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キャンパスから

(No. 27:2023年10月10日)

                やまフェス2023~つなぐちから~の開催

 スポーツの日の10月9日(月)、本学小白川キャンパスを舞台に、「やまフェス2023~つなぐちから~」が開催された。主催は本学「健康と学びのサポートセンター」と山形市東部公民館で、地区のイベントとして位置付けられている。共催には、本学の附属博物館、エクステンションサービス推進本部、地域共創STEAM教育推進センター、データサイエンス教育研究推進センターなどが名を連ねた。このフェスのキャッチコピーは、「山形大学ではこんなことも/やっているんです!/来て、見て、体験してください!」(/は改行の意味)であった。各組織の8つの企画が並んだ。そのほとんどは予約なしで、無料で参加できた。

 当日はあいにく小雨がぱらつき、傘が要るような要らないような、はっきりとしない天候であった。そのようなことから、陸上競技場でのタグラグビーは残念ながら中止となったが、キャンパス内にはお子さん連れの来訪者が大勢いらした。

 私も幾つかの企画に参加させてもらった。附属博物館主催の「ナスカ地上絵を探せ!」では、大きく引き伸ばされたナスカの写真が床に敷かれ、スリッパをはいて自由に地上絵を探す企画であった。教室の黒板の位置には、ナスカの地上絵を紹介するビデオが流され、描かれた位置などについての解説がなされていた。

 附属博物館のもう一つの企画は、「企画展『オットセイ』のブロニー君と後藤嘉一と後藤ひろひと」である。附属博物館の小幡圭祐先生によるこの企画展の内容を、ごく短い文章で述べるのは容易ではない。ともあれ、ブロニー君死亡の定説は、後藤嘉一さんの遺品を孫である後藤ひろひとさんから寄贈されたのを機会に調べたところ誤りであった、というものである。私は郷土史家として後藤嘉一さんの名前は知っていたが、生涯を詳しく知ったのは今回が初めてである。孫のひろひとさんは山形出身であるが、現在は大阪で「大王」と呼ばれて活躍する演劇界の方であることも初めて知った。

 陸上競技場でのイベントは中止になったが、第一体育館を利用したイベントは行われた。訪れてみると、椅子に座り板をラケット代わりに用いた変形卓球や、竹製のピンを使ったボーリング、ボッチャなどが行われており、子供たちの大きな歓声が体育館中に響いていた。地域教育文化学部でスポーツ科学を専門としている渡辺信晃先生は、この天候で参加者が少ないことも覚悟したが、ある程度の参加者があり、ほっとしたとのことであった。

 ところで、この催事には多くの学生が手伝っていることが分かった。話を聞いたところ、謝礼もわずかであるが出ているらしい。謝礼の多寡はともかく、催事を手伝うことで地区の方々や子供たちと触れ合う機会を持つことはとても有意義なことと思える。

 地域教育文化学部の学部長で、健康と学びのサポートセンター長でもある中西正樹先生に聞いたところ、この催事は今年が初めてで、共催となっている各組織の若手の教員から、ボトムアップの形で提案されたのだそうだ。今年はあいにくの天候だったが、秋晴れであれば、きっと多くの子供たち、多くの地域の人たちが来てくれたものと思う。来年は良い天候に期待したい。