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キャンパスから

(No. 20:2023年3月10日)

 

散策と落語のイベント

 今月(2023年)3日(金)、本学主催の特別イベント、「文学と歴史の舞台 深川を歩く」に参加した。この特別イベントは本学学術研究院教授山本陽史先生が中心となり、2012年度から行ってきたものである。山本先生のご専門は江戸文学であり、本学の前身の一つ山形師範学校出身の小説家藤沢周平の研究でも知られている。本イベントは「本学の広報活動並びに社会連携活動の一環」として行われ、「江戸の面影を残す東京を中心にした街歩きと落語口演からなっている」。

 今回のイベントは、2019年3月の開催から4年ぶりの現地での開催であった。2020年は、年が明けるとすぐにCOVID-19の世界的流行(パンデミック)となり、中止とせざるを得なかった。2021・22年も現地での開催は不可能となり、オンライン開催を強いられた。山本先生がガイドとなったバーチャルな散策と、画面を通した落語口演である。それでも多くの本学OG・OB、そして関係者が参加されたという。この2年間のイベントのテーマを記しておく。
 2021年3月6日(土):「隅田川両岸バーチャル散歩」、桂伸治師匠の落語口演
            (テ―マは「落語に探る江戸の息遣い」)「長屋の花見」と「あくび指南」の二席
 2022年3月6日(日):「文明開化の舞台 横浜を歩く」、桂伸治師匠の落語口演
            (テーマは「江戸から近代へ」)「初天神」と「宿屋の仇討」の二席

 今年のイベントも2部構成で、第一部は「深川町歩き-水辺が生んだ文学世界」と題する「文学散歩」である。散策は9時45分開始のA班と、12時40分からのB班の2班で行われた(定員は各々40名)。第二部は14時40分からの桂伸治師匠による落語口演と、伸治師匠と山本先生による対談、「江戸文化と隅田川東岸」である。

 私が参加した散策は午後からのB班であった。散策は、清澄庭園内大正記念館に集合したのち、深川周辺の江戸の文化や歴史を物語る史跡のいくつかを見学した。散策の最後は深川江戸資料館で、再現された江戸時代の長屋を見ることができた。散策を通して、山本先生の軽妙で話題が尽きないそのガイドには、皆さん大いに楽しんだものと思う。
 
 第二部の伸治師匠の落語は、「長屋の花見」と「あくび指南」の二席であった。その後の山本先生との対談では落語界の状況、コロナ禍時の寄席の状況、女性落語家や弟子の話など、バラエティに富んだものであった。お二人の親密な関係が滲み出ていた対談ではなかろうか。落語口演はずっと伸治師匠が行っているとのことで、その理由を山本先生にお伺いしたところ、長年本学の新採研修で講師をしていただくなど、深いお付き合いがあったとのことである。

 参加された皆さんは、大いにこのイベントを堪能されたのではなかろうか。次年度以降も楽しみにしていただけたなら、本学関係者として嬉しく思う。

 今回、私はイベント参加者側の立場で楽しませていただいた。本イベントは広報担当の矢作理事の指揮の下、総務課秘書広報室・校友会事務局の皆さんが中心となってお世話した。山本先生をはじめとし、開催の労を取られた関係者の皆さんに御礼申し上げたい。