ホーム > 大学紹介 > 学長室だより > 令和6年9月卒業者・修了者向け学長メッセージ
このたび、卒業、修了を迎え学位を授与された皆さん、卒業ならびに修了、誠におめでとうございます。すべての卒業生・修了生の皆さんに、心よりお祝いを申し上げます。
皆さんの多くは、新型コロナウイルスの影響で社会が大きく動揺するなかで、これまでの学生とは全く異なる体験をしながら、山形大学で勉学に励みました。特に博士前期課程を修了される皆さんは、学部時代はオンライン授業を強いられ、大学院に入って対面に切り替わり、2年間という短い期間で成果を出すその努力は並大抵ではなかったと思います。また、博士後期課程を修了される皆さんは、新型コロナウイルスの影響で、論文投稿や国際学会発表も従来通りのスケジュールで進められず、修了要件を満たすためにどのような計画を組むか難儀したことと思います。そのような中でも、皆さんは自分なりに成果を出すために試行錯誤し、自らの研究を極め、本日学位を手にすることができましたことに、心から敬意を表します。そして、皆さんが山形大学を学び舎として選び、見事に目的を達成されたことを、学長として大変うれしく思います。大学が授与する学位記は、皆さんがそれぞれの専門分野において一定の知識や能力、研究業績を修められたことを証明するものであります。そのことにぜひ自信をもって、次の一歩を歩んでいただきたいと思います。
さて、皆さんは本日を新たな出発点として、新たな人生のステージに進まれます。これからは、学生時代のように自分の時間を確保することが難しくなると思います。そして、全てが速く進む社会において、時には、短い時間のうちに結果を求められ、悩むことがあるかもしれません。その時は、ぜひ本日手にした学位を取得するために、どのような方法で結果を出してきたかを思い出してみてください。たとえ置かれている状況は違っても、その方法は社会でも通用するかもしれません。大学はもちろん専門を極めるところですが、その専門を極めるために皆さんは、様々な手法を身に着けたと思います。早く結果を出そうと焦らず、一歩下がって違った視点から大学で学んだあらゆる手法を試してみて下さい。きっといい結果が出ることと思います。それでも社会では、時間が優先され、期限内に解決にこぎつけられないこともあるかもしれません。その時は一人で抱え込まず、是非この山形大学を訪ねてください。私をはじめ、研究室の先生や仲間は皆さんと一緒に親身になって考え、きっと的確なアドバイスをしてくれると思います。いつまでも本学は皆さんの味方です。
最後に、私から卒業・修了する皆さんにひとつお願いがあります。それは、本日皆さんが学位記を手にできたのは、皆さんの努力だけではなく、たくさんの方の支えがあったからという感謝の気持をいつまでも持ち続けてほしいということです。卒業・修了を目指してお互いに頑張ってきた友人や、皆さんを陰ながら支えてくださったご家族をはじめ、皆さんは他の方との繋がりによる支えで本日卒業・修了を迎えることができました。その繋がりの中で生まれる感謝の気持ちをこれからも持ち続けていただきたいと思います。
また、コロナ禍やウクライナでの戦争などで、経済状況が厳しくなるなかで、各同窓会やOB・OGの皆様、そして地域の皆様からは、皆さんの学業支援に向け多大な寄付が寄せられました。このように多くの皆様に支えられて学生生活を送ったことを、心に深くとどめていただくようにお願いします。
これから世の中は予測不可能な時代に突入し、世の中が変わるスピードは、これまで以上に早くなると思います。その影響により、我々にはびこる課題は山積すると思います。そのような中でも、本日、卒業・修了を迎える皆さんは、本学で学んだたくさんの知識を活かして、各種課題に果敢に挑戦し、解決してくれることを心から願っております。皆さんの人生の新たなステージへの出発を心からお祝い申し上げ、私からのメッセージといたします。本日は誠におめでとうございます。
令和6年9月20日 山形大学長 玉手英利