山形大学2020年度アニュアルレポート
SDGs01_04

TOPICS 01

新型コロナウイルス感染症への対応

-学びの継続を実現するための支援-

 今もなお、世界的に猛威を振るい続ける新型コロナウイルス感染症。
 そのような中で、⼭形⼤学では、「誰ひとり取り残さない」を念頭に、新型コロナウイルス感染症における⼭形⼤学の活動指針を定め、感染拡⼤状況に応じて活動制限レベルを変更し、学⽣や教職員への対応⽅針を決定してきました。
 また、新型コロナウイルスに対する各種対策を⾏うために、全学としてコロナウイルス対策経費として約3億円を確保し、体温計、アルコール消毒液、パーテーションの購⼊等感染対策の経費に充当し、学⽣・教職員のみならず、来学される⽅や附属病院の患者さんの安全確保に取り組みました。
 あわせて、学⽣の学びの継続を実現するために、令和2年度に以下の取組を⾏いました。

教育⽀援

感染拡⼤防⽌のため、前期授業や後期の1⽉以降の授業の⼤部分をオンラインで実施しました。オンライン授業については、ウェブクラス(LMS※)を活⽤したオンデマンド型や、ZoomやWebexを使⽤したリアルタイム配信型の授業、さらに、YouTubeを利⽤し動画を配信して授業を⾏いました。後期に実施した⾯接授業についても、教室定員を半分程度の試験定員で実施し、受講者の多い授業ではオンライン授業とする等、オンライン授業と⾯接授業の併⽤で運⽤しました。なお、通信環境等が⼗分でない学⽣に対しては、各キャンパスで⼤学のパソコンも利⽤できる学習スペースの開放を⾏い、誰もが快適に授業を受けられる環境整備に取り組みました。

※LMS(Learning Management System)・・・eラーニングなどで、学習者の成績や学習教材などを統合的に管理するための学習管理システム。⼭形⼤学では、LMSとして「ウェブクラス」を利⽤している。ウェブクラスは、インターネットを利⽤して、資料の提⽰、テストの実⾏、レポートの提出や成績データの集計が⾏えるシステムあり、教員と学⽣間のコミュニケーションツールとしても利⽤することができる。

感染対策の一環として、一部の講義室の座席に二次元コードの貼付を実施しました。学生は、講義受講の際に着席した座席の二次元コードをスマートフォンで撮影して着席記録を行います。学生の位置情報を大学が一元的に管理することで、令和3年度からは感染者及び濃厚接触者となった場合において、行動履歴の追跡等迅速な対応が可能となりました。

感染対策の⼀環:講義室の座席に⼆次元コード

コロナ禍の影響によりインターンシップが中⽌となってしまいましたが、本学では完全リモートでのオンラインによるインターンシップを試⾏的に実施しました。県内中⼩企業団体と連携し、参加学⽣は座学、テレワーク、リモート会議への参加等のプログラムに取り組みました。今回の成果や事後調査の結果も踏まえ、今後の活動に活かしていきます。

令和2年度オープンキャンパスについては、新型コロナウイルス感染症の影響により、対⾯での開催を中⽌せざるを得ませんでした。しかし、各キャンパスにおいて、オンラインで「バーチャルオープンキャンパス」を開催し、学部説明動画等のオンデマンド配信や模擬講義、研究室紹介、相談会等のライブ配信を⾏いました。なお、全学としても「⼭形⼤学バーチャルオープンキャンパスサイト」をより充実させ、常時、学部説明動画等を配信したほか、⼊試対策講座の開設及びオンライン個別相談、メールでの相談も受け付けました。

感染対策の⼀環:バーチャルオープンキャンパス
バーチャルオープンキャンパスのポスター

経済⽀援

学⽣⽀援事業として、以下の取組を⾏いました。

⽂部科学省による「学びの継続」のための『学⽣⽀援緊急給付⾦』として、1,861⼈の学⽣に10万円を給付。(本学学⽣全体の21.6%に該当)

上記給付⾦の⽀援を受ける学⽣を対象に、オンライン授業の環境整備の⽀援として、⼭形県から⽀援⾦4万円を給付。

本学独⾃の学⽣⽀援奨学⾦として、⼭形⼤学基⾦から、235⼈に対し⼀⼈当たり10万円の貸与を実施。本貸与奨学⾦は、経済的な事情により返済が困難な学⽣の場合は返済を免除することとしています。

感染対策の⼀環:バーチャルオープンキャンパス
学⽣⽣活⽀援給付⾦のお渡し

⼭形⼤学基⾦と⽇本学⽣⽀援機構新型コロナウイルス感染症対策助成⾦の活⽤により、学⽣⽣活⽀援給付⾦として⼤学⽣協の電⼦マネー3,000円分を3,674⼈に給付。(本学全学⽣数の42.6%に該当)

授業料納付困難学⽣への修学⽀援として、令和2年度前期・後期授業料において、本学による授業料免除が適⽤とならなかった学⽣の内、学⼒及び家計の状況が⼀定の基準内の者に対し、⼭形⼤学基⾦を原資として修学⽀援⾦を給付。(前期は164⼈、14,466千円、後期は118⼈、8,705千円)