ホーム > 大学紹介 > 学長室だより > 平成30年度卒業生に対する告辞

平成30年度(2018年度) 卒業生に対する告辞

 本日、学位記を授与されたみなさん、修了ならびに卒業、おめでとうございます。
 また、ご列席のご家族のみなさん、今日のこの佳き日を迎えられましたこと、心からお祝い申し上げます。

 修了生、卒業生のみなさんは、平成とともに過ごしてきました。そして、みなさんの卒業に続いて、新しい元号で新しい時代が始まろうとしています。

 平成が始まった30年前は、アメリカとソ連の冷戦が終わる頃でした。ベルリンの壁が崩壊し、世界平和がやってくると人々が期待した時代の幕開けでした。
 一方、国内ではバブル景気がピークを迎えていました。その後、バブルが崩壊し、世の中を不景気が包み込みました。いわゆるデフレーションのはじまりです。我々のマインドには、今でもデフレーションが色濃く残っています。また多くの災害にも見舞われ、平成23年には、東日本大震災がありました。東北地方の未曾有の被害に、我々は深い悲しみを抱き、絶望的な気持ちにもなりました。それだけでなく、少子高齢化社会の認識が人々に広く浸透し、将来への社会不安が増した時代でもありました。 みなさんは、先行きを見通すことが難しい、そういう時代に学生生活を過ごしました。みなさん一人ひとりの価値観が多様化しているのは、このような時代背景も影響しています。

 これからの新しい時代は、インターネットや人工知能、ロボットなどの科学技術の普及がさらに急速に進むとともに、社会のあり方も大きく変わるでしょう。仕事も日常生活も今までよりさらに速い速度で変化していきます。同時に人々の価値感もどんどん変わっていくでしょう。
 そういう変化の時代をみなさんが切り拓いて行くのです。自分を信じて、自信を持って、自分の価値感で新しい素晴らしい社会づくりに貢献して下さい。

 みなさんは、山形大学において、自ら学び、そして学び続ける手法を身につけました。基盤教育では、教員や仲間との接点を通して、自分をより深く理解すると共に、人間とは何か、生きるとはどういうことか、など多くの疑問と思索を積み重ねてきたと思います。専門教育ではそれぞれの分野の専門知識を身につけ、発想方法、課題の見つけ方、課題解決へのアプローチの仕方を学び、研究成果のまとめと発表を経験しました。さらに、教室や研究室以外でも、多くの仲間とかけがえのない時間を過ごしてきたことと思います。
 それらの全てが、みなさんの財産となって身についています。大変貴重なことであり、これからの新しい時代を切り拓くのに必要不可欠な大切な能力です。大いに自信を持って下さい。

 みなさんの門出に際して、私から2つの言葉を贈ります。一つは、「変化をリードする」、そしてもう一つは「人間としての尊厳を持ち続ける」です。

 まず、「変化をリードする」です。
 これまでの社会の変化は、若いみなさんにとっては、変化しているようには感じなかったかもしれません。それは社会の変化より、みなさんの成長の方が速いからです。しかし、実際には、信じられないぐらいの速さと大きさで変わってきました。通信手段一つをとっても、固定電話、携帯電話、スマートフォン、5G通信へと変化しています。新しい時代は、これまでと比べても、圧倒的なスピードで変化するでしょう。
 「変化すること」は当たり前なのです。自分は変化せず現状維持で頑張ることはもちろんできますが、それにはかなりのストレスがかかるでしょう。また、時代の変化に従う、つまり後追いするというスタンスもとれますが、変化についていくにも努力が必要です。しかも、あまり楽しくありません。私のアドバイスは、変化の中に飛び込み、変化をリードすることです。変化を恐れずに、自分から変化しましょう。その努力は楽しいものとなります。

 もう一つは「人間としての尊厳を持ち続ける」です。
 これからの社会では、人工知能やロボットが、生活の中や仕事の中に、ごく普通に存在します。場合によっては、みなさんはロボットに使われるような気分になるかもしれません。あるいはロボットを脅威に思うようになるかもしれません。
 このような中で、みなさんにとって重要なことは、人間力、すなわち人間としての尊厳の持続であり、仲間づくりです。人間としての尊厳、そして仲間は、社会がどのように変化しても、変わらず必要なものです。その人間力こそが、人工知能技術が高度に発展した社会においても、より良い社会、幸せな社会をつくるための原動力なのです。

 最後に、新しい時代は、みなさんの力を必要としています。みなさん一人ひとりが新しい時代をつくるのです。山形大学で修得した「自分の能力」と、これまで育んだ「学び続ける力」に自信を持ち、自分の将来を切り拓いて下さい。
 その際に、今日お伝えした2つの言葉「変化をリードする」と「人間としての尊厳を持ち続ける」を心に留めおいて下さい。

 みなさんの活躍による素晴らしい社会の実現を心から期待しています。

平成31年(2019年)3月25日 山形大学長 小山清人

平成30年度(2018年度) 卒業・修了者数

 学部大学院

養護教諭
特別別科

山形地区 924 148 36
米沢地区 609 328  
鶴岡地区 154 33  
合計 1,687 509 36