INTEGRATED REPORT 2022 山形大学 統合報告書2022

T O P I C S小白川キャンパス

小白川キャンパス創設100年
~旧制山形高等学校から山形大学への歩み~

本学は1949年に文理学部・教育学部・工学部・農学部からなる総合大学として成立しました。文理学部は山形高等学校、教育学部は山形師範学校・山形青年師範学校、工学部は米沢工業専門学校、農学部は山形県立農林専門学校という、それ以前に成立していた学校を源流とするものでした。本学の前身のひとつである山形高等学校は1920年に創設され、校舎は1921年に完成しました。これが現在の小白川キャンパスの原型です。そして、2020年は本学の同窓会のひとつであるふすま同窓会設立100年、2021年は小白川キャンパス創設100年の記念の年でした。小白川キャンパス創設100年を記念して山形大学附属博物館では特別展を開催する予定でしたが、新型コロナウイルス感染予防のため、開催は見送られました。その代わりに図録(電子ブック)と博物館実習生が制作したオンラインコンテンツを公開しています。

オンラインコンテンツには以下の見どころがあります。以下のURLよりご覧ください。

・ふすま同窓会所蔵資料などを活用した、最新の研究成果が盛り込まれています。この一冊で旧制山形高等学校からの本学の歩みがわかります。
(執筆:人文社会科学部 小幡圭祐准教授)

・2021年度博物館実習の受講生が工夫を凝らしたコンテンツを制作しました。小白川キャンパスの移り変わりや昔の学生が何を食べていたのか?など、さまざまな切り口で旧制山形高等学校と本学の歴史に迫ります。

◯小白川キャンパスの100年
http://museum.yamagata-u.ac.jp/online-exhibitions/fusuma/


「なか東北連携」地域日本語教育専門人材養成協定
~日本語教育専門人材の養成を推進します~

山形県には日本語学校がなく日本語教師も少なく、専門人材を継続的に養成し派遣する体制もありません。これまで、外国出身住民の日本語学習支援はボランティアが担ってきましたが、その高齢化は全国的な問題で、学習支援の継続性も不透明です。一方、技能実習生をはじめとする外国人労働者の増加により、教育の質保証が担保できる専門人材の養成が急務となっています。そこで、山形大学学士課程基盤教育機構、山形市国際交流協会、特定非営利活動法人ヤマガタヤポニカ、岩手大学国際教育センター、公益財団法人岩手県国際交流協会、国際教養大学専門職大学院グローバル・コミュニケーション実践研究科、公益財団法人秋田県国際交流協会の7者は、専門人材の養成を通して地域日本語教育の充実と体制整備に資することを目的として連携協定を締結しました。
2022年度「なか東北」連携による養成講座(オンライン講座・対面による教育実習)の受講者募集を開始したところ、3県で定員30名に対して71名の応募があり関心の高さがうかがえます。講座修了者は、各地域の日本語教育体制に取り込む予定です。このようにして、日本語教育専門人材を継続的に養成し、ネットワークを充実させ、「質の保証を伴う日本語教育」体制を構築するとともに、地域日本語教育の必要性、専門性に対する社会的認知度を高めていきます。


七日町商店街青年会トートバッグを山形大学学生がデザイン
~七日町のイメージをデザインへ~

地域教育文化学部地域教育文化学科文化創生コースの美術系研究室に所属する3年生9名が、七日町商店街青年会(山形市)の設立60周年記念トートバッグをデザインしました。同会が「新型コロナウイルスの影響で、通常の学生生活を過ごせない学生達のモチベーションアップにつながれば」と考え、文化創生コースで美術やデザインを学ぶ学生達に依頼しました。学生達は依頼を受けた後、合計20点のデザイン案を作成。同会と打ち合わせを重ね、七日町をイメージした街並みのイラストに「七」の文字が浮かび上がるデザインになりました。こちらのトートバックはサスティナブル(持続可能な)を切り口とした、環境への負荷が少ないオーガニックコットン素材を使用しています。サイズはMサイズとSサイズの2種類があります。新旧が融合した七日町の建物の配置で「七」の文字が浮かび上がるようなデザインで、同会メンバーをイメージした若者が街の案内をしたり、街歩きを楽しんだりしている様子も描かれています。