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キャンパスから

(No. 05:2021年12月10日)

小白川キャンパスのイチョウ並木と教養坂

 小白川キャンパスの北側半分には多くの建物が建っている。それらを東西に貫くように西門(正門)から東門にかけてモールとなっている。その中央部には南北に走る段差があり、キャンパスは低位の西側と高位の東側に分かれる。モールにある段差は、東側に旧教養部があったことから、‘教養坂’と呼ばれているのだそうだ。

 このモールには32 本のイチョウが植えられている。低位の西側に2列で24本、坂から高位の東側に1列で8本である。なお、基盤共通教育3号館の南側に5本、正門を入った左側にも1本のイチョウがある。これらのイチョウが10月末から11月一杯、見事に黄葉してキャンパスを彩った。キャンパスに集う人は、毎年このイチョウの黄葉を楽しんでいるに違いない。

 さて、このイチョウのことで、現在私は4つの不思議(?)を持っている。第1の不思議は、黄葉が低位の西側のイチョウが早く、高位の東側のイチョウで遅いことである。およそ1~2週間ほど低位のイチョウの方が早く黄葉した。もちろん、個体差はあるのだが、この時間的ずれは明瞭であった。坂を挟んだ高低差は高々1~2メートルなので、気温差がそんなにあるとは思えないし、傾向も逆である。一体何が原因なのだろうか。

 第2の不思議は、男女共同参画推進室副室長の柿崎悦子先生からのメールの中にあった「小白川キャンパスのイチョウの葉は、他所のイチョウより小さいのでは」との指摘だった。改めて見てみると、なるほど小ぶりに見える。これはどうしてなのだろう。

 第3の不思議である。黄葉が始まったころ、昼食を済ませてモールを歩いていると、総務部秘書広報室の小松昌弘さんとすれ違った。小松さんは「残念ながらこのモールには雌のイチョウも植えられているんですよね」と話してくれた。確かに、雄の木々に混じって、銀杏の実が取れる雌のイチョウもある。私が見るところでは、モールにある32本のうち、雌のイチョウは4本だと思うのだが。一般に街路樹には臭いの関係で雄のイチョウが選ばれるという。キャンパスへ植樹するとき、なぜ雌のイチョウ数本が雄の中に紛れ込んだのだろうか。

 第4は、不思議というより単純に疑問である。すなわち、そもそも、いつ、どなたが、どのような意図(考え)でこれらのイチョウを植樹したのであろうか。これにはきちんとした答えがあるのに違いない。もし、ご存知の方がおられるのであれば教えていただけないだろうか。

 ところで、教養坂のことである。私はこの付近に断層があるとは聞いていなかったので、河岸段丘だろうと思っていた。ある機会に、地理学を専門とする地域教育文化学部教授の八木浩司先生に聞いたところ、河岸段丘ではないという。小白川キャンパスは馬見ヶ崎川扇状地の上にあり、なだらかに傾斜する部分に当たっている。おそらく、旧制山形高等学校の創立時に、キャンパスを2つの面に整地したので、その間に段差ができたのではないかという。確かに、小白川キャンパス以外のところには、このような段差は存在していない。これについては山高創立時のことを調べると、何かしら情報を得ることができるのかもしれない。