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キャンパスから

(No. 21:2023年4月10日)

 法人本部棟入口を彩る生け花

 小白川キャンパス法人本部棟へ正面から入ると、いつも真ん中のテーブルに生け花を鑑賞することができる。法人本部棟の正面は北側を向いて、かつ長い庇があるので、明るさの点からは外に比べてどうしてもうす暗くなるのだが、この生け花はその暗さを打ち消すように訪問者を和ませ、落ち着いた雰囲気を漂わせる。これらの生け花は、本学の「Club華」の方々がボランティアで提供してくださっているもので、年間を通して途切れることなく、1~2週間ごとに取り換えられている。作品には、生けた方のお名前も表示される。私は生け花(華道)については何も知らないのだが、それでも作品を見るとほっとした気分になり、癒される。

 さて、先月(3月)6日(火)から10日(金)までの5日間、Club華の方々による「花展2023」が開催された。本部棟1階に配置された4台のテーブルと入口から見て左手の壁面を利用し、20点余りの作品が本部棟1階を飾った(写真1)。この間、本部棟で勤務する教職員はもちろん、用件があって訪問した人も、大いにこれらの作品を楽しんだに違いない。

 花展の掲示物に、Club華結成の経緯が記されている資料があった。「以前から留学生の授業で生花の講師をしていただいていた越後恵美先生が、学内に生けてくださった花を見て、心を惹かれた職員数名が先生にご教示をお願いして、平成21年8月に発足した」のだそうだ。結成以来、14年が経とうとしている。年に一度の花展は、今回で12回目となるという。

 花展2023の掲示には、感想や意見を求める記載があった。私は、まずClub華の日頃の活動に感謝したいし、そして昨年に続き楽しませていただいた花展の開催にも感謝したい、どちらもずっと続くことを期待しています、とお伝えしたい。なお、昨年の花展の時、ひょんなことから結成のきっかけとなった越後先生と言葉を交わす機会を得た。「2011.3.11追悼」のための作品なのだが、花の配列(配置)の意味が分からず、どう見ればいいのだろうと思わず呟いたところ、近くにおられた越後先生が聞きつけ、本学でも亡くなられた学生がいるので鎮魂のための作品なのです、と説明して下さった。先生のお答えは私のつぶやきの意味と違う観点であったのだが、本学でも「3.11」の犠牲者が出ていたことをその時初めて知った。

 花展2023の翌週には、Club華の世話人である本部事務部の小山和佳さんと、ウクライナからの留学生ナスチィアさんとアニャさんの作品3点が、入口正面のテーブルに飾られた(写真2)。小山さんの作品はもちろん、留学生の作品も大変素晴らしい。ふと、華道や茶道、日舞、囲碁・将棋など、日本文化を味わい、そして理解するための授業が、留学生だけでなく日本人学生に対しても準備されていてもいいのではないか、と思ったのであった。

本部棟入口正面奥の壁面前に飾られたClub華の方々による生け花の作品群。(2023年3月7日撮影)の画像
本部棟入口正面奥の壁面前に飾られたClub華の方々による生け花の作品群。(2023年3月7日撮影)

花展2023の翌週に飾られたClub華世話人の小山和佳さん、ウクライナ留学生ナスチィアさん、同じくアニャさんの作品(向かって左から右へ)。(2023年3月15日撮影)の画像
花展2023の翌週に飾られたClub華世話人の小山和佳さん、ウクライナ留学生ナスチィアさん、同じくアニャさんの作品(向かって左から右へ)。(2023年3月15日撮影)