山形大学2020年度アニュアルレポート
SDGs04

TOPICS 03

大学院の新機軸

-分野融合・連携を核とした教育研究の実践に向けて-

大学院修士課程・博士前期課程における教育改革

共通カリキュラムの導入

 豊かな人間力の涵養と知の総合的な推進力の育成を目指して、令和3年4月から、大学院修士課程・博士前期課程に共通カリキュラムを導入することとしました。

基盤教育科目

(必修2単位)
本学の使命である「地域創生」「次世代形成」「多文化共生」に沿った「地域創生・次世代形成・多文化共生論」を全学必修科目として開講します。本授業科目では、研究科の枠を超えた共通のテキストを作成し、「地域創生」「次世代形成」「多文化共生」の3テーマについての講演・グループワークに参加することで、領域横断・異分野連携型の学修を深め、俯瞰的視野の育成を目指します。

基礎専門科目

(選択必修2単位)
文理(分野)に関わらず知の基盤となる授業科目や各研究科の授業科目で他研究科の学生にも有意義となる授業科目の計12科目を開講し、複眼的視野の育成を目指します。
共通カリキュラムの導入
共通カリキュラムの導入

新たな研究科・専攻の設置

平成29年度に行った学部改組と連動した大学院の教育体制を新たに構築するとともに、多様化、複雑化する現代社会の抱える課題に対応できる人材育成を実現するため、令和3年4月に以下の大学院修士課程及び博士前期課程の改組を行うこととしました。

社会文化創造研究科の設置

(社会文化システム研究科と地域教育文化研究科を1研究科に再編)

社会文化システム研究科と地域教育文化研究科を再編し、「社会文化システムコース」「臨床心理学コース」「芸術・スポーツ科学コース」からなる社会文化創造研究科を設置しました。他分野教員を含む複数の指導教員による充実した研究指導を行い広く社会で活躍できるよう俯瞰的視野・複眼的視野育成を目指した体系的なカリキュラムを提供することが特徴です。

社会文化創造研究科の設置

理工学研究科の専攻の設置

(理工学研究科工学系7専攻を4専攻に再編)

平成29年度に改組した工学部と理工学研究科(博士前期課程)の接続性を向上させるため、新たに「建築・デザイン・マネジメント専攻」「化学・バイオ工学専攻」「情報・エレクトロニクス専攻」の3専攻を設置することにより、従来の工学系7専攻を4専攻に再編しました。特に、建築・デザイン分野に、地域社会の連携や工学技術の管理手法などを専門とするマネジメント分野を加えた専攻を設置したことが特徴です。

理工学研究科の専攻の設置

農学研究科の専攻の設置

(農学研究科3専攻を1専攻に再編)

従来の生物生産学専攻、生物資源学専攻、生物環境学専攻の3専攻を農学専攻1専攻に再編しました。複数の分野にまたがる学際的教育・研究を推進するとともに、グローバル指向の学生に対応したカリキュラムを整備したことが特徴です。

農学研究科の専攻の設置

博士後期課程学生への支援

 山形大学では、令和3年度から開始する文部科学省の「科学技術イノベーション創出に向けた大学フェローシップ創出事業」に採択されました。本事業は、今後の科学技術を支える若手研究者を育成する目的で設立され、主に、研究力向上・キャリアパス支援に関する取組と、博士後期課程修了後のポストの確保・接続のための取組を行うものです。
 具体的に、山形大学では新たな教育プログラムとして、「ソフトマターイノベーション博士人材育成プログラム」を設立します。ソフトマテリアルをはじめとする材料とその関連分野の卓越した研究を行い、モビリティ/ロボット/情報/医薬・医用工学等に革新をもたらす高度博士人材を育成するため、フェローシップを支給(研究専念支援金及び研究費)することにより、博士後期課程学生の研究力向上とキャリアパスの実現のための支援を行っていきます。