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山形大学将来ビジョンの改訂にあたって

山形大学の歴史は、明治11年(1878年)に開校した山形県師範学校まで遡ります。当時は、日本が明治維新を経て近代国家の建設へと歩み始めた時代でした。その後、明治から昭和にかけて山形県内で設置された5つの高等教育機関を母体として、山形大学は、日本が第二次世界大戦の惨禍から復興を始めた昭和24年(1949年)に開学しました。山形大学とその母体となった教育機関はいずれも、社会の大きな転換期に創設され、不断の変革を通じて新たな未来を切り拓いてきました。

このような歴史を背景に、山形大学は開学以来、常に大学の進むべき方向性を自らに問い直しながら、社会の期待に応えるべく教育・研究・社会貢献に取り組んできました。現在、私たちの社会は、産業構造や自然環境の急激な変化に加え、AIをはじめとする先端技術の飛躍的な進展により、これまでにない速度で変容する予測困難な時代を迎えています。人と知の在り方やつながりのかたちも、大きく変わりつつあります。
しかし、このように将来が見通しにくい時代であるからこそ、大学は社会とともに新たな可能性を見出し、明るい未来への道のりをひらいていかなければなりません。「山形大学将来ビジョン」は、本学が掲げる「地域創生」「次世代形成」「多文化共生」という3つの使命を果たすために、地域社会と共に歩み、未来を共に創っていく大学の在り方を示すものです。

山形大学将来ビジョンのキーワードは、“つなぐちから、ひらくみらい”です。
明るい未来を切り拓くためには、分断や境界を越え、人と人、そして異なる知と経験を結びつけていく力が不可欠です。多様な価値観や専門性が交わることで、新たな知と価値が生まれ、それが社会の新しい可能性をひらいていきます。
山形大学は、社会の紐帯として多様な主体をつなぐ“コモンズ”として、そのつながりの中から新しい未来を切り拓いていく大学を目指します。

学生の皆さんには、自ら学び、問い、身体と感性を通して世界を捉え直し、新たな価値を創造することを期待しています。豊かな地域文化と雄大な自然に恵まれた山形だからこそ、自分らしさを大切にし、これからの生き方をじっくりと追求してください。その上で、キャンパスライフを通じてさまざまなことに挑戦し、自らの可能性を大きく広げることを願っています。

本ビジョンでは、「山形・南東北のサステナブルな未来を、ともに創る」を副題に掲げました。持続可能な社会の実現には、分野や立場の違いを越えて多様な知と経験を結びつけ、課題そのものを問い直しながら新たな価値を創出していくことが不可欠です。
山形大学は、学問分野の枠を越え、地域や社会と連携しながら教育と研究を展開し、複雑化する課題に対して協働して取り組む環境を育みます。こうした実践を通じて、社会とともに知を生み出し、未来を切り拓く大学としての役割を担い続けていきます。
人口減少社会の先にある持続可能な社会の姿を見据え、本学はこれからも地域に根ざした知の拠点として、山形・南東北の未来を地域の人々とともに考え、ともに創り続けていきます。

山形大学長 出口毅