してください」水曜日には日本語が堪能なジョアンさんが参加し、急遽、チューターをお願いしました。御主人はJKUATの電気工学部の先生で、3月に2年半の岡山大学留学を終えて御夫妻で帰国したそうです。

 テレビをつけると、韓流ドラマ、Kポップ、韓国家電製品のコマーシャルが目に入ってきます。今年の6月からソウルとナイロビを結ぶ直行便も飛び始めました。テレビでは中国ドラマも流れています。街に出ると、中国の建設した高速道路や橋があり、中国人経営の中華料理店が沢山あります。ナイロビ大学には孔子学院という中国語学部が寄贈されたそうです。しかし、日本はというと、テレビではまだ私はその形跡に気づいていません。ナイロビには日本料理店が4軒あるそうですが、経営者は韓国人という話です。ただ、日本製の中古車だけは街に溢れています。

 このような状況の中で、JKUATに山形大学を、あるいは日本を売り込みたい、と始めた日本語クラスですが、受講生たちは、既に私たちの帰国後のことを気にし始めています。日本語クラスを継続できる妙手はないのか。ジョアンさんの参加は、ほのかな光明に見えます。ベトナムのハノイ農業大学では、8月から山形大学の学生が2週間~1ヶ月間交代で日本語クラスのチューターとして出かけ、受講生も70名を超えました。来年の3月末までの登録チューターの数は20名です。旅費は4万円を上限に山形大学が支援し、ハノイ農業大学が留学生寄宿舎を無料で提供しています。異文化交流を体験し幾皮もむけたチューター達の自信に満ちた声が、この制度に弾みを与えています。

 JKUATでも、山形大学の学生による日本語クラスの維持を期待したいです。日本からナイロビに来る航空路線は4通りありますが、アブダビ経由ならば往復6万5000円~、ソウル経由では10万円~、の格安航空券の宣伝があります。ハノイ農業大学と同じ条件ならば、幾ばくかの旅費プラスと食費で、ケニアでの生活を満喫できます。学生の皆さん。どうですか、来ませんか。3カ月間有効のビザが、ナイロビ空港では50ドルで手に入りますよ。

ハタオリドリのハーレム の画像
ハタオリドリのハーレム 

ジョアンさんの画像
ジョアンさん