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大崎教授の海外駐在記「ガジャマダ大学駐在記2(1)」

 5月15日~7月7日の日程でガジャマダ大学(University of Gadjah Mada, UGM:ウゲム)に駐在しています。ジャカルタ空港に着いたのは12日で、通常は、そこで飛行機を乗り継ぎ、UGMのあるジョクジャカルタに向かいますが、近郊のボゴール農科大学(Institut Pertanian Bogor, IPB)のゲスト・ハウスに2泊しました。携行した犬に、ジャカルタで2泊3日の検疫繋留が必要だったからです。複雑怪奇な犬の入国手続きは、京大出身のIPBのサントソ先生に頼み、IPBには講演会を頼まれました。約100人が集まってくれました。

 15日の午前5時にレンタカーでボゴールを立ち、UGM構内の大学クラブ・ホテルに着いたのは、17時間後の午後10時過ぎでした。レンタカーを用いたのは、犬の移送手続きが最も容易だったからです。イスラム教では犬は悪魔の使いとされており、移送、飼育が困難を極めます(詳しくは、駐在記1-4を参照)。

 UGMは、犬の飼育に最も容易な宿舎を検討した結果、大学から2㎞ほど離れた、農学部の若手講師用の空き家が良いのではないか、として、17日に、農学部国際交流担当のアチマダィ教授が、候補の宿舎に案内してくれました。彼は岐阜大で博士学位を取得しています。宿舎はコンクリート造り平屋の3軒長屋の真ん中で、塀に囲われた80㎡ほどの裏庭がありました。部屋は長く使っていなかったようで、家族部屋5室、隔離された女中部屋2室、大きなガレージ、どれをみても、暗い白熱電球がぶら下がり、汚れた廃墟のように見えました。バスタブは勿論なく、シャワーもありません。しばし、たじろぎました。

 しかし、私達より先に、宿舎には日本語クラスの学生や、昨年、山形のサマープログラムに行った学生が来ていて、私の同意と同時に、屋内の壁を塗り替えると言います。必要な家具類もすぐに用意する、という声に押されて同意しました。

 翌18日、アチマダィ教授は奥様と私達をホテルに迎えに来られました。ホテルを引き上げ、後悔に似た暗い気持ちで宿舎に来てみると、壁は明るいマリーンブルーに塗り替えられ、室内外のライトはLEDに変えられ、学生達が台所に壁紙を張っているところでした。

 私たちが着いた直後にやってきたのは、井戸職人達でした。水を汲み上げる電動モーターが故障していたそうで、井戸の底近く8mほどの所に降りて行ったり、給水塔に登ったりしていました。その間、アチマダィ教授夫妻は買い物に行き、冷蔵庫、ガスコンロ、ガスボンベ、扇風機2台、絨毯4枚、マットレス2個、飲料水タンクと温水もでる簡易水道装置、食器類を次々と買って来ました。なお、家賃は勿論有料・外国人価格です。

 町内会長の、農学部のマクルフ先生が、ゴミ収集代と町内の警備費の説明にやってきました。ゴミは毎日収集されて月約250円、町内会で警備員を雇っているそうで、その分担金は月約500円でした。マクルフ先生は、京大で博士学位を取得したそうです。右隣家のドディ先生の奥様は、女中さんを寄越して、約120㎡の前庭の雑草を抜いてくれました。

 通勤には、近くに住むアチマダィ教授が送迎してくれると言って下さいます。彼の都合がつかない時は、左隣家のマシー先生が送迎してくれると言って下さいました。しかし、私は、初乗り2㎞まで約200円のタクシーでの通勤を考えています。

冷蔵庫を設置するアチマディ教授の画像
冷蔵庫を設置するアチマディ教授

井戸職人達の画像
井戸職人達