折に触れて

（17：2022年12月20日）

　　　　　　　　　　　　　　　山形大学の大学祭　ー２　鶴岡キャンパスの鶴寿祭―

　本学の大学祭についてインターネットで調べている中で、2010（平成22）年度の国立大学協会の資料として、その年度に各大学で開催される大学祭の一覧表があることが分かった。それによると、本学では、10月9・10・11日に吾妻祭が、10月10日に希華祭が、10月23・24日に八峰祭が、11月6・7日に「11月祭」が開催されると記されている。

　そしてこの表には、大学祭の情報の問い合わせ先として、「山形大学小白川事務部学生支援ユニット課外活動担当」とあり、電話番号が公表されていた（現在は「学務課学生支援担当（学生企画・課外・寮務）」）。

　この表から、鶴岡キャンパスの鶴寿祭はもともと「11月祭」と呼ばれていたこと、また、飯田キャンパスで行われていた大学祭は「希華祭」（きっかさい）という名前で、2010年度は開催されていることが分かった。

　さて、鶴寿祭は、2010年度までは11月祭と呼ばれていたことが分かったが、では、いつから鶴寿祭と呼ばれたのだろうか、そして名称変更の理由は何だろうか、と思い農学部教授で副学長の林田光祐先生にお尋ねしたところ、次のような話を聞くことができた。

　鶴岡キャンパスの大学祭は例年11月上旬に行われていたので「11月祭」なのだが、収穫した農作物を提供できる時期にしようではないか、という話が持ち上がったのだという。しかし、9月はまだ夏休み中であること、準備期間が必要だったので、結局10月以降になったらしい。それでも時期を少しでも早めた方がいいのでは、ということになり、それに伴い名称も「鶴寿祭」に変更されたのではないかという。林田先生曰く、学生たちが考えたにしては鶴寿祭とは‘古風’な名前を付けたものだ、とのことであった。

　ではいつ名称変更が行われたかであるが、林田先生は最近だと思うがはっきりとは分からないとのことであった。そこで鶴岡キャンパス事務部学務部学務担当の那須奈緒係長に尋ねたらどうか、との話になった。

　早速、那須係長に問い合わせたところ、すぐに調べてくれて、以下のような返事をもらった。

　「お問い合わせいただいた件ですが、2011（平成23）年度から『鶴寿祭』に名称を変更したようです。当時のパンフレット等、何か資料があればと思ったのですが、平成23年度以前の資料・データは残っておらず、平成24年度のパンフレットに掲載されていた学部長挨拶等で判明いたしました。（参考までに平成24年度開催時のパンフレット（案）を添付いたします。）」

　早速パンフレット（案）を見たところ、那須係長のメールにあるように、当時農学部長であった西澤隆先生（現名誉教授）の「『鶴寿祭』の開催を祝して」と題する挨拶文の中に、鶴寿祭が2011年度に始まったことが明記されていた。以下、挨拶文の最初のパラグラフを引用する。

　「農学部の創立以来長きに渡り『11月祭』として開催されて来ました山形大学農学部祭は昨年度から『鶴寿祭』と名称を変更し山形大学の開学記念日（注：10月15日）に合わせて実施されましたが、今年度は諸般の事情により11月に開催されることになり、農学部伝統の『11月祭』が復活した感があります。」

　この文章で、鶴寿祭への名称変更は2011年度であること、開催日程の都合で11月祭の名称は不都合なので名称を変更したことが確認された。

　その後もインターネットで調べたところ、毎年農学部が発行している「山形大学農学部年報」に諸行事の日程が記載されており、その中に11月祭や鶴寿祭の開催日も示されていることが分かった。農学部のウェブサイトでは2009年度から年報を見ることができるので、それらから毎年の開催日を拾ってみた。これらの情報を末尾の表に示す。なお、年報には毎年決められる祭のテーマは書いていない。そこで、インターネットで調べられる範囲で分かった祭のテーマも記した。

　ところで、2011年度より開催時期を早めたというが、2018年度を除き、ほとんどが11月に開催されている。鶴岡キャンパスの大学祭は、‘11月と相性がいい’のかもしれない。

　また、鶴寿祭では、第××回という数え方をしていないようである。表にあるように、今年度の鶴寿祭は10回目であった。

 　　　　　　　　　表．11月祭と鶴寿祭の開催日と、祭のテーマについて（2008年以前は不明）

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