INTEGRATED REPORT 2022 山形大学 統合報告書2022

地域とつながる山形大学 #04

整備改修された小白川キャンパスの陸上競技場(グラウンド)

Social Co-creation社会共創の取り組み

地域に開かれた大学を目指し、小白川キャンパスを共創拠点化

 山形大学は「コモンズ」でつながる地域の人々・組織と共に、幸福社会の活力となる多様な人材と地域に根ざした新たな価値を創出し「頼れる知のパートナー」として、地域の持続的発展を支える社会基盤を目指しています。2021年には、小白川キャンパス全体のイノベーション・コモンズ(共創拠点)化の第一歩として「山形大学健康と学びのサポートセンター(CWB)」を設置しました。Center for Wellbeingの略称であるCWBでは、2022年春にリニューアルした新グラウンドをはじめ、小白川キャンパス内のさまざまな施設の有効利用を念頭に、健康をキーワードとして体・心・知の健康や豊かさを含めた市民サービスを構築しています。

 新グラウンド完成記念イベント「Innovation Commons Opening Ceremony & Event -大学で健康と学び-」では、関係者のほかに地域の方々をお招きし、イノベーション・コモンズのビジョンを共有し、その幕開けを共に祝いました。オープニングイベントでは全天候型に生まれ変わった新グラウンドでのスポーツ体験や、文化ホールや博物館など、さまざまな大学施設内を巡るスタンプラリーなども行い、地域のみなさんが本学の施設に親しみ、大学を身近な存在として感じていただく機会を創出しました。特に文化ホールでの「新グラウンドお披露目コンサート」は大盛況を博しました。

新グラウンドのオープニングを祝したテープカット

オープニングイベントでは、新グランドでさまざまスポーツ体験を実施

「JRFU放課後ラグビープログラム」に参加した小学生たち

新グラウンドで練習したリレーチームの活躍

 CWBでは単なるイベント実施ではなく、大学の知という付加価値をつけた上でさまざまな取り組みを行っています。これまでには、パラトライアスロンの国内強化指定選手の練習場や「JRFU*放課後ラグビープログラム」の実施会場として活用されたほか、主催企画として小学生向けの陸上教室、心の健康をテーマにした高校生向けの心理学セミナー、発達心理学研究者による乳幼児と保護者向けの親子イベントなども実施しました。

 今後もさまざまな団体等と連携を図り、充実したスポーツに関するさまざまな取り組みを進めるほか、体・心の健康、さらには文化的な教養を深め心を豊かにする企画など、多彩で奥行きのあるイベントやセミナーを企画・実施していきます。

 山形大学では、この小白川キャンパスの新グランドオープンを皮切りに地域との関係性をより深め、多様な人々が集い、安心安全な環境でのびやかに活動する「コモンズ」として、キャンパスのサービス機能を拡張し、さまざまなパートナーと共に地域の活性化に貢献していきます。そして地域に開かれた大学の役割がますます重要になる現在、持続可能な地域社会の実現を目指し、地球的な視野で、地域社会との対話と協働を図るとともに、地域の持つ資源や特性に応じた持続可能な地域社会のモデルを構築していきます。
*JRFU=日本ラグビーフットボール協会