INTEGRATED REPORT 2022 山形大学 統合報告書2022

地域とつながる山形大学 #1

県内企業の紹介動画を企画する「よしよしむらやま」メンバー

Students学生たちの取り組み

地域との信頼関係を育み地域の課題解決に挑戦する学生たち

 山形大学では、長い歴史と山形県に広がる分散キャンパスといった特徴から、学生が自主的に意欲を持って地域と共に活動する校風が育まれてきました。

 山形県村山総合支庁からの委託事業として、村山地域の企業の魅力を発信しているのが「働いてよし&暮らしてよし むらやまの企業」(よしよしむらやま)の活動です。就職を機に学生が県外に流出するという課題に対し、本学の学生が県内企業の若手社員を取材し、その仕事や暮らしを紹介する記事を作成。SNSやウェブサイトで発信しています。これまでに2020年度は20社・118本、2021年度は25社・149本の記事を作成・発信し、のべ4万5千人以上に届けました。情報の受け手だけではなく、取材を行う学生自身が具体的な山形での就職や暮らしをイメージする機会となり、卒業生の県内定着率増加の一翼を担っています。今年度からは学生がプロの動画編集クリエイターから指導を受け動画の制作も行うなど、活動の幅を広げています。

 また、山形県最上地域を中心にボランティア活動を展開する学生サークル「Team道草」は、学生の「夢・興味」と 地域の「想い・資源」をつなげ、両者の可能性の実現と地域の活性化を目指し活動しています。

金山町で農作業をする「Team道草」メンバー

新庄市のイベント「キトキトマルシェ」で運営をサポートする
「Team道草」のメンバー

『フリーペーパーY-ai!』を手に記念撮影をする
「山形大学フリーペーパーサークルY-ai!」のメンバー

学生が山形の魅力を掘り下げ発信する『フリーペーパーY-ai!』

 学生の自発的なアイデアや気付きを原動力に、地域イベントの運営サポート、小中学生への学習指導、地域連携イベントの企画運営など、さまざまな活動に積極的に携わり、地域との信頼関係を育んでいます。学生にとっては、最上地域をはじめとする山形県の魅力を感じながら、サークルという学業以外の自由度の高い場において地域の課題解決に取り組める好機として、また、人との関わりからコミュニケーション能力を獲得し広い視野を身に着ける貴重な機会になっています。

 一方で、本学を拠点に情報発信を行っているのが「フリーペーパーサークル“Y-ai!(ヤイ)”」です。この団体は、学生が独自の視点で掘り下げた山形の魅力を、フリーペーパーとしてまとめ年2回発行しています。活動の大きな特徴は、資金集め・企画・取材・撮影・編集など、その制作工程を学生のみで行っている点です。2022年3月にはその編集力と発信力が高く評価され、山形県の発行誌や民間団体のホームページ作成に携わるなど、地域と連携した活動を展開しています。山形の魅力に多くの人が気付き、山形を好きになる人を増やすべく、学生ならではのフレッシュな感性で地域の魅力を発信する“Y-ai!”。年を追うごとにその存在価値を高め、学生や地域からますます注目される活動として成長しています。

 このような地域の課題に挑戦する多様な機会により、学生たちの果敢に挑戦する心が育まれる山形大学。学生が自分の個性をもとに新たな可能性を発見し、より高い目標へと挑戦する心が育っています。